滋賀県知事選は安倍政権の暴走にブレーキ!

田中秀征 政権ウォッチ
【第242回】 2014年7月17日 田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

注目された滋賀県知事選挙は完全無所属で立候補した前民主党衆議院議員の三日月大造氏が当選した。

当初は圧勝を予想された与党(自民、公明)推薦の小鑓隆史氏が終盤で一気に抜き去られ、予想外の敗北を喫したのである。

投票率は50.15%。参院選と同日選となった前回(61.56%)には及ばないものの、前々回の44.94%を大きく上回った。これも注目すべきであろう。

滋賀県知事選で
与党が敗北した2つの要因

なぜこうなったか。敗因として都議会でのヤジ事件などを指摘する向きもあるが、その影響はさほどではないだろう。

やはり安倍晋三政権の2つの強行が主因であろう。1つは原発再稼働の推進、もう1つは集団的自衛権の閣議決定だ。

当選した三日月氏は、「卒原発」の象徴的存在である嘉田由紀子知事から後継者指名を受け、原発政策の転換を旗印にした。

しかも今回の知事選は東京都都知事選とは環境が大きく違っている。

都知事選終了を待って原発推進の新しいエネルギー基本計画が正式に閣議決定され、それによって川内原発の再稼働が目前に迫っている。

だから、今回の県知事選で与党推薦の候補は「脱原発」や「卒原発」を偽装できない。

これに対して都知事選では、昨年末に予定されていたエネルギー基本計画の決定が意図的に先送りされたから、与党の支援を受けた候補も何気ない顔で「私も脱原発だ」と言うことができたのである。

この原発政策の争点に追い打ちをかけたのが集団的自衛権である。閣議決定の7月1日以降の流れをみると、原発政策を上回るほど選挙の動向に大きな影響を与えたものと思われる。

この流れは今後一段と勢いを増し、福島、沖縄、愛媛の県知事選にも決定的な影響を与えることは間違いない。

一体、これでも川内原発を再稼働させるのか。行政改革を放置して消費税10%を実施するのか。ガイドライン(日米防衛協力の指針)を改定するのか。それとも、安倍首相は、暴走を反省して行革と経済に専念する方向に転換するのか。その岐路を迎えている。

三日月氏の当選は
決して民主党復活を意味しない

さて、今回の都知事選は、民主党にも大きな転換を要請している。

党内の原発推進派や集団的自衛権行使派と明確に手を切れというのが、かつての民主党に期待した人たちの大半の願いなのである。

民主党は、有権者が期待し、民主党が公約した「消費税増税の前の行政の改革」を平気で反古にした。民主党政権のこの不信行為こそ党没落を招いた。これも有権者は忘れることはない。

三日月氏が民主党衆議院議員だったことは決して民主党の復活を意味してはいない。かつて民主党を支持した人たちの多くが彼に投票したにせよ、それは現在の民主党を支持していることを意味してはいない。正反対の意見や主張が同居している限り、民主党は二度と浮上しないことを肝に銘じるべきである。

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