「雇う」「雇われる」の関係ではなく、働くみんなが“経営者”として、全員が納得
いくまで経営方針を話し合い、自分たちの給料も決める。こうした「協同労働」
という働き方が注目されている。埼玉県深谷市では、地元企業をリストラされた
主婦10人が「協同労働」で豆腐屋を設立。配食、介護など次々に事業を拡大し
年商3億7千万円を達成、地域経済の大きな柱になっている。スペインでは、
8万3000人を有する巨大な協同労働組織「モンドラゴン」が、経済危機の真っ
直中でも急成長を続けおよそ2万人の雇用を創出。家電製造、銀行、流通など
280種類以上もの業種を経営している。さらに最近では、一般企業の就職から
押し出された若者たちが数多く協同労働に従事し、これまで得られなかった労働
意欲や“やりがい”、将来の希望を手にしているという。協同労働とは、いったい
どんな働き方なのか?閉塞した時代を切り拓く新たな手がかりとなるのか?その
可能性を探る。