IWJ: TPP交渉、日本の『聖域』は守られない!米通商代表部声明により判明】(転用)
孫崎享のつぶやき 2013-03-16 07:37
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安倍首相の詭弁が全くいい加減であることが下記の米通商代表部声明でも明らか。IWJ
の訳を下記に紹介する。何がルールつくりに貢献する、交渉力発揮だ、いくつかの分野
は交渉が終了してさえいる。交渉はほとんど終わっている。いいかげんな政権だ。
<関税(customs)、通信(telecommunications)、規制の統一(regulatory coherenc
e)、開発(development)を含むいくつかの交渉グループは、今後の会合で法的文書に
関して再度集まっての議論は行われず、これらの分野において残った課題は、合意がフ
ァイナルとなる最終ステージの会合で取り上げられる予定である。このことにより、TP
P参加国は、知的財産権、(公的機関の)競争、環境といった、残った最も難しい問題
の解決に努力を集中させることができる>
つまり、今から日本がTPP交渉に参加しても、関税に関する議論には参加することが
出来ない、ということだ。「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、TPP交渉参加に反対
する」という自民党の公約は、TPP交渉において実現されないということが明らかにな
ったと言えよう。
以下、USTRによる声明文の翻訳を一挙掲載する。(翻訳はIWJが独自に作成)
(声明全文邦訳)
アメリカ通商代表部(USTR)による声明発表
2013年3月13日
TPP交渉は第16回の会合で順調に進展
シンガポール ― TPP交渉の第16回会合が本日終了したことを受けて、交渉責任者
たちは本会合で設定していた目標を達成したと報告した。すなわち、オバマ大統領と他
10か国の首脳が想定する、2013年という時間枠で次世代の包括的な合意の締結に
向けて加速することへの交渉がまとまった。
TPPを通じて、アメリカは貿易や投資の枠組みを設立し、21世紀のアメリカの利害関
係者が直面する問題に対処し、アメリカの競争力を高め、ダイナミックなアジア太平洋
地域におけるアメリカの貿易を拡張することにより、アメリカの雇用創設を後押しする
ことを目指している。アメリカはまた、透明性や労働権、環境保護など、核となるアメ
リカの価値観について合意を進めることも目指している。
アメリカの主席交渉官でUSTR代表補のバーバラ・ワイゼルは、TPP参加国がこれまで達
成した非常に多くの交渉問題に関する意見の一致に基づき、本会合において11か国の
代表は、残存する問題について相互受け入れ可能な道筋を見つけ、合意の法文化を進め
る動きを進展させた。活発な会期間の折衝や、会合における全参加国が見せた実用主義
や柔軟性の結果、関税、通信、投資、サービス、貿易における技術的障害、衛生や植物
検疫の手法、知的財産、規制の統一、開発やその他の問題など、多岐に渡る領域におい
て、多くの問題に対する解決を見出すことに成功した。この進展をもって、関税(cust
oms)、通信(telecommunications)、規制の統一(regulatory coherence)、開発(d
evelopment)を含むいくつかの交渉グループは、今後の会合で法的文書に関して再度集
まっての議論は行われず、これらの分野において残った課題は、合意がファイナルとな
る最終ステージの会合で取り上げられる予定である。このことにより、TPP参加国は、
知的財産権、(公的機関の)競争、環境といった、残った最も難しい問題の解決に努力
を集中させることができる。
11か国はまた、本会合において、商品やサービス、投資、政府調達のための市場アク
セスを提供する包括提案を継続して進めることにおいても進捗を見せた。産業製品、農
業、繊維製品の関税一括法案に加え、原産地規則、そしていかにアメリカや他のTPP参
加国の企業にとって有益となるための地域的なサプライチェーンの発展を最大限促すか
ということについて、生産的な意見交換が行われた。また、交渉担当者は、サービス、
投資、政府調達の市場を開くための各国の提案を議論した。11か国は前回の会合から
進展した市場アクセスに基づいて、会期間のさらなる課題についても合意に至り、各国
首脳が目指す高いレベルの志にふさわしい結果に向けての動きを続けた。
3月6日、TPP交渉は一時中断し、交渉官たちはTPP参加国から300以上のステークホ
ルダー(利害関係者)が参加するイベントに出席し、議論を交わした。ステークホルダ
ーからのリクエストに応じ、シンガポール政府は交渉官と直接議論できるような場と、
60のステークホルダーがあらゆる問題についてプレゼンテーションを行う場を用意し
た。その日はまた、ワイゼルや各国の交渉責任者はステークホルダーに交渉の概要を説
明し、TPP会談の内容や進捗状況についての質疑を行った
4月半ばに、インドネシアのスラバヤで行われるAPEC貿易担当大臣会合の合間に、TPP担
当大臣の会合が行われ、これまでの進捗状況の議論や交渉官に対するガイダンスの提示
が行われる予定である。交渉が最終段階をむかえていることから、残るセンシティブな
問題に対処すべく、各国政府高官同士によってさらなる積極的な議論が行われることと
なろう。
TPP交渉の第17回会合は5月15?24日、ペルーのリマで開催される。
USTR声明原文リンク先
http://www.ustr.gov/about-us/press-office/press-releases/2013/march/tpp-negot
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