永岡です、第75回ラジオフォーラム、今週は新司会者、社会学者の景山佳代子さんの担当で放送されました。以前に橋下氏の風俗発言のデタラメを、石丸さんの司会の回で痛烈に批判された方です。今週も三角山放送が変則編成で、朝のFMharoのみを聞きました。またもや冥府魔道の結果でした(泣)。
景山さん、神戸女学院の講師で、ラジオの司会者は初めてで、大学に閉じこもらず、この番組の司会者を引き受けることにされたのです。リスナーとともに考えたいのです。
今週のゲストはジャーナリストの玉本英子さん、シリアやイラクを取材されたことを報告されました。戦後69年戦争は日本になく、しかし戦争が日常とは何か想像しにくく、これを取材される玉本さんのお話です。2003年にイラク戦争で自衛隊が派兵されてから、景山さんも様々な講演を聞かれて、爆撃でも働き、買い物をしないといけない世界のことに驚かれたのです。
玉本さんの前半のテーマは、危険な紛争地帯にこだわる理由で、イラク、シリアを取材され、その危険なところに取材に行くのは、玉本さんジャーナリストではなく、デザインの仕事をしていて、その中でクルド人が焼身決起をしているのを見て、それでトルコに行き、戦闘地域、それをきっかけに取材を始め、危険だから、紛争現場だから、ではないのです。
2001年にイラクへ行ったのは、クルド人を取材して、イラク戦争の前に入っており、玉本さんは、イラク、シリアで普通の家庭があり、避難のところのショッキングなものだけでなく、現地の普通の生活に景山さん驚かれ、玉本さん、避難な現場ももちろん見たが、一般家庭に泊まり、女性と一緒にいると、戦場はかけ離れた世界ではなく、住宅地=市民が暮し、そこで戦争が起きる。
イラクの宗派抗争、市民同士が殺し合い、玉本さんヘルメットと防弾チョッキで取材なのに、文房具屋に子供が来て、明日試験だからと言うことで、母親も家族においしいものをとしており、日時生活と隣り合わせの戦争であるのです。
大人の戦争の際、子供たちは地域により異なり、宗派により引越しして対立することもあり、戸惑いもあるのです。
シリア、イラクは遠い世界ではなく、玉本さんが出会った印象的な人は、前線では外国人記者はおらず、東洋人の記者に、外へ伝えて欲しいと来る。その中で、この人たちにもう会えないかも知れず、今年1月、シリア・アレッポの電気技師のお父さん、48歳、反政府の戦闘の中、ガソリンを集めて武装組織に会い、戦闘停止、捕虜交換をしており、普通の人がこれをして、シリア国内で戦争を止めるという声を出し、最後までシリアに残るという。国内には、こういう人がいて、現場に行かないとこれは分からず、現場に行くべきなのです。
自分たちの町、村で平和に暮したく、町の若者が殺され、大変なのです。
イラク、シリアは、危ない場所だけでなく、そこで我々と同じ人間が暮しており、民族・文化が違っても、生活は日本と同じ、それが破壊されるのが戦争なのです。
小出裕章ジャーナル、小出先生のお話。
今週のお話は伊方原発、40年の住民の闘いで、伊方再稼動の狙いがあり、1号機運転開始から現地の住民が原発周囲の環境調査を行い、小出先生はこれを支援され、地元の支えになっているのです。
小出先生、伊方の調査に関わるきっかけは、東北大にいて、仙台にあったのに、東北電力が女川(漁業の町)に原発を作ろうとしていて、小出先生は当初賛成したが、女川の人はなぜ仙台ではなく小さい町に作るのかと疑問を出し、小出先生は原発の存在を再確認して、女川に住み込み、原発に反対するようになったのです。
73年から京大原子炉実験所に来て、そして伊方の裁判が始まり、小出先生も裁判に関わり証人出廷、現地に行き傍聴もして、伊方の住民と交流して、海の汚染の調査もした。伊方1号機は77年から動き出し、環境は放射能で汚れ、伊方の人は女川同様、高松や松山に建てないのかと思い、さらに自分たちの町の汚染を自分たちの手で知りたく、それで小出先生、専門家として疑問に答えるために一緒に調査をされたのです。
5月末に、小出先生、伊方の調査結果を発表し、78年頃に開始し、最初の結果は79年、伊方の海が放射能で汚れており、伊方の漁民が調べて公表、苦渋に満ちたことで、海の汚れを知り、四国電力は、住民の手でそんな汚染が分かるとは思わず汚染を流していたが、この結果を見て四国電力もまずいと思い、海に流す放射能の量を少しずつ減らし、その結果海の汚染が減ったのです。
住民が監視したら、流される放射能は減ることに結びつき、住民の調査も役に立ったのです。調査開始時、当時のメンバーは20代の若者→今60代、一定の役割も果たしたのでこれで一旦調査を終了して、記者会見して、調査結果を公表したのです。
地元、リスナーより調査の継続を願う声もあり、景山さん、小出先生と地元のかかわり方について聞かれて、これを通して小出先生の得たものは、小出先生は原子力の専門家、現地の人は漁民・農民・サラリーマンで、しかしみんな自分の場所を大切にして懸命に生きており、原子力というヤクザな世界(笑)で生きてきた小出先生、自然に生きる人に触れて、都会に建てずに僻地に原発を押し付けるのが許せず、その思いを共有できたから長い間、やってきたのです。以上、今週の小出先生のお話でした。例により、やり取り全文は以下にあります。
http://www.rafjp.org/koidejournal/no75/
ここで1曲、戦争を起こすのも止めさせるのも人間、平和な世界を残したい、マイケル・ジャクソンの世界を癒す、でした。 ユーチューブに歌がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=iWEMmCr1m8E&feature=kp
後半のお話、脱・戦争を知らない子供たち宣言についてです。
そんな歌が昔あり、玉本さん、小学校でもイラクやシリアのことを教えられ、子供たちには、戦争はいけないと知っているが、心では理解せず、戦争が起きたらどうなるかについて説明し、命の危険、爆弾→停電、家が壊れるなどを教えて、現地の映像で知らせると子供たちは真剣に見る。
戦争を知った子供たちの反応、目を見開き反応し、玉本さんは大阪でやると、これで私語も無く真剣に聞く、日常生活が壊れることを知り、後日親御さんより、子供からイラクがこんなことがあると親御さんに教えることがあり、親が子供から学び、親も戦争は知らず、子供でも戦争について語れると分かったのです。
小学生に戦争を伝えるのに、印象に残ったことは、東大阪の小学校で、イラクの避難民との交流を持ち、実際に会えないので、玉本さんがメッセージやビデオを届け、イラクで、家族を失った子供たちの経験を日本に届け、6年生の子供が家族を失う現実に驚き、女子児童、イラクは大変だが、日本も自殺やいじめで大変だと言っており、これをイラクに玉本さん届けたら、イラクの子供たちがこれにショックを受けて、イラクはイスラム教徒=自殺禁止、なので、日本は自殺するほど大変だと分かる。
だから、イラクの子供も、日本に頑張ってくれと言うのです。いじめ、自殺だけでなく、家族のことで苦しむ子供はあり、お互いに頑張ろうとなったのは、同じ時代を生きて、友達になれたのです。
日本の生活を、日本の子供たちの様子を写してもらい、お好み焼きをお母さんが作るシーンをみて驚き、子供たちはお好み焼きも知らず、これは大阪のピザ(笑)と説明し、生活が見られるのがいいのです。
戦争を日本は69年経験しておらず、子供たちに玉本さんが伝えて行きたいことは、戦争は大人だけでなく子供も巻き込まれ、戦争は一度始まったら誰にも止められない、被害者が翌日加害者になり、命の危険、難民として国外に出ても、言葉の分からない国外で暮らすのは大変で、体の傷もあるが、心の傷もあり、これは治らないものなのです。
戦争を終わらせるもの、家族を亡くした悲しみをどう癒すかも大変で、戦争は取り返しの付かないものであるのです。
みんなジャーナル、袴田事件、冤罪に取り組まれているアムネスティ日本事務局長、若林秀樹さんのお話がありました。皆さん、47年をどう想像するか、この間死刑囚として拘束された男性が釈放されました。
死刑廃止に関わる若林さん、袴田事件の取り組みは、古くはアムネスティ日本だけでなく、世界のアムネスティで、世界の規範に反する拷問+裁判で、再審すべきと日本政府に手紙を書いて行動し、袴田さんに手紙も書いて励まし、アムネスティは国内問題が取り組めなかったものの、2008年から日本でも取り組みを開始し、お姉さんに講演もしてもらい、昨年も世界で5万筆の署名が集まり、イギリスでは国会議員も取り組んだ、世界の注目した人権侵害であったのです。
静岡地検は抗告し、これについて、即時抗告は残念で、世界的な基準からはあり得ず、静岡地裁の決定で証拠は捏造とあり、袴田さんの拘束は正義に反するとしたのに、検察は再審の中で異議があるなら主張すべきであり、アムネスティは即時抗告取り下げのアクションの署名を世界に働きかけています。
証拠の捏造、犯行時のズボンを袴田さんはけない。検察は縮んだというが、しかし色が違うのに、証拠を出さず、これは検察による殺人行為、被告人に有利な証拠が出ず、46年経って出た証拠に袴田さんの冤罪を証明するものがたくさんあり、33年間も死刑確定、毎日処刑される恐怖に怯えつつの再審請求は難しく、80年代に4件あったがその後無く、刑事司法制度を改革しても100%冤罪を防げず、なら死刑を廃止すべきで、世界の2/3は死刑を廃止しており、日本はしかし孤立しているのです。
冤罪の被害者にならないことはなく、これは貴重なのです。以上、若林さんのお話でした。アムネスティ日本のHPは、
です。
今週は景山さんの司会で、玉本さん、現場取材でわかったことは、日常生活の延長に戦争があり、通常の生活の積み重ねが平和であり、イラク、シリアは遠い国ではない。日本も他人事ではないと言われました。戦争を終わらせるのは難しく、戦争を防ぐことを考えないといけないのです。シリアでも、どうやったら戦争は終わるのかと聞かれて、玉本さん答えられなかったのです。以上、今週のラジオフォーラムでした。
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