田中秀征 政権ウォッチ
【第171回】 2013年2月21日 田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

安倍内閣支持率が続伸する3つの理由

「新報道2001」(フジテレビ系)の世論調査で、安倍晋三内閣の支持率が72.2%に達した。

朝日新聞では62%だが、前回比では8%増。他調査を圧倒している。

不支持率は新報道が21.8%なのに、朝日は17%。これも前回比で6%も減少した。

これなら、細川(護熙)、小泉(純一郎)両内閣に迫る支持率と言える。

この高い支持を背に、首相は22日の日米首脳会談に臨む。そもそも首脳会談は、世論の支持が最強の援軍となるから、安倍首相にとっては願ってもない環境だ。

振り返ると先週末のG20が今までの最大関門。この関所をアベノミクスは首尾よく通過した。

一部で日本の円安に批判が集中すると懸念されたが、共同声明では名指しされることなく、「通貨の競争的な切り下げを控える」という一般論で収まった。

これは麻生太郎財務相などが、日本の金融緩和が円安ではなく、「デフレ脱却」を目的とするものであると、繰り返し強調したことも功を奏したのだろう。

高支持率の理由を知ればわかる
安倍内閣の意外なもろさ

安倍内閣支持率の続伸の大きな理由は3つある。

①円安、株高に象徴されるように、経済が明るさを取り戻したこと。

麻生財務相が言うように、政府は「まだ何もしていない」のに、経済の先行きへの期待感が充満している。これが今後も順調に持続するとは言えないが、経済の再生への出発点として不可欠なもの。大事に育んでいくべきだ。

②日米関係が修復されること。

これは、必ずしも、今回の日米首脳会談でアメリカの意向を全面的に受け入れることを意味しない。主張の違いによって激論があっても、それが信頼関係を損ねることにはならない。

会談では既に「北朝鮮問題が最優先」とすることが伝えられているが、北朝鮮問題と尖閣問題で強い連携が打ち出されるだろう。

北朝鮮問題では、北朝鮮の米国への核攻撃が現実的な視野に入ったことで、米国の政策も質的に大きく変化せざるを得ない。日米だけでなく、全世界の目がこの会談に注がれるに違いない。

TPPも、米国が性急に対応を迫ることもないだろう。「例外品目」にも一定の理解を示すはずだ。

やはり、(A)オバマ大統領の再選と(B)米国経済の改善、さらに(C)東アジア情勢の緊迫がオバマ大統領の姿勢に何らかの変化をもたらすに違いない。

③安倍首相に対するウルトラ・ナショナリストであるという誤解が解けつつある。

内閣発足当初は、国内だけでなく、外国メディアでも安倍首相がウルトラ・ナショナリストであるかのような報道が散見された。しかし、そのような報道が急速に少なくなりつつある印象を受ける。

国会での論戦でも、首相の慎重な姿勢が目立ち、第一次内閣の答弁とは明らかに違ってきている。質問で挑発されてもそれに乗らない安定感も出てきた。

実は、この首相の変化は、首相に対する内外の不安感を薄めて支持率上昇に寄与するところが極めて大きいと私は考えている。

首相の高支持率をこう考えると、いずれももろさを含んでいる。特に、①と③は、首相や重要閣僚の失言1つで大きく崩れる可能性もあり、今後の実績によっても希望が失望に急変することも充分に考えられる。いずれもこれからの首相の出方、特に好調な環境での不用意な言動があるかどうかで決まるだろう。

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