3年間に、日本の諸制度、国のかたちが、書き換えられてしまう可能性がある!

3年間に、日本の諸制度、国のかたちが、書き換えられてしまう可能性がある!

植草一秀氏の視点ー(2013/03/25)

辺野古・TPP・原発反対の「静かなる革命」を展開

7月参院選の意味を再確認しておきたい。

… 何よりも重要な点は、7月参院選で安倍政権支持・補完勢力が参院で過半数、
絶対多数を確保すると、2016年までの3年間に、日本の諸制度、国のかた
ちが、書き換えられてしまう可能性があることだ。

昨年12月16日の総選挙は違憲選挙である。

違憲選挙だから、当然、無効選挙にならねばならない。

裁判所は選挙の無効を宣言するべきである。

しかし、この国の司法は、政治権力から独立していない。

司法は、行政権の支配下に置かれているのが実態である。

行政権の支配下に置かれている司法が、総選挙を無効とする判断を示すことは
ないだろう。

つまり、現在の安倍政権が衆院を解散しない限り、2016年夏まで、国政選
挙が行われない、「空白の3年」が生まれることになる。

政治勢力は多党乱立のように見えるが、これは一種の「偽装」、=「目くらま
し」の策謀であると思われる。

同種同根の政治勢力が多党に分立して、それぞれが一定の投票を獲得し、議席
を占有する。

国民の多様な意見を吸収しているように見せかけて、実は、これらの勢力が同
種同根だとすると、特定の政治勢力が国会を支配することになる。

結論を先走って述べれば、自公+みんな維新は広い意味で同種同根である。

民主の大半も同種同根である。

この自公+みんな維新+同根民主によって国会が占領されてしまえば、大政翼
賛政治になる。

参院選の結果、この大政翼賛体制が構築される可能性が高まる。

「同種同根」の根本は、「対米隷属」である。

当面の具体的なテーマは、辺野古・原発・TPPだが、この三大問題につい
て、対米隷属を軸にものごとが決着してしまう可能性が生まれている。

安倍晋三氏は、すでにこの三大テーマである、辺野古・原発・TPPについ
て、地雷を埋め込んだ。

重要なことは、その地雷が火を噴くタイミングが、すべて、参院選後に設定さ
れたことだ。

安倍氏が三つのテーマについて、前のめりの姿勢を示した理由は、地雷の埋め
込み作業を、できるだけ参院選と引き離すためであったと思われる。

早い段階で地雷を埋め込んでしまい、参院選のころには、この地雷についての
認識を薄れさせるのだ。

この三大問題を参院選の焦点から外し、参院選を乗り越える。

地雷が火を噴くのは参院選が終わってしまったあとだから、地雷が火を噴いて
主権者が後悔しても、もう手遅れである。

批判が強まっても、国政選挙がないから、主権者が意思を表示する機会は存在
しない。

2016年までその怒りを持ち続けるほど、主権者の意思は強固でない。

主権者はそのように見くびられている。

政権のシナリオに全面協力しているのがマスメディアである。

TPPも政権が創作したイメージストーリーが流布されて、主権者を丸め込む
ことに成功しつつあるかのように見える。

「TPPを正確に説明すると世論はTPP反対に変わる」

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-4d4a.html

主権者は真実を知らされず、政府が創作した虚偽のイメージによって誘導され
てしまっている。

こうした、イメージによる誘導こそ、「情報操作」そのものである。

政治権力がマスメディアを動員して実施するイメージ操作=大衆誘導こそ、大
政翼賛体制の政治の大きな特徴である。

TPPにおいては、政府が美辞麗句を並べ立て、日本の主権者が被害を蒙る肝
心のポイントについては一切触れずに、抽象論だけで情報操作を展開した。

その象徴が安倍晋三氏の記者会見発言内容だ。

「世界の国々は、海外の成長を取り込むべく、開放経済へとダイナミックに舵
を切っています。

日本だけが内向きになってしまったら、成長の可能性もありません。

TPPはアジア・太平洋の「未来の繁栄」を約束する枠組みです。

全ての関税をゼロとした前提を置いた場合でも、我が国経済には、全体として
プラスの効果が見込まれています。

TPPの意義は、我が国への経済効果だけにとどまりません。日本が同盟国であ
る米国とともに、新しい経済圏をつくります。そして、自由、民主主義、基本
的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々が加わります。

こうした国々と共に、アジア太平洋地域における新たなルールをつくり上げて
いくことは、日本の国益となるだけではなくて、必ずや世界に繁栄をもたらす
ものと確信をしております。

共通の経済秩序の下に、こうした国々と経済的な相互依存関係を深めていくこ
とは、我が国の安全保障にとっても、また、アジア・太平洋地域の安定にも大
きく寄与することは間違いありません。

今がラストチャンスです。この機会を逃すということは、すなわち、日本が世
界のルールづくりから取り残されることにほかなりません。

残されている時間は決して長くありません。だからこそ、1日も早く交渉に参
加しなければならないと私は考えました。」

抽象的な美辞麗句だけで押し切ってしまうという不誠実な姿勢が鮮明に示され
たものだ。

「核心に触れず美辞麗句でTPP押し売りの不誠実」

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/tpp-766e.html

メディアが肝心な具体的問題点を明らかにせず、主権者をムードだけで洗脳し
てしまう。

この状況が維持されて、参院選を迎えれば、安倍政権支持勢力・補完勢力が参
院でも多数を握ってしまうだろう。

参院選後、辺野古、原発、TPPの地雷が火を噴くことになる。そのときに
なって後悔しても遅いのだ。

この事態を回避するには、「対米隷属」勢力に対抗し得る政治勢力が、最低で
も参院3分の1議席を守ることが必要だ。

そのための方策を打ち立てないと手遅れになる。

TPPにおける世論誘導の方法は、TPP賛成論を綺麗に見せる一方で、TP
P反対論を醜悪に見せるという手法だった。

上記の安倍晋三氏の記者会見発言など、極めて空疎な抽象論の塊でしかない。

自由貿易は善。

開放経済へのダイナミズム。

日本だけが内向きで良いはずがない。

TPPは日本経済にプラス。

TPP参加へのラストチャンス。

世界のルール作りから取り残される。

これらが並べ立てられ、焦点の問題点には一切触れない。

ただ、

日本には世界に誇るべき国柄

息を飲むほど美しい田園風景

五穀豊穣を祈る伝統

世界に誇る国民皆保険制度を基礎とした社会保障制度

を断固として守る

とだけ言う。

言うのは簡単だ。しかし、このなかに、明確な約束として示されている言葉は
「国民皆保険制度」だけである。

他の部分は抽象論に過ぎない。

すなわち、これら抽象論の部分が破壊されても、具体的に破壊されたことを立
証することはできない。単なる言葉遊びなのだ。

それでも、これだけ美辞麗句を並べ立てれば、国民を騙す、洗脳するには十分
だ。

メディアはTPPをどのように伝えているか。

TPP反対論者としては農業関係者しか出さない。

鉢巻きを締めて集会を開催し、TPP断固反対のこぶしをあげる農業関係団体
の様子しか映さない

発言を紹介する人物は、JA全中代表の万歳章氏と農林系国会議員だけだ。

万歳氏は業界の既得権益を守る、守旧派代表として登場させるのに、これ以上
の適役はいないという風貌の人物である。

TPPは日本経済にプラス、雇用拡大にプラス、消費者がモノを安く手に入れ
るためにもプラスだが、

これまで高率関税に守られてきた農家にとっては深刻な問題。

関税撤廃で打撃を受ける農業関係者がTPP断固反対と鉢巻を巻いて気勢を上
げている。

このようにしか、メディアは報道しない。

だから、世論調査結果を誘導できる。

しかし、TPPの核心はこんなところにはない。

TPPは「米国の米国による米国のための仕組み」であって、米国には利益を
提供するが、日本の国益には反するものである。

米国が狙いをつけているもののなかで、最重要関心事項は、

1.農業
2.かんぽおよび共済
3.医療・医療機器・薬品

そして、米国が米国の期待する果実を得るために必要不可欠な「兵器」として
位置付けているのが「ISDS条項」である。

米国主導で日本がTPPに引き込まれると、ISDS条項が発動され、上記3
分野で取り返しのつかない事態が発生する。

この点についての十分な検討なくしてTPPに参加するというのは、完全なる
「売国行為」である。

TPPに反対している中心は、これらの事情を知っている「インテリ層」であ
る。

農業関係者だけが反対しているのではない。

農業関係者の一部は、反対運動を展開して、多額の補助金を獲得することを
狙っている。

与党政治家は、この補助金獲得運動に加担して、政府予算での補助金配分にお
いて、甘い蜜を吸うことを目論んでいる。

こんなTPP反対論は、「エセTPP反対」に過ぎない。

本当に日本国民の幸福を考え、TPPがもたらす災厄を防ぐためにTPPに反
対している者が、本当の愛国者である。

その中心は、間違いなくインテリ層である。

この、本当のTPP反対層が、「TPP反対主権者会議」、あるいは、「TP
P反対国民会議」のような運動体を編成して、理知的にTPP反対の啓蒙活動
を展開する必要がある。

テレビメディアがTPP反対論者を紹介する際に、JAの万歳会長ではなく、
この主権者会議の代表者を紹介させる方向に誘導することが大切だ。

TPP反対は農家を救済することを目的とするものではない。

日本の社会を守るための運動である。

日本の文化、伝統、国民の生命、健康、安全、共同体社会を守るための運動で
ある。

日本の市場が現状で十分に開かれた市場であることを、事実に基づいて説明す
る必要がある。

国民皆保険が維持されても、混合診療が解禁され、保険医療の適用範囲が縮小
されれば、日本の公的医療保険制度は実質的に崩壊する。

コメ、乳製品、砂糖、小麦、牛肉は、それぞれ、特別な事情があって、国とし
て守ることを決めている。

TPPに参加すれば、かんぽや各種共済制度が破壊されてしまう可能性が高
い。

TPPが持つ毒の筆頭がISDS条項であって、この条項を受け入れると、各
種制度が日本政府の判断を超えて、強制的に変更させられてしまう。

などを、丁寧に説明する必要がある。

TPPについての主権者の判断を仰ぐには、抽象的な総論ではなく、具体的な
各論について、徹底的な論議が必要不可欠なのだ。

現状のマスメディア報道では、抽象的な総論だけで、TPP賛成のムードを生
み出すことだけに精力が注がれている。

そうではなく、具体的な各論について、徹底的な論議を行うとともに、その各
論をすべての主権者に伝達することが必要なのである。

JAがTPP粉砕集会を開いてTPP反対を唱えているだけが、TPP反対論
ではないことを示す必要がある。

そのためには、市民が主導し、ここに国会議員、有識者を巻き込んで、冷静で
客観性のある、「TPP反対主権者会議」のような運動体を構築することが必
要である。

この手法は、辺野古移設問題、原発再稼働問題にも応用することができる。

市民が軸になり、「静かなる革命」を引き起こすことが必要だ。

TPP、辺野古、原発問題に対する、市民と有識者による静かで冷静な「考察
と行動」の運動を大きく広げてゆくことが効果的である。

党派や政治勢力の壁を取り払い、主権者に対する啓蒙活動を大きく広げること
が大切であると思う。

この運動を主権者に効果的に伝達するには、市民メディアのプラットフォーム
を構築することが必要不可欠だ。

現在、多数に分立している市民メディアを統合する試みを迅速に進めなければ
ならない。

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