昨日3月15日(金)の夜、新宿の「ネイキッドロフト」にて、宇都宮健児さん
を招いて、「都知事選徹底総括!宇都宮健児かく戦えり~激動の41日~」
というトークイベントが開催され、私も参加しました。
金曜日の首相官邸前の抗議行動やTPP反対の緊急抗議行動と重なった
ためか、最初はすごく少ない人数で始まりましたが、徐々に人数も増えま
したが、会場が狭いこともあり、20~30名くらいの参加ではなかったかと
思います。
第1部は宇都宮さんと司会者の星野祐毅さん(扇風機評論家、政治問題
愛好家)との対談形式で、第2部は、このお二人に緑の党共同代表の
すぐろ奈緒(杉並区区議会議員)と、もう一人のロフト側の司会者である
奥野テツオさん(ロフト企画制作部、脱原発杉並)も加わって、トークが
行われました。
第1部では、主催者側があらかじめ会場で参加者にとった、都知事選に
おける宇都宮陣営の選挙運動に対する評価のアンケートを基に、選挙戦
の映像も交えながら、司会者が宇都宮さんにお話を伺うという形で進められ、
第2部では、緑の党共同代表のすぐろ奈緒さんも交えて、選挙協力の問題
も話し合われました。
司会者からは、宇都宮さんに、7月の参院選に出る気はあるのですか
という話もされましたが、宇都宮さんはあくまで都政にこだわってゆかれ
ると述べられていました。先の都知事選では、石原都知事の突然の辞任
と急遽の都知事選、そして総選挙との同日選で、受動的な、そして準備も
整わない中での短期間の選挙戦を強いられたが、4年間地道に運動を
続けてゆけば必ず勝てると言われ、4年後の都知事選も見据えて運動を
続けてゆくことを表明されていました。4年後の都知事選に宇都宮さん
ご自身が出馬されるかどうかは別ですが(「状況によって」と言われて
いました)、引き続き都知事選で掲げた4つの柱(脱原発、憲法など)を
実現するため、都政を監視続けてゆくとのことです。
このトークイベントでは、選挙戦の総括がテーマでしたが、宇都宮さんは、
街頭での演説や選挙運動だけではだめで、電話かけが重要、いかに
多くの有権者に直接働きかけるかが重要と、ご自身の日弁連会長選挙
の経験も踏まえながら、強調されていました。宇都宮さんが日弁連会長
になった会長選では、宇都宮さんご自身で3000人の弁護士に直接、
電話かけをしたとのことです。
また今回の都知事選では、未来の党、共産党、社民党、生活者ネット、
新社会党、緑の党などが宇都宮さんを支持してくれたが、衆議院総選挙
と重なり、総選挙に候補を立てている各党は、そちらに忙しく、都知事選
の方までなかなか手が回らなかったとのことです。朝日新聞の出口調査
によると、共産党、社民党の支持者の宇都宮候補への投票は、各々
6割台、5割台にとどまったとのことです。
また連合東京が早々と猪瀬支持を打ち出したことも痛かったとのことです。
宇都宮さんが取り組んでこられたサラ金規制の問題(クレサラ問題)では、
連合も協力してくれ、連合とも接点があったが、連合東京の主力に電力
総連がいたため、いち早く猪瀬支持を決めてしまい、傘下労組に統制を
かけたとのことです。それでも、それに反乱を起こして、宇都宮さんを
支持してくれる労組もあったが、単発的で、横の連携はできなかったとの
ことです。
今回の都知事選では、勝手連など、市民が前面に立った選挙戦を戦ったが、
市民運動もまだまだ力が足りない過渡期にあるので、従来型の労働組合の
支持も重要とのこと。連合は、連合が積極的に支持する選挙戦になると
連合会館(旧総評会館)を電話機で埋め尽くして、組合員を動員して電話かけ
をするとのこと。サラ金規制の問題や年越し派遣村の時は、連合、全労連、
全労協という労働組合のナショナルセンターが一緒になって支持してくれたが、
今回はそうならなかったとのこと。
なお今回の都知事選で、宇都宮さんの得票率が高かったのは、従来から
各種の市民運動が活発な東京西部の各市地域とのこと。
また運動側の問題として、小さな政策の違いやイデオロギーの違いによって、
分裂を繰り返し、団結できない、選挙協力もできないというのは、日本の左翼
の最大の問題だということも話されました。(政策やイデオロギー以前に人間的
な好き嫌いで、分裂したり排除する傾向もあると。)それに対して、自民党や
経営者側は、 利権で結びつき、自分たちの利権を守るために団結していると。
宇都宮さんが都知事選を闘って強く感じたこととして、市民の自由な選挙運動
を規制する制限だらけの公職選挙法の問題点と高額な供託金制度の問題を
挙げていました。候補者名と候補者の顔写真を載せられない選挙ビラなどの
問題も話され、それを受け取った有権者から、ミスプリではないかと大量の苦
情電話が殺到し、対応に追われたとのことです。
また高額な供託金制度も大問題で、それは被選挙権を経済力によって制限
するもので、憲法違反ではないかと述べられていました。実際に選挙後、
一有権者が訴訟を起こしたとのことです。もし緑の党が高額な供託金制度は
憲法違反だと裁判を起こせば、宇都宮さんはその弁護をするとまで言われて
いました。供託金制度が、1925年の男子普通選挙の導入とともに、治安維
持法などとセットで導入されたことにも触れられていました。それまでの納税
額による選挙権の制限が撤廃され、貧しい人々や無産政党が議会進出する
ことを阻むために供託金制度が導入されたのです。その供託金制度が戦後
も引き継がれているのです。
また安倍政権になり、憲法改悪の危険が迫っていますが、宇都宮さんは従来
の護憲運動も問題で、憲法を守るとか変えるとかの議論だけで、憲法の規定
を実質化するための努力をしてこなかったと批判されていました。
それと関連して、日教組に対しては、右側から偏向教育と批判されているが、
左側からの批判こそ必要で、憲法25条(生存権)は教えても、学校で先生方
が生徒に、生活保護の申請をじっさいにどうするかを教えない、 憲法第28条
で労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権は教えての、実際に労働組合
をどう作るのかを教えない、憲法 第21条(表現の自由)は教えても、実際に
どうデモや集会を行い、同ビラを作るのかを教えない。そのような憲法を実質
化させる努力こそ必要だと述べられていました。
終了予定時刻を大幅に過ぎても話が盛り上がりました。
以上はあくまで、私の個人的な感想ですので、宇都宮さんの発言については、
私の聞き違いや正確でない部分もあるかもしれません。
なお昨日のイベントとは別に、私の関わっています市民グループ「私が東京を
大和田」の「さくらホール」で、「宇都宮健児・井戸川克隆(前双葉町町長)
(以下転載)
「都知事選徹底総括!宇都宮健児かく戦えり~激動の41日~」
昨年12月の都知事選。惜しくも次点に終わった宇都宮氏、堂々登壇!
あの選挙とは、なんだったのか?訴えたかった事は、なにか?
敗因はなにか?
そして、未来への提言。
その他、右左両陣営および、話題のオシゴト!
選挙コーディネーターの方にも出演オファー中!
ここでしか聞けない、ドッキリ選挙裏話も?
そして、われらの表現の自由はどこへ?
【出演】
宇都宮健児(前日弁連会長、昨年12月の都知事選の候補者)
【ゲスト】
すぐろ奈緒(杉並区区議会議員、緑の党共同代表)
【司会】
星野祐毅(扇風機評論家、政治問題愛好家)
奥野テツオ(ロフト企画制作部、脱原発杉並)
【日時】
3月15日(金) OPEN18:30 / START19:30
【会場】
ネイキッドロフト(東京都新宿区百人町1-5-1 百人町ビル1F)
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