安倍政権が進める集団的自衛権の行使に関する憲法解釈の見直しに対して、全国で少なくとも61の市町村議会が反対したり、慎重な対応を求めたりする意見書を可決したことが朝日新聞のまとめでわかった。

憲法解釈を担当する内閣法制局の長官に、行使容認に前向きな外務省出身者が起用された直後の昨年9月以降、衆参両院に送られた意見書の数などをもとに集計した。

米軍基地「キャンプ座間」が市内にある神奈川県座間市議会は昨年12月20日、公明党の会派も賛成して可決。行使容認は「日本の『自衛』とは無関係で、海外で戦争をする国となる」と、解釈を見直さないよう求めた。周辺に厚木基地や相模総合補給廠(しょう)といった米軍施設や、陸上自衛隊機動展開部隊の司令部もある。提案者の中沢邦雄市議は「行使を認めれば、座間市が米軍の戦争に最前線で関わることになる。そんな憲法解釈の変更を認めていいのか」と危機感を強める。

自民党議員らが所属する保守系会派も賛成に回った新潟市議会は「改憲」の手続きを問題視。安倍晋三首相にも意見書を送った。

保守系議員も同調して3月に意見書を可決した茨城県取手市議会。安倍首相が2月の衆院予算委で「(憲法解釈の)最高の責任者は私だ」と答弁したことを「最高法規としての憲法の在り方を否定し、立憲主義を否定する極めて危険なもの」と批判した。

憲法解釈の変更に明確に反対する意見書を可決したのは、人口約1万8千人の福島県石川町の町議会。採決に加わらない議長を除く12議員全員が賛成した。中村孝太郎町議は「地方議会は自民を中心とする保守が圧倒的に強いが、60以上の市町村が意見書を可決した。地方では、民主主義が健全に機能している」。

意見書の内容に拘束力はない。4月25日現在の全国の市町村数は1718。(土居貴輝)

 

■反対・懸念の意見書を可決した61議会

北海道札幌市函館市根室市芦別市小樽市士別市、奈井江町、仁木町、本別町斜里町青森県青森市岩手県二戸市福島県石川町茨城県取手市埼玉県】鳩山町【東京都小金井市神奈川県座間市大和市葉山町山梨県】市川三郷町新潟県新潟市長野県佐久市、中野市、富士見町小布施町南木曽町、飯綱町、下諏訪町、飯島町、松川町、上松町、木曽町、坂城町山ノ内町、長和町、小海町、高山村、泰阜村、木祖村、中川村、大桑村、生坂村、山形村、筑北村、松川村、野沢温泉村、豊丘村、阿智村【愛知県大府市扶桑町岩倉市滋賀県湖南市守山市京都府向日市長岡京市大阪府吹田市広島県庄原市高知県】土佐市【福岡県大牟田市太宰府市中間市