2014年4月20日05時00分
なかなか巧みなたとえばなしをみつけた。「多数決が入ってきちゃいけないところに、『立入(たちいり)禁止』の看板をかけておく」という一文である▼民主主義は数の力がものをいう。しかし、たとえば思想・良心の自由といった基本的人権は、数の力をもってしても侵すことはできない。ここには入れませんよ、と書いてあるのが憲法であり、そういう考え方を立憲主義という▼『うさぎのヤスヒコ、憲法と出会う』(太郎次郎社エディタス)という絵入りの楽しい本から引いた。東京都江戸川区の子ども未来館でおととしから去年にかけて、24人の小学生が法律を勉強した。その成果を、憲法の講師をつとめた西原博史(にしはらひろし)早稲田大教授がまとめたものだ▼日本の政治の現状は、いわば「立入禁止」の看板を踏みつけにしているのではないか。そんな強い危機感が、多くの有識者を突き動かしたのだろう。法学、政治学をはじめ、経済学、社会学、哲学など実に幅広い分野の専門家が一昨日、「立憲デモクラシーの会」を発足させた▼憲法改正のハードルを下げようとし、それが難しいとなると解釈の変更だけで集団的自衛権を解禁しようとし、あげくに全く筋違いの最高裁判決を持ち出す。安倍政権はたしかに憲法という縛りを骨抜きにしようとしているように見える▼これでは改憲どころか「壊憲」だ、民主主義にはアクセルだけでなくブレーキも必要――。会の参加者は動きを批判し、阻止をめざす。憲法をめぐる政治状況は正念場である。
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