小出先生 ラジオフォーラム2014/4/19のお話(ALPSでストロンチウムは除けない、放射能処理は処置なし)&事件と裁判の現実、江川紹子さんのお話

永岡です、第67回ラジオフォーラム、今週はジャーナリストの今西憲之さんの司会で放送されました。今日も朝のFMharoと夕方の三角山放送を聞きました。三角山放送で、小出先生のお話は毎回すごいので聞いてほしいとのスタッフの丸山さんのコメントがありました。…で、トラ大逆転!ゴメス、エエぞ!上本!エエぞ!(野球に興味のない人いつもすみません(笑))

今西さん、震災・原発を取材されて3年、復興というものの、なかなか復興せず、被災地が長期化し、原発事故は収束せず、日本は大丈夫なのかと言われました。日本でもこれほどの震災でも忘れられることに複雑だと言われました。しかし、震災は、忘れてはならず、追い続けるのです。

今週のゲストはジャーナリストの江川紹子さん、今西さんの大先輩で、事件捜査と裁判の真実、マスコミは何を伝えてきたかであり、前半にパソコン遠隔操作事件で逮捕された方のお話がありました。

江川さん、今西さんとは普段裁判所で会うのが多く、スタジオでのお話は珍しいのだそうです。いつも傍聴席でのことで、もともと江川さんがマスコミにかかわったのは、自分から選んだのではなく、消去法で、何が出来るのか、世の中を知らず、社会を見たいとなったもので、使命感ではなく、神奈川新聞の社会部に入り、当初毎日新聞を目指し、毎日は社内言論が自由で、しかし落ちて、神奈川新聞が女性を定期採用するので(雇用均等法前)、横浜の降水量、神奈川の河川など知らず、しかし受かり、ご縁であるのです。

神奈川に数年いて、フリーランスになり、借金なし、家族を養うのもなく、ネコもおらず(笑)のためで、主体性なし。社会問題を追われており、刑事司法の問題を取り上げられ、3つの問題(取調べの可視化、証拠開示、身柄拘束)があり、村木さんの事件もそうで、村木さんも取り調べの問題があり、調書に取られず、取調べを可視化、後から検証できるようにすべきで、検察がフロッピーを改竄したのがわかって村木さんは無罪になったが、検察は証拠開示が嫌で、身柄拘束も否認したらされて、保釈されない。これを直すべきなのです。

この3点セットの象徴がパソコン遠隔操作事件、被告の片山さん380日拘束され、江川さん週刊朝日で報じられ、この事件も身柄拘束、捜査が終わっても接見禁止、弁護士以外と会えないのは、検察も証拠があるのに、被告に証拠には手出しできるわけはなく、証拠隠滅など出来ないのにやられ、本人は可視化は、録音・録画があれば喋ると言うのに、警察・検察がやらないのはとんでもない。

この事件、パソコンの中身を民間に検察はさせて、鑑定書2通申請したのに、実際は3通あり、検察にマイナスなものは開示しない+江ノ島のネコの首輪にSDカードがあり、この写真を撮ったのが片山さんと検察は言うが、この写真をスマホで撮ったというが、スマホのSDカードが証拠になく、これを出せないのは問題。

村木さん事件も、冤罪が多数あり、その反省がなく、村木さんのように関係ない人を捕まえてごめんでは済まない。シロだった人を捕まえてごめんではなく、可視化、証拠開示をしないと、後から反省しても生きないのです。捜査は公平であるべきなのです。

 

小出裕章ジャーナル、小出先生のお話。

今日のテーマは福島の汚染水処理で、放射能を除くアルプス装置(ALPS)が期待された(1日750トン処理できる)のに、稼動させたら浄化されずで、苛酷な環境でちゃんとしたものは設置できず、難しい(泣)。

汚染水の放射性物質の中で特別に重要なのはセシウム、ストロンチウム、トリチウムの3種で、セシウムは過去にもそれなりに捕まえられたが、しかし捕まえる=消すではなく、粘土鉱物ゼオライトにつけただけで(永岡注:ゼオライトは鉱物で、表面積が大きく、吸着力があり、能力は冷蔵庫のにおいを取る活性炭に似ています。そのためこういう不純物除去に多用されます)、セシウムをゼオライトにつけたのみ、そのゼオライトもいずれ効かなくなり、セシウムのついたゼオライトを保管するにも何百度になり危険(泣)、放射線を出して保管自体が危険(泣)。

セシウムを除いても汚染水にはストロンチウム、トリチウムがあり、ALPSではトリチウムは全く除けない(永岡注:トリチウムは三重水素で、自然界では酸素とくっついて水になり、これは通常の水と性質はまったく同じなので、トリチウムのみ取り除くことは実質不可能です)。ALPSで取り除けるのはストロンチウム、東電は汚染水からストロンチウムを除いて法令濃度以下にして海に流すというが、それは出来ない。ALPSはまともに動かないし、動いてもダメ。汚染水に1cc当たり2億4000万ベクレルのストロンチウムがあり、環境に流していいのは1cc30ベクレル=海に流すにはストロンチウムを1/1000万にしないといけない(泣)。

小出先生も職場で廃液の放射性物質の処理をされて、汚染を1/1000にするのはOKと即答できる。1/1万も何とかなるが、1/10万は出来るかなと首をひねり、出来る出来ないというのは、被曝をしないで済むところでのきちっとした装置により作業が出来る場合の話で、しかし福島では被曝+不十分な施設+1/1000万は無理=いつか汚染水を海へ流さないといけなくなる日が来るのです(泣)。

ゼオライトは放射能に汚染され、これも隔離しないといけない(汚染水がゼオライトになっただけ(泣))。体積を小さくしないといけないので、今何十万トン汚染水があり、放射能を水→ゼオライトであるが、一定量の中の放射能が増えることになり、発熱して何百度になり、これは核分裂生成物の温度で、これの処理法は日本でも世界でも研究しても分からない(泣)。

日本は高レベル放射性廃棄物をガラスに固めて地下に埋める計画であるが、地震国では廃棄物の地下への保管はアウト。放射能の付いたゼオライトも高レベル廃棄物であり、処置なし(泣)。

ALPSが動いて浄化されても、根本的な、水で冷やすのを考え直さないとダメで、汚染水は今のやり方では増えるだけ、いずれ海に捨てるしかない。融け落ちた炉心がどこにあるか分からないが、水のやり方は諦めるべきなのです。汚染水問題は深刻です。以上、今週の小出先生のお話でした。やり取り全文は以下にあります。

http://www.rafjp.org/koidejournal/no67/

ここで音楽、かぐや姫の、お前が大きくなった時、でした(ユーチューブにライヴ映像がありましたhttp://www.youtube.com/watch?v=qlrAk9J4rRk )。

 

後半のお話は、江川さんのライフワーク、オウム真理教事件についてのお話がありました。

江川さんオウムを取材され、坂本弁護士の事件から関わられ、江川さんも毒ガスを撒かれて、オウムはサリン、VXなどの毒ガスを作っていたが、失敗も多く、くだらない失敗も多く、ホスゲンも効き目が薄く、江川さん被害は少なくて済んだのです。

平田被告、逃亡して懲役9年、オウム事件の全容解明への影響は、平田被告は下のメンバーで幹部ではなく、彼が犯罪にかかわったのは地下鉄事件の直前で、それまでの経緯は知らず、メディアではオウム事件の真相をわかっていないというが、しかし裁判でいろいろわかり、村井幹部の殺害のことも分からず、証言も対立し、しかしかなりの部分は分かり、仮屋さん拉致に平田被告はどれだけ関与していたのか、新しいことは出ないが、オウム事件のことに光を当てて、当時はオウムにはまらず、そこから出た人が、事件から19年、当時の自分を振り返る証言もあり、オウム解明には大事な裁判であったのです。

平田被告に仮屋さんの息子さんが質問し、これは初のこと(裁判員裁判、被害者参加制度もオウムでは初)、息子さんお父さんの亡くなった真相を問い、死刑囚と面会し、オウム幹部とも会い、新しいことは法廷では出ないと思ったが、仮屋さんに、真相は新事実だけでなく、納得できることが大事で、本当のことと納得することが大事といわれるのです。

5月より菊池直子被告の公判も始まり、菊池被告は後から逮捕された3人では特異で、サリン事件では起訴されず、VX事件で逮捕されたが起訴されず、爆発物(都庁)で逮捕されても、これの主犯ではなく幇助罪での起訴で、サリン事件の公判で菊池被告の名前は出ず、サリンは菊池被告は関与していないのに、メディアはサリンからみで菊池被告を報じているのはおかしい。愛と逃走の物語で報じており、菊池被告、走る爆弾娘とメディアはいい、爆弾事件、強制捜査の後でのオウムの抵抗で、菊池被告が爆弾を運んだことが問われ、しかし指示したのは中川死刑囚、菊池被告は何かも言わずやっており、事件との関連性は低く、無罪の可能性もあり、無罪主張になり、菊池被告の関与、警察の対応も見ないといけないのです。

今西さんも平田被告の裁判を傍聴して、昔取材した信者が傍聴に来ていると感じられ、今アレフに所属する人もあり、今も信仰している人の気持ちはどうかと問われて、江川さん、一連の事件と切り離し、冤罪という人もあるが、警察・マスコミの主張に異もあり、しかし辞めた人にも、あの事件はひどく、お布施がサリンになったことを悔いる人もあり、教団とのかかわりの薄い人は、青春の思いでもあり、人間関係もある。

オウムに興味を持ち、ファンもある。上祐ギャルも当時いたし、熱いまなざしで被告人を見ており、悲劇を若い人に伝えて欲しいと江川さんも国会などで言われ、カルトの怖さ、被害を伝えて欲しいとしたのに、オウム事件は刑事事件、公安のことで終わり、高校では現代社会もあり、宗教もやるのにオウムは出てこない。

若い世代に、悲惨なこと、蟻地獄のように抜けられず、人生をめちゃくちゃにして、自分の人生もムチャクチャにされるものだと言われました。今西さんも、オウムには若者が比較的ハードルの低いところから入り、凶悪事件にかかわったと言われて、江川さん、今も信者、ファンもある背景はオウムの悲劇が伝わっていないと言われました。今西さん、江川さんに悲劇を伝え続けて欲しいと言われました。以上、江川さんのお話でした。

 

みんなジャーナル、今週はリスナーからのお便りの特集です。普段紹介できないものを紹介です。

福島の50代の女性より、2月2日の毎日でこの番組を知り、過去の番組もHPから聞いて、テレビとは異なり、忌憚ない発言があり、ネットで聞けて、批判でなく批評の視点で取り上げて欲しいという声がありました。

京都の40代の男性より、小出先生のお話、マスコミから年々外され、真実を隠したい企業・国の意図を感じ、しかしKBS京都での放送で小出先生の健在に心強いとの声がありました。

今西さんも、ある京大の先生とお話をされ、原発と関係ない仕事をしているが、原発のトピック、批判したら目を付けられる、何の研究をされるとプレッシャーを付けられ、原発ダメの意見はメディアでは通らないと言われて、原発をやるべきとの意見があれば検証して放送するが、しかしそういう話は今来ていないと言われました。東電、政府の方でも放送するので、反原発だけしかラジオフォーラムはやらないのではないと今西さん言われました。

 

今週は江川さんがゲストで、オウムについて詳しく聞かれて、死刑判決を受ける事件なのに、風化して忘れられ、東日本大震災もそうで、ジャーナリストは取材して現場を見続けるべきと今西さん言われました。以上、今週のラジオフォーラムでした。

 

おまえが大きくなった時  かぐや姫

 

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