永岡です、第66回ラジオフォーラム、今週はジャーナリストの石丸次郎さんの司会で放送されました。今週もFMharoと三角山放送を聞きました。三角山放送、今週もまたすごいことが聞けるとのスタッフのコメントがありました…で、能見、エエぞ!新井良太、エエぞ!マートンもエエぞ!親会社が原発を推進している金満球団をやっつけろ!(トラの勝ちを聞いてからラジオフォーラムを聞くのも久々です(笑))
大阪に石丸さん30年おられて、橋下氏の出直し選、今回の選挙ほど盛り上がらなかったものは初めてと言われて、選挙カーを1回も見ず、投票率最低、橋下氏は大阪都構想で野党ともめて、しかし維新の退潮は明らかで、この1年前、橋下氏が慰安婦発言で自滅し、今日はそれと関連する話題です。
今日のゲストは戦後の性風俗とメディアを研究してこられた神戸女学院大学の景山佳代子さんのお話でした。景山さん、ユニークな研究、男性週刊誌の記事の研究もされ、最新は橋下氏の問題、女性観を追っておられます。ちょっと、善男善女の皆さんには刺激的な内容もありますが(笑)お付き合いください。
前半は日本の性風俗がメディアの中でどう扱われてきたか、男の欲望とファンタジー、景山さんアダルトビデオ(AV)を卒論にされて、AV嬢がメディアに出て、メディアでもてはやされたが、アダルトビデオは見たことはなく、しかし巨人のエースが風俗嬢と結婚することもあり、それでメディアで叩かれ、これにギャップに違和感を覚えて、アダルトビデオで女性がどう描かれたか、研究したのです。
そして、景山さんアサヒ芸能の風俗記事を研究され、風俗で働く女性の研究をしたら、そういう女性をステレオタイプで語るメディアに興味を持った。アサヒ芸能は性風俗テーマのトラリーマン対象の週刊誌で、歴史は古く、戦後すぐの芸能新聞からで、1956年の売春防止法、赤線廃止で、性記事を扱ったもの。
赤線は、売春は当初国家が管理し、戦後廃止され、しかし残り(特殊飲食店)、警察の管理で、地図上で赤い線で囲まれたところで売春が行われ、それを赤線といい、それが廃止。しかしそこで働いていた女性はどうなるのか、国会もメディアも議論せず、当時は戦後国際社会への復帰の時期で、近代的な国家として認められるため、売春は良くない=封建的国家の証。
しかし、そこで働かざるを得ない人たち、悪者にされ、それを排除する方向になったのに、アサヒ芸能は姿勢が異なり、性産業を必要とする人の姿勢から描いていたのです。
その中の性産業、アサヒ芸能は際物と思われていたが、1956~90年代は、読者のサラリーマンの求めているファンタジーと、彼らの家庭から記事を書き、60年代は一夜妻(笑)、売春する女性は、恋人に捨てられ、それで何しようが一緒と思い、傷物にされて、それが当時の性。
70年代はナンパ(笑)、梅田のカフェ・パーラーで、女子大生に声をかけるものであり、男の欲望が反映され、同時に性への常識、現実と異なるもので、こういうことはあるかもという期待、それで記事があり、上手く行けば売れるが、失敗すると残らないのが、性風俗記事の面白さなのです。
アサヒ芸能を見て、男はアホやと思った(笑)。景山さん、そのバカさを面白いと思うが、隣の美人妻という企画に、美人でない人もあり、アサヒ芸能の編集長は、この雑誌では女性は全て美人というのです(笑)。
小出裕章ジャーナル、小出先生のお話。今週はアメリカが日本にプルトニウムを返せと言った意味です。
3月24日~25日のハーグの核セキュリティサミットでの発表で、アメリカから借りていた高濃縮ウランと分離プルトニウム331kgを返還しろの意味は、これらは原爆材料で、小出先生の京大原子炉実験所にも原子炉があり64年に臨界(ウランの核分裂の連鎖)。原子炉を作ったのはアメリカ(小出先生は米国といわれます)。
原子炉の提供時高濃縮ウランも提供してくれて、運転してきたが、アメリカはこうして高濃縮ウラン、プルトニウムを海外に出したらそこから原爆を作られると気づき、京大原子炉実験所では80年代初め以降、アメリカから高濃縮ウランをもらえなくなったのです。
それまでにアメリカからもらった高濃縮ウランを使って小出先生のところもやってきたのですが、10年近く前に燃料がなくなり、それで機器を改造して、中濃縮ウランでやっているのです。
アメリカは海外に原爆材料(高濃縮ウラン&プルトニウム)を渡したくない&渡したものも取り返したい。日本は、小出先生はアメリカの属国と思っていて、それで認められていた(お目こぼし)が、最近の国際情勢&安倍政権の右傾化で、アメリカも安倍政権を牽制し始めたのです。
日本は国内に10トン、海外を含めて44トンのプルトニウムがあり、返還する 331kgは総量の1%未満、44トンあるプルトニウムは日本の原子炉で作られて、もともとアメリカのものではなく、日米原子力協定で全ての核燃料はアメリカの規制の元にあり、それを返せといわれるかも知れないが、日本の持つ44トンのプルトニウムは核分裂性のものは70%で高性能な原爆は作れず、しかしアメリカの返せと言う331kgの分は高性能な原爆になる。だから、アメリカは使い道がないなら返せとなったのです。
日本が独自核兵器開発&核物質の他国への漏れ出しをアメリカは憂慮し、安倍政権が放置したら核武装しかねない+日本にあるプルトニウムを他に流出される危惧。アメリカでは原発・核物質は軍が厳重に管理しているが、日本は軍なし、アメリカはプルトニウムを日本におくと危ないと昔から思っているのです。
日本には低水準のプルトニウムもあり、これについてはアメリカの判断、アメリカの属国だからいいと思っていたが、あまりに多いのでアメリカに返せとなるかもしれないし、今イギリスにあるものはイギリスに引き取ってくれとなる。日本は使い道のないプルトニウムの所持は国際公約で禁じられ、これをアメリカやイギリスに返せとなるのです。以上、今週の小出先生のお話でした。全文は以下にあります
http://www.rafjp.org/koidejournal/no66/
ここで音楽、景山さんのリクエスト、ブルーハーツの青空、生まれたところや皮膚の色で僕の何が分かるというもの、性風俗も、カテゴリー、属性で決めるのはおかしく、一人一人しゃべって初めて分かるもので、簡単にくくってしまうものへの抗議です。
後半は、橋下市長の性風俗観に関するものです。慰安婦、風俗発言についてで、昨年5月の橋下氏の慰安婦発言、沖縄の米軍に性風俗を使ってくれといい、それで米軍凍りついて、これが橋下・維新の凋落の一因で、景山さん、この発言、囲み取材のやり取りを文書化して、橋下氏のツイッターを追跡して、データにしてコンピューターで読み、どんな言葉がどれくらい出たかが分かり、全部で17000語言葉があり、多かったのが「日本」、500回以上、「慰安婦」200回強、「世界」で、日本が多く、韓国はほとんど出てこない。
みんなの思っている日本=私たち、世界=あんたたち、彼らで、そういう分かりやすい私とあんたの区分けでものを収めており、景山さん、数にして見ると、橋下氏が支持を受けて、愛国者と思われるのは、日本を強調して、世界にもあんたたちもやったという幼稚なロジックが思考なしで繰り返されているためと言われました。
メディアの情報、思考を中断しており、橋下氏、なぜ日本だけが批判されるのかとしており、これを繰り返して、性風俗の活用もあり、これは石丸さんごまかしと言われて、景山さん、アサ芸は目線が二流に徹したことにあると言われて、男はバカというところにあるのに、橋下氏(茨木市長も同じことを言う)、そこで痛みを受ける人(慰安婦)、潰される女性のことはすっ飛ばされ、はけ口にされるのは仕方ないとされる。風俗の活用は、実際に働く人は、自由意志ではなく、どういう事情で風俗で働くのかをすっ飛ばし、風俗の女性は蹂躙していいというわけで、景山さんいやだと思われた。
橋下発言を分析されて、政治家は言葉を単純化しており、見ていて、小泉氏以来の大きな流れが各所にあり、小泉氏、痛みに耐えろとはワンフレーズで支持を受けて、しかし痛みに耐えるのは誰がどれだけかはすっ飛ばされ、その議論はなく、橋下氏も、安倍氏も、本当は考えないといけないものに、誰が犠牲になるのかを論議せず、ワンフレーズで印象だけでやっており、日本だけでなく世界もと言うのは、日本が何をしたかを隠すものであり、世界は何をしたのか、それをどう考えて発言したのか、言葉を考えないといけない人が、それを省略して走っているのです。
石丸さん、メディアを通すなら単純化が要ると言われて、しかし単純に説明できないと指摘され、時間をかけて説明しないといけないのに、単純化して問題と言われました。
そして、みんなジャーナル、今週は労働者派遣法の改悪について、弁護士で非正規労働者の権利実現全国会議の中西基(はじめ)さんのお話がありました。リスナーには派遣社員もおられて、法律の改悪が行われ、中西さんのお電話でのお話です。
労働者派遣法は、雇われて給料をもらう会社と、働くところが別、間接雇用で、派遣先で働き、そのルールを決めているのに、間接雇用は責任があいまい、職場の安全も、派遣の人は現場で安全が確保されない。
労災にあう派遣の人も多く、雇用が不安定(いつ首になるか分からない)で、会社でいやなことがあり上司に言ったら切られた事例もあり、派遣だとピンハネがあり、労働者の手取りは少なくなり、派遣社員の年収が200~300万なら、派遣会社が60~90万もマージンを取り、これが間接雇用の弊害。
間接雇用は法律で禁止されていたのに、85年に一部許され、アベノミクスの成長戦略の一つで、規制緩和があると安倍氏は言うが、それで労働法の規制緩和も俎上に上がり、規制されていた派遣を自由化するのが安倍政権の意図、全面解禁。
今まで派遣は禁止され、弊害は多いので例外的に認められていたのに、専門業務のみ派遣は認められ、期間を区切って認めたのに、派遣が常態化し、さらに業務の専門性が分かりにくいと政府は法律を変えると言うが、それで全ての業務で派遣を認めるもので、派遣労働者では、同じ職場で3年しか認められず、3年ごとに派遣を打ち切られる。
国会で6月に通され、問題はたくさんあり、こんなに大きな改正(85年以来)なのに、新聞・テレビで取り上げられず、憲法を変えるのと同じ、こっそり変えられるのです。対抗するには内容を知ってもらうのが第一で、中西さんのところにウェブサイトもあり(http://hiseiki.jp/ )、派遣法は何度も改正され、分かりにくく、それを分かりやすくしたものを表示しています。以上、中西さんのお話でした。
今日は景山さんのお話、性風俗のこと、橋下氏の発言を分析し、景山さんはラジオ初出演で、メディアを研究していて、聞いている人に分かりやすく伝えるのが難しく、そこに問いが残りバランスも難しいと言われました。分かりやすくするために単純化、省略しても、世の中は単純化できるものではないのです。以上、今週のラジオフォーラムでした。