福島原発告訴団関西支部から 第6号

 永岡です、福島原発告訴団関西支部より、ニュースレターが来ました、それの主要部をスキャンしてテキスト化したものをお送りいたします(例により、少々の誤字脱字はご容赦願います)。

 不起訴の検察審査会への申し立てに参加できるのも、汚染水告発も前回の参加者に今のところ限られます(汚染水告発は後日新たな参加人も募集します)。

関係するHP、ブログは、

NPO法人 市民環境研究所 http://www13.plala.or.jp/npo-pie/ejed.html

福島原発告訴団ブログ http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/

原発を作った「東京が」不起訴を決めた

関西支部事務局

佐伯昌和

  「東京五輪」騒ぎの真只中に「福島原発攻訴団」の告訴・告発に対して不起訴処分が出された。しかも、告訴・告発状を提出した福島地検ではなぐ、東京地検が、だ。

 八月に朝日新聞一面トップ記事をはじめ、菅元首相を強調しての不起訴予想記事が報道された。私たち「福島原発告訴団」は菅元首相をはじめ政治家は、告訴・告発していない。

14716人の「福島原発告訴団」とは別の方々が、菅元首相などの政治家をも告訴・告発したのは事実である。でもちょっと待ってほしい。私たちは政治家抜きで、福島県民が運動の中心を担って、福島地検に福島原発事故の刑事責任を問うて、勝俣恒久東京電力会長や斑目春樹原子力安全委員長、山下俊一などを告訴・告発したのである。

 原発を作った「東京」に事の善悪を裁いて欲しいとは思わない

 七月五日に共同通信配信で、山上秀明氏が東京地検特技部長に就任したというベタ記事が載った(11ページ)。山上氏は佐藤栄佐久前福島県知事が収賄容疑で逮捕された事件で主任検事を務めたという。佐藤前知事は一九九五年の高逮増殖炉もんじゅナトリウム事故以降、国の核燃料サイクル政策に異議を唱え、福島原発でのプルサーマル利用に反対していた矢先に無実の罪で知事を辞職に追い込まれた。

 不起訴を受けて東京検察審査会への申し立てと舞台は移る。

不本意であるが東京の検察審査会である。

 私たちに残された道は、14716人の告訴・告発人のほぼ全員が申し立てを行ない、数の力で自らの思いを伝えることである。昨年、告訴・告発した者しか申し立て出来ないので、責任重大だ。10月10日(木)必着で、委任状に署名・押印して事務局へ送っていただきたい。

 併せて告訴団福島本部は汚染水問題での東京電力告発を呼びかけている。母なる海をこれ以上放射能で汚染することは、福島をはじめとする漁民の生産基盤を奪うとともに、国民の

魚離れを加速し、「魚食文化」の崩壊につながりかねない由々しき問題である。世界の海はつながっている。国際的視野に立って「汚染水問題」に私たちは危機感をもっと強く持つ必

要がある。こちらの告発への参加もぜひともお願いしたい。

委任状/切は10月10日(木)。

告訴・告発人の皆さまへ

9月9日、検察庁は、私たち「福島原発告訴団」の告訴・告発に対し「全員回訴」の処分を出しました。

私たちの甚大な被害を前に、誰ひとり責任を問われない事に大きな驚きと憤りを感じています。被害者の血を吐くような悲痛な叫びが、検察庁には届きませんでした。不起訴」の処分を出しました。

 私たちの甚大な被害を前に、誰ひとり責任を問われない事に大きな驚きと憤りを感じています。被害者の血を吐くような悲痛な叫びが、検察庁には届きませんでした。

 検察庁による不起訴理由は、説得力がなく、結論に向けて無理やりこじつけられたように感じました。私たちが何度もお願いした強制捜査を行うことなく出された処分は、到底納得できるものではありません。

 更に許しがたいことは、処分を通知する1時間前にこの案件を福島地検から東京地検に「移送」したことです。これにより私たちは福島県の「検察審査会」に申し立てができなくなりました。処分を出した地検の管轄にある検察審査会にしか申し立てができない仕組みになっているからです。総会の合意のもとに告訴団は申し立てをしますが、審査を委ねるのは福島県民ではなく、東京都民となります。東京都民の賢明な判断を信じたいと思います。

 厳しい闘いとなりますが、諦めることなく検察審査会に向けてまたご一緒に活動を展開して行きましょう。是非、皆さんの委任状を送って下さい。

 そしてもうひとつの柱は、新たな「汚染水漏出事件」に対する告発です。東電が汚染水対策の必要性を十分に認識しながら、それを怠った為に今回の深刻な事態が引き起こされました。この件について、9月3日、団長と副団長の3人で急ぎ福島県警察に告発をしました。この告発にも是非参加して下さい。こちらも委任状をお送り下さい。

 この度、告訴団のブックレット『これでも罪を問えないのですか!福島原発告訴団50人の陳述書』が刊行されました。この事故が私たちに何をもたらし、何を奪ったのか日本中の人々に再度知って欲しいのです。どうか皆さんの力で広めて下さい。宜しくお願い申し上げます。

 オリンピックの影に原発事故を覆い隠し、被害者を置き去りにし、原発推進を目論む大きな力に手をつなぎ立ち向かって行きましょう。

武藤類子

険しい道を共に歩む誇り高い皆さんへ

福島原発告訴団団長

わたしたちは挫けない!原発被害者は生きるために正義を求める!

  検察の不起訴処分の報に接して、福島原発告訴団の声明

 福島原発告訴団は、昨年6月11目、福島地方検察庁に対して、東京電力の勝俣恒久前会長・清水正孝元社長、元原子力安全委員会の斑目春樹委員長ら計33人を、東京電力福島第1原発事故で大量に放出された放射性物質により福島県民などを被曝させ傷害を与えた業務上過失致傷罪などの容疑で告訴し、また避難中になくなった双葉病院の患者さんや原発内での作業中に亡くなった労働者や被曝した人について業務上過失政死罪の疑いで告発した。続いて昨年11月15目には、全国から1万3千人余が告訴・告発をした。これに対して福島地方検察庁は、本日、全員不起訴の処分を公表した。

 わたしたち福島原発告訴団は、たった一度の家宅捜索さえ行わず、強制捜査もないまま、全員不起訴の処分が決定されたことに対して、果たして捜査は尽くされたのか、そして徹底捜査の上に下された判断なのか、根本的な疑問を持たざるを得ない。

 本件処分は、人類史上かつて経験したことのない最大級の公害事件であるにも拘らず、我が国における法と正義が貫かれたのか、法の下に被害者が救済される道を開いたのか、歴史の審判に耐えうるものとは到底思われない。

 翻って、福島原発事故は、事故以来2年5ヶ月が経過したが、今なお収東の見通しさえ立っていない。

被害者は、放射能汚染と被曝の脅威を前にして、15万余の人々がふるさとを追われ、家族や地域共同体が分断され避難生活を強いられている。当たり前の日常生活を奪われたまま、生存権をはじめとする基本的人権が侵害され、疲弊と困難のただなかにある。

 原発震災発災の2011年3月11目、福島第一原発の建屋の中で帰らぬ人となった東京電力社員、避難の最中次々と力尽きた双葉病院の50名の患者さん、津波被災地の沿岸部で福島原発事故による避難指示で救助できなかった多くの命、祖馬市や須賀川市など各地で、生業を奪われ絶望の果ての多くの白死、これらはすべて原発事故による死者だ。

 かけがえのないいのちも、亡くなっていった人々の無念を想うと涙が溢れる。放射能汚染と被曝の脅威にさらされ、離ればなれになった家族、分断された共同体、小児甲状腺がんなど健康被害の現実を想うと、悔しい限りである。本件不起訴処分は、疲弊と困難を極めながら、各地でもがき、涙をふきながら生き被こうとするわたしたち福島県民を始めとする被害者を愚弄し、その生きる道に立ち塞がる邪悪な試みである。

 検察は、傷ついた被害者の心に寄り添い、巨悪を眠らせないという基本姿勢を忘れたのか。

 検察は、福島県民はじめ被害者の窮状を理解しているなら、そして、この国の国民の信頼に足る確たる法治国家の番人たろうとするならば、不起訴処分を撤回しなければならない。

 福島原発告訴団は、挫けることなく、被害者が生きるために、正義を求め、「検察審査会」に即刻申し立てをする。この国に生きるひとりひとりが尊敬され、大切にされる新しい価値観を若い人々や子ども

たちに残せるように、手を取り合い、励まし合い、立ち向かっていく。

2013年9月9日福島原発告訴団

(2013年9月10目追記)

 福島原発告訴団は、福島地検に告訴・告発したにもかかわらず、直前で事件を「東京地検に移送」されたため、検察審査会は東京で東京都民が審査することになります。

 私たちは、福島の検察審査会で福島県民が審査すべきだと考え、この「移送」に抗議します。

2013年9月10日

何の津波対策もとらなかった東電幹部不起訴はあり得ない

    一検察庁による不起訴理由の公表を受けてー

福島原発告訴団弁護団

1 不起訴処分

 9月9日福島原発事故について、約14716人が東京電力役員、原子力安全委員会、保安院、福島県健康管理アドバイザーらを相手取って、福島地検に対しておこなっていた告訴・告発について、事件を突如として東京地検に移送した上で、東京地検で不起訴とする処分がなされた。なお、告訴団は、政府関係者も多数告発しているが、菅首相ら政治家は一人として告訴していないことを明記しておく。検察当局による、福島県民が菅首相らを告訴しているという、不正確な報道へのミスリードには目に余るものがある。報道機関は正確な報道に心がけてもらいたい。

2 福島地検から東京地検への移送は違法

 まず、これまで検察庁は我々に対して、告訴団の行った告訴・告発については福島地検で処分を行うことを繰り返し約束していた。8月26日にも、我々は、この方針を東京地検に確認している。このような約束に反し、事件を突然東京に移送して一括して東京地検で処分した理由は、我々の福島検察審査会への申立を妨害することを唯一の目的とするものと言わなければならない。

 検察審査会制度は、「公訴権の実行に関し民意を反映させてその適正を図るため」の制度である(同法1条)。

福島で起きた災害について、等し<被害をうけた福島県民によって構成される検察審査会の民意によって不起訴処分の適否を判断してもらいたいという要望は、当然のものである。検察庁は、もしも自らの処分に自信があるなら、この不起訴の理由を福島検察審査会の場でこそ、説明すべきであった。

 オリンピック報道の狭間を狙い、きちんと報道をさせない日程を狙ったとしか思えない、タイミングとい

しy検察庁の事件処理は、政治的であり、フェアなものといえない。

まさしく、検察庁の本件に対する捜査は、「名ばかり捜査・被告訴人への思いやり捜査・なれ合い捜査」であったといわざるを得ない。

 このような、告訴人らの地元検察審査会への申立を妨害する意図に基づく事件移送は裁量権の逸脱であって違法であり、無効である。我々は、移送の違法性を根拠として、この事件の審査を事故によって被害を受けた福島県民の民意が反映できる福島検察審査会で審理すべきことを訴えていきたい。

3 不起訴理由

 我々には、不起訴の理由について何の説明もなされていないが、報道機関に配布された文書によると東京電力関係の役員10名については、業務上過失致死傷、業務上過失激発物破裂については、嫌疑不十分とされた。

 不起訴の判断のポイントは、

1) 地震調査研究推進本部による2002年段階での長期評価において、福島県沖を含む三陸沖から房総 沖に欠けて、明治三陸地震の規模の津波地震が発生する可能性があるとされた。しかし、この長期評価自 体に予測を裏付けるデータが十分にないことに留意すべきと付記され、津波評価技術では福島県沖海溝沿いに津波地震を想定しないこととされていた。

2) また、束電が2008年に津波高さ15.7メートルと試算していた点についても、試算結果の数値

 どおりの津波の襲来を具体的に予見することが可能であったとは認められない。

4 甲状腺異常についての解明がなされていない

 まず、福島県健康管理調査によると、甲状腺の細胞診の結果、悪性ないし悪性の疑いのある検査結果が、既に28例報告されている。甲状腺ガンの一般的な発生率をはるかに超えており、疫学的な因果関係を疑うべきだ。災害関連死だけでなく、甲状腺ガンについての因果関係を明確にすることは捜査機関の最低限の責任であった。このような捜査を遂げないままでの不起訴の強行には大きな疑問を感ずる。

5 想定を上回る津波は確実に予見できたが何の対策もとられていなかった

 また、検察官の立脚する予見可能性の議論には次の疑問がある。15.7メートルの津波は2008年の段階で、束電内部の検討において確かに試算されていたものだ。この原発の想定津波高はわずか6メートルであった。

 推本の長期評価は原発の安全性ではなく、一般防災の観点から出されだものであり、これを原発事故の安全性評価について考慮するべきことは当然であった。この地域でマグニチュード8.3程度の地震と高さ10メートル程度の津波が来ることは、地震と津波の専門家なら、2002年当時から、だれもが頷く普通の想定であった。

 検察庁は、「東京電力は、OP十10メートルを上回る津波が襲来する確率は1万年から10万年に1回程度と試算されていた」などとする。この評価自体が過小評価であるが、原発の安全審査は「災害が万が一にも起こらないようにするため」(1992年伊方最高裁判決)に行われるものであり、発生確率10-5東ないし6東の確率で起きる災害には対応すべきことは、原子力安全の約束事である。この確率の災害の発生を考慮しなくて良いとする検察庁の判断は、東京電力の経済性優先一対策先送りの安全対策を免罪し、次なる重大事故発生を準備するものと批判しなければならない。

 1万年に一度といえば、稀な現象と感ずるかもしれないが、原発の寿命は40~60年であり、国内に50基を超える厳罰が存在していることからすれば、1万年に一度の災害を是認してしまえば、寿命中に重大事故が起きる確率は4分の1である。

 推本の評価が津波評価技術に取り入れられなかったのは、東京電力などの事業者が規制機関も慮にしていたからにほかならない。福島県沖海溝沿いに津波地震を想定しないという判断にこそ、何の科学的根拠もなかったのである。

 そして、あらかじめ想定された6メートルを超える津波の確率は、相当高いものであった。東京電力は、このような想定に基<対策を先送りにし、何の対策もとっていなかった。対策を講じたが不十分だったわけではない。何の対策も講じなかったのである。これを免罪した検察官の処分を許すことはできない。

6 執ることのできた対策は多様なものであった

 電源喪失を防止するための対策としては、防潮堤の設置だけでな<、外部電源の耐震性強化、送受設備の切替設備の設置、非常用ディーゼル発電機とバッテリーの分散と高所設置等、構内電源設備の耐震性、耐震波性の強化など多様な措置がありえた。

 福島原発同様プレート境界地震が予測された浜岡原発においては、老朽化した1、2号機は耐震補強を断念し、2008年には廃炉の決定がなされていた。福島第1原発1~3号機についても、同様の措置は十分あり得たのである。東京電力自身が、原子力改革特別タスクフォースの報告において、結果を回避できた可能性を認めている。にもかかわらず、東京電力は一切何の対策もとらなかった。予測されたレベルの地震と津波対策を講じたにもかかわらず、それが不十分であったわけではない。

7 告訴団は不起訴に屈することなく、どこまでも闘い続ける

 告訴団はこのような検察の不起訴に屈することなく、どこまでも闘い続けることを宣言している。この事件について新たな告訴・告発人が新しい告訴・告発を行うことは許されている。日本中から、新たな告訴・告発を準備する。また、検察審査会への申立も準備する。

汚染水漏出事件の告発

去る9月3日、団長の武藤類子と副団長の石丸小四郎、佐藤和良の3名が、東京電力福島第一原発・放射能汚染水海洋漏出事件に関して、東京電力の新旧経営幹部32名、及び法人としての東京電力株式会社を、「公害罪」の被疑事実で福島県警察に刑事告発しました。

この事件は、東京電力が、汚染水対策の必要性を十分に認識しながらそれを怠ったため、そして検察庁が前の告訴・告発を受けながら、厳正な捜査を行わず、東京電力に罪の意識を負わせず慢心を与えたために発生したと考えられます。

今回の告発は、福島原発事故の対応に奔走し、共に放射能被害を受け、県民の痛みを最も近くで理解している福島県警の手に委ねる事としました。

告訴・告発人のみなさまにも、この汚染水漏出事件の告発人としてぜひ参加していただきたく呼びかけます。

昨年行った検察庁への告訴・告発は、9月9日、不起訴処分が発表されましたが、こちらは検察審査官へ申し立てます。

次から次へと明らかになる事実に心が折れそうな日々ですが、くじけることなく、新たな行動を起こしたいと思います。

汚染水漏出事件の告発人となり、事故の責任を問い続けましょう!

                                福島原発告訴団

汚染水漏出事件告発参加手順

*今回の告発人の応募は、昨年の告訴・告発に参加された方のみ対象です。

 後日。新たな告発人の募集を予足しています。

(1)「告発」委任状に必要事項を書き、押印する

(2)委任状を返信用封筒に入れ、返送する(10月10日(木)締め切り)

(3)同封の振込用紙に、一人につき千円の参加費を振り込む

  *未成年無料

  *振込用紙に住所とご氏名をお書き下さい

*「検察審査会」参加費と混同しな:いように振込用紙の通信欄の□に1・のチェックを入れ、送金内容を明示して下さい。

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