英米法(アメリカ法)圏と大陸法圏の問題、TPP交渉と行政府の権限

Fw: 英米法(アメリカ法)圏と大陸法圏の問題
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>  不正確さは残るかも知れませんし、
>  想像力による部分は大きいのですが、
>  これまで、多分、全く触れられていない問題点について
>  参加表明前に問題提起したいと
>  考え、ブログに書いてみました。
>
>  「ISDS条項の罠 滅ぼされる日本法」
>  http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2013/03/post-8f92.html

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1.合衆国国憲法(在日米国大使館)
2.TPP交渉と行政府の権限

1.合衆国国憲法(在日米国大使館)
http://aboutusa.japan.usembassy.gov/j/jusaj-constitution.html
前文
「われら合衆国の国民は、より完全な連邦を形成し、正義を樹立し、国内の平穏を保障
し、共同の防衛に 備え、一般の福祉を増進し、われらとわれらの子孫のために自由の
恵沢
を確保する目的をもって、ここに アメリカ合衆国のためにこの憲法を制定し、確定す
る。」

註;この前文の「共同の防衛に備え」が、米軍が世界中に展開できる根拠だと理解して
います。

第一章(立法部)
第2 条[下院]
第3 条[上院]
United Statesですから、各州の代表を選びます。比例代表制はありません。従って
支持基盤の地元の有権者の意向が強くなり、党議拘束ができません。タレントや素人が
入る余地もありません。
下院議長は議員選挙で決めます。上院議長は副大統領が兼務するが実質多数派の院内
総務が仕切ります。
第7 条[下院先議、大統領拒否権]
法案は、下院→上院→大統領署名で成立するが、大統領は拒否権を持つ。大統領から
拒否された法案は、両院とも2/3の賛成で成立する。(大統領拒否権の無効化)

第8 条[連邦議会の立法権限]
この条項がTPPなどの通商交渉を規定しています。また議会と行政府との関係も明ら
かになります。
[第一項] 租税、関税、輸入税および消費税を賦課し、徴収する権限
この条項に関税と輸入税が議会の権限であることが明記されています。
[第二項]いわゆる国債発行権
[第三項]通商を規制する権限
この条項がFTAやTPPなどの通商交渉を行う権限が議会にあることを示しています。
大統領府のUSTRは、法的には議会の使用人に過ぎません。50年前はUSTRは存在しなく、
議会が通商交渉を行っていました。しかし、各国との交渉に時間がかかり非効率的なこ
とから、通商代表部(USTR)を設置し、常に議会と相談するという前提で権限委譲を行
ってきました。
[第四項]
この項以降、帰化、貨幣、偽造取締、郵便、著作権・特許、下位裁判所、海賊取締、
宣戦布告、軍隊の徴兵ならびに組織化、民兵団の組織化、政府所在地の権限、と議会の
権限は強大である。

第2章[執行部]
第一条[大統領と副大統領、選出方法]
[第1 項]大統領に執行権
第二条[大統領の権限]
[第1 項] 大統領は、軍および民兵団の最高司令官
[第2 項] 大統領は、上院の助言と承認を得て、条約を締結する権限を有する。上院
の出席議員の3 分の2 の賛成を要する。
[第3 項] 欠員補充権限

大統領の権限は、立法時の拒否権、行政の執行権、軍の最高司令官、指導付きの条約
締結と欠員補充の権限しかない。議会に較べたら圧倒的に権限が少ない。
ここで注意していただきたいのは、議会にある通商交渉権限と大統領の条約締結権限と
別れていることです。

日本では、第七十三条「内閣は」の三「条約を締結すること。但し、事前に、時宜に
よつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。 」と書かれ、通商協定も条約
とされていることです。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html

2.TPP交渉と行政府の権限
米国では、通商協定も条約も議会が主導的立場で交渉を進めていくが、日本では内閣
の専権事項として秘密裏に交渉をまとめ、事後に議会に批准を求めることができます。
議員内閣制だから、多数派政権は、党議拘束をかけて批准することが可能です。
または、7月31日の参院外交防衛委員会のように、ACTAを含む4本の条約を、充分な議論
を行わず、全会一致で承認することも可能です。(委員の選定で決まる)

米国では、個々の法案の賛否は各議員の判断に任され、投票結果は公表されます。地
元有権者の目を大切にしなければなりません。党と地元の考え方や利益が異なる事は当
然のことです。下院は2年の任期ですから、ますます地元の意向を大切にしなければな
りません。
ある意味では、議員の行動は次の選挙のためでもあります。
外交権限を持つ上院は任期6年ですが1/3の改選が2年毎にあります。交渉の継続性は保
たれることになります。

なお法案は行政府に提案権がなく、議員立法が全てです。従って大統領府が法案を出
したい場合は、議員へのロビー活動を行って、議員から提案するようにします。
日本は、ほとんどの法案が政府提案で、議員立法が少ない。
また、議会運営も複雑で、議案の条文を修正しながら合意をはかって行くため、日本
のように、ある時期にくるとほぼ修正なしですんなりと可決されると言うことはない。
特に利害の対立する法律を成立させるのは、非常に難しい。TPAがその例です。

これまでの包括的通商交渉いわゆるFTAが、行政府(USTR)に通商交渉権限を委任し
、協定締結が成立したら、内容の修正を行わず議会に批准を求める実施法を提出するTP
A(大統領貿易促進権限)を公式交渉前に、議会から承認を得ていました。
TPAは、ブッシュ政権下で超党派で成立し、延長も含めて2007年6月まで有効でしたが、
民主党の反対により、2007年7月以降失効しています。
問題は、TPPを推進しているUSTRが、TPAを与えられていないことです。また、議員へ
の情報公開もしていませんから、他国と交渉成立したとしても、大統領府は協定に署名
をすることができません。(ACTAのUSTRの東京での署名は違憲だとWyden上院議員が指
摘している)議会の権限である通商協定は、全ての条文を議員がチェックし、個々の条
文を修正、あるいは削除などの作業をするでしょう。その作業が終了して議決があって
、初めて他国との署名ができるのです。つまり、米国は、通商協定を他国と締結するこ
とが、事実上不可能に近い。

TPAによって、一括承認を得るため、実施法の第102条に「この協定は、米国国内法に
、一切影響を与えていない」と記載できるようにUSTRは努力します。そのことは、相手
国に米国法を押し付けることになります。その典型的な例が米韓FTAで、韓国の主権が
侵されます。
TPPは、米国の法律を利用するグローバル産業が、世界を支配する道具として定義し
ても良いでしょう。米国の官僚は、これらのグローバル産業から送り込まれています、
特にUSTRや商務省、農務省の高官は、定期的に行き来しています。

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