永岡です、第917回ネットワーク1・17、今週も千葉猛さんの司会で放送されました。
今回のテーマは原発、大飯差し止め判決で、関電は1260ガルまで大丈夫と主張しましたが、判決では国内最大の4022ガル(2008年の岩手・宮城内陸地震)には耐えられないとしてのものでした。
福井地裁の差し止め判決で、ガルという単語が出てきて、原発の耐震設計のものですが、多くのリスナーには不明で、しかしこれが分からないと判決が理解できないのです。
これについて、東北大学特任教授の杉山丞(すすむ)さんのお電話でのお話がありました。東日本大震災を経て、原発と地震を研究されています。
大飯原発の地震対策は不十分との判決で、争点が基準地震動、原発の耐震設計の際に加速度ガルで表され、関電は700ガルを想定していたのです。
耐震基準のガルの意味、聞きなれないが、ガリレオの頭文字を使ったもので、機械でも測定でき、地球の重力は980ガル=普通の建物は壊れるものです。
ガルと震度、マグニチュードの違いは、マグニチュードは震源のエネルギー、震度は建物場所の揺れ、しかし震度は400ガル以下を設定し、しかし強い地震だと全部震度7になってしまい、揺れを定量的に表せないのです。
建物は400ガルで壊れる、200ガルには耐えるもので、400ガルでも倒れないのが基準。しかし、一般の建物は放射能は関係ないので、原発の震度はこれでは捉えれらないのです。大きな影響のあるものは、ガルで計るのです。
ギネス認定の基準、2008年の岩手・宮城内陸地震の4000ガル、地球の重力の4倍以上が登録されています。断層の上で、世界で記録された最大のものです。しかし、この記録が出るまでのものは、2004年の中越地震で2400ガルがギネス。さらに、2900ガルも東日本大震災で観測され、それだけ日本で、2004年以降に大きな地震が立て続けに起こり(世界ワースト3が日本)、2004年以降、地球が地震の活動期に入り、いつ、どこでも2000ガルの地震は起こるのです。
活発な地震は日本、フィリピン、ニュージーランド、チリなどの太平洋では、火山活動も多いのです。その中でも、日本は地震でも最悪、4つのプレートの上にあり、東日本と西日本が別のプレートにあり、不安定、地震が置きやすい。「地球のマグニュード6以上の地震の20%が日本周辺で起こっている」のです。
これは大変なことで、日本は世界の0.2%の面積→世界の平均値の100倍地震が起こるのです。
ヨーロッパは、2000~2009年は、マグニュード6以上は地震ゼロ、日本で212回!なのです。イタリアではあるものの、日本はものすごいもので、しかも2011年はマグニチュード6が100回起こり、とんでもない数字なのです。日本はヨーロッパと比較にならない地震国なのです。
アメリカでも日本の半分は起きるが、ほとんどが西海岸で、東海岸には地震なし=アメリカの原発は東海岸にあり、西海岸の原発は閉鎖されている。
ドイツ、EUで脱原発なのに、これだけ地震の多い日本で原発を再稼動しようとしているのです。
大飯の700ガルは、杉山さん、400ガルで震度7、つまりその倍で大変な揺れであるが、世界の記録で、日本では阪神・淡路など、700ガルを越える地震は3年に1回あり、700ガルの地震はしょっちゅう起きているのです。
関電は原発は1260ガルに耐えると言っているのですが、耐えるかは電力会社の判断ではなく、規制委に任せるべきで、1260ガルの地震の起こらない確率ゼロのところは日本にはなく、1260ガルで大丈夫というのは、福島に津波は来ないといった東電と同じ、無責任なのです。
中越沖地震で、柏崎・刈羽に2000ガル以上あり、巨大地震に直撃される原発のそばに誰も住みたくない、住民の命が大事で、今回の判決は、自然現象を予測できるという考えへの警鐘で、これについて注視すべきということです。以上、杉山さんのお話でした。
ニュースは河本光正さんの担当でした。
今日の日本列島に真夏並みで、舞鶴で35度、こまめな水分補給を呼びかけています。上空に真夏並みの空気が入ったためです。アルコールは体の水分を出すので、その後水を飲んだほうが良いのです。
文科省、全国の小中学校の耐震化、実施していないものは8956棟、1200棟は震度6で潰れ、耐えるのは92%、調査開始以来初めて90%を越えました。体育館のつり天井は、6200箇所対策がされていません。また、福島の7つの村は調査されていません。
福島原発対策の凍土壁の工事を開始し、深さ30mまで凍らせる管を入れて、福島で1日400トン汚染水が出て、これを140トン減らせると東電は言います。
以上、今週のネットワーク1・17でした(来週は野球のため中止です)。