Global Ethics


智慧は泥縄、一筋縄ではない
February 28, 2008, 11:31 pm
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最近、中国のニュースを翻訳して送ってくれる友人から、以下の二つのニュースを得たので、地球システム・倫理学会のサイトのニュースにも転載させてもらい、ここでも紹介させてもらう。自然システムをうまく利用して、環境改善を行なう好例である。また、訳者コメントにある通り、知識の必要と、知識の適用とは一筋縄では行かない、という良い教訓である:

 160余万匹の食藻魚が巣湖の藍藻拡大を食い止める   

新華網合肥220日電(馬姝瑞記者)。記者が巣湖漁業管理局からの情報で知り得たところでは、巣湖での藍藻暴発を食い止める為に管理局は巣湖に食藻魚の放流を開始、今年は160余万匹の食藻魚で巣湖内の藍藻を「消化」する計画である。{訳者注 巣湖(Chao-Hu)は安徽省合肥市に近く、江蘇省南京市の西南100キロに位置し面積は820平方キロで、中国第5の淡水湖}   

巣湖漁業管理局伍昌俊副局長によれば、第一陣の食藻魚5万匹は先日既に放流を完了し、20日以内に155万匹を巣湖水域に投入するとの事。   160万匹の食藻魚とは花鰱魚、白鰱魚、又は食藻魚と呼ばれ、彼らは生まれながらの藍藻の天敵で、花鰱魚或いは白鰱魚は体重が1キロ増長する毎に40-50キロの藍藻を消化して巣湖の清掃人の役目を果たし、巣湖の藍藻暴発を食い止める。   

伍昌俊副局長は、花鰱魚或いは白鰱魚は更に巣湖周辺漁民に豊潤な経済効益をもたらす。年末のこの魚の値は750万元以上になり、投入時の15倍になっており、放流する食藻魚の資金は漁業局の年度予算で賄われるので、経済収益は全部現地漁民の手に帰するのである、と語った。()

 原文 中国語 新華網 08/02/20 抄訳 島崎「是」2008/02/25 

[訳者コメント]藍藻を食って成長する魚が居るとは訳者は知らなかったので早速勉強した。《花鰱魚/白鰱魚は日本語ではハクレン又はレンギョ、英語ではSilver Carpと呼ばれ、アオコ(藍藻)退治の為に大昔中国大陸から日本に輸入されたようである。体長は大きいもので90-110センチ、体重10キロ以上にもなる。日本ではすり身や弁当用のフライなどに広く使われているようであり、関東では利根川のハクレンが有名で、ハクレンクラブという釣同好会も存在する》昨年大事件となった太湖や藍藻に悩む数多くの中国の湖には朗報である。しかし日本では藍藻対策用として昔から知られていたのに、昨年の太湖の騒ぎの時には食藻魚は話題にも上らなかった。卑しくも湖を管理する人であれば、知っておくべき事柄だと思う。

 ② 1億粒の銀魚受精卵を太湖に投入、藍藻減少に有望   

新華網226日南京(石永紅記者)。太湖漁業委員会は先日1億粒の銀魚受精卵を太湖流域に投入した。これは太湖の銀魚資源を増加させ、水体中の藍藻等の栄養物質を減少させ、太湖の水質を浄化するのに役立つ。   

銀魚は太湖の珍奇水産物種の一つであるが、自然環境下では自然受精の成功率が比較的低く、その為人工授精法により成功率を7割程度まで高めるのである。近親繁殖が銀魚全体の品質に影響を与えないようにする為、太湖漁業委員会は今回は特別に内蒙古で採取した受精卵を購入して太湖に投入した。   

1億粒の受精卵は吸い条件と合致すれば100トン近い銀魚の増産に繋がる。同時に、銀魚は体長が5-7センチになる前に主として浮遊動植物を餌にするので、水体中の藍藻等の栄養物質を減少させ、太湖の水質浄化の一助となる。   

近年来、太湖の銀魚漁獲量は毎年400トン前後で推移しているが、嘗ては2000トンの漁獲量を記録した事もあった。太湖漁業管理部門は今回の銀魚受精卵投入で、2-3年の努力により太湖の銀魚漁獲量を増加し、併せて太湖生態構造を改善したいと希望している。(完)

 原文 中国語 新華網 08/02/26 抄訳 島崎「是」2008/02/28

[訳者コメント]ハクレンを藍藻退治に利用する巣湖から直線距離で250キロ長江下流に当る太湖では銀魚(シラウオ)の利用である。夫々の湖には固有の生態系があり、「藍藻退治はハクレンにお任せ」と言う具合には行かないのだろう。それに銀魚は食用としても昔から広く利用され、「銀魚炒鶏蛋」は江蘇水郷料理として有名であり、太湖漁管としては一石二鳥を狙ったのである。それにしても、400トンの銀魚の存在にも拘わらず昨年は耳目を集めた藍藻大暴発が発生した訳で、僅か25%程度の銀魚の増加で藍藻を抑えられるのか、蓋し疑問ではある。 


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