Global Ethics


報道するラジオ年末特番、もうだまされないぞ2014 (2) ブラック企業問題 坂倉昇平さんのお話 by limitlesslife

永岡です、報道するラジオ、続いてのコーナーも、今年も毎日放送アナウンサー水野晶子さんの司会、ジャーナリスト・元毎日新聞論説委員の平野幸夫さんの案内で放送開始されました

トリクルダウンと言われるものの、経済格差は広がるばかりで、貧困問題、NPO法人POSSE(http://www.npoposse.jp/ )の坂倉昇平さんのお話がありました。

千葉猛の報告で、POSSEに相談された方のお話があり、20代半ばの男性、正社員として働かれて、忙しいと朝6時半~夜の2時まで1日16~17時間働き、休憩なし、残業も付かず、固定残業代は会社に入りわかったもので、手取りは16万、食事の時間もなく、1日1食、休日は週1回なものの実質なし、基本給を見たら、最低賃金を下回っていたのです。

坂倉さん、固定残業代はブラック企業でよくある、残業代をごまかすもので、給与に残業代を入れておき、最低19万と思っても月80時間残業しないといけないものと説明されました。この会社は個人の零細ではなく、比較的大きく、経営者に違法性の認識はなく、いやなら辞めろであり、会社がしてあげていて、給与の遅配もあり、この方は体を怖し、2年で突発性の難聴、うつになり、体重も落ちて、働いているときは死ぬかと思い、そして重傷のヘルニアで会社は休職させてくれず、救急車を呼び、現在は休職のものです。

千葉さん、ヘルニアは立てないほど痛いと報告され、今は収入がなく、もちろん病気で働けず、これは江戸時代の話ではなく、今の2014年のことなのです。

坂倉さん、正社員で安心できるのは幻想で、非正規、フリーターの相談から、正社員、ブラック企業の相談が増え、1~2年でアウトであり、非正規だけでなく、正規も前近代的で

、行政が取り締まっていないと平野さん指摘されました。

坂倉さん、ブラック企業は飲食業、小売系(家電、アパレル、介護)に多く、ここ10~20年で出来た新興産業に多いと言われました。

千葉さんの報告、ブラック企業から辞められず、会社を辞めることはできなかったとこの男性に問われて、しかし5人でやっていることを4人でやらないといけなくなり、休めないプレッシャーをかけられ、寮に住み、家電も会社の備品で、それで貯金が出来るまで我慢しようと思ったのです。ネツトカフェ難民も身近に感じられ、失業時の雇用保険は1年働かないと受けられず、辞められない。

そのうちに体を壊したもので、坂倉さん、ブラック企業は辞めさせないためにいろいろやり、理不尽で過酷な研修をして、上司の命令は絶対と、洗脳のように(富士山でダッシュ、深夜に行進など)、会社に逆らうなと、まともな理性を奪うもので、これを下請けでやる研修ビジネスもあるのです。

この男性、貯金を切り崩し、備品は寮に備え付けで、会社から出て行けと言われており、休職中で、まだ社員なのに、働かないのに寮にいるなとされ、寮から追い出されたらホームレス、引越しするお金もなく、路上生活のみで、実家には帰れず、家族・兄弟にも頼れず、13歳で実家を出て、板前の世界に入り、まかないで食事も得られて、親は助けてくれない(育児放棄)。

この男性は扶養紹介のため(親兄弟に養え)生活保護も受けられず、虐待・DVのため得られない例もあるのです。

坂倉さん、親に捨てられた人間も、若い人の貧困の背景があり、扶養紹介は仲がいいことが前提で、古典的な家庭を前提にして、そんなものは成り立たず、昔のモデルでは無理で、子供もブラック企業行きの、貧困の連鎖もあると指摘されました。

千葉さんの報告、この凄まじい中で勉強して大検合格、調理師の免許も取り、しかしアルバイトでは長く続かず、2年ほど契約社員で営業の仕事をして、しかし生活は無理で、非正規から抜けたく、そこでこのブラック企業の正社員の話があり、正社員と喜んだものの、頑張っても長時間労働で破綻し、坂倉さんの支援で生活保護を申請し、その際の行政の対応は、ひどく悪く、水際作戦で申請させてくれないのです。

坂倉さん、水際作戦について、本当にあり、坂倉さんも同行したら相談と対応し、申請だと受理の必要があり、それに入りたくなく、申請させたくない。応接室で働けと言われて、受付をせず、申請を受け付けないと違法なので、のらりくらりとと交わされ、しかし申請書を持っていたので、何とか受給されたのです。

これで、窓口であきらめさせるものもあり、坂倉さん、一人での申請は困難で、神奈川の鎌倉だと、窓口にバリケードをおいており、坂倉さんが調べて、鎌倉市長も謝罪したというのです。

平野さん、民主党時代に不正受給が問題になり、しかしそれはごく一部で、地方自治体の窓口が件数抑制に走り、そのためと言われて、底上げの観念が自治体にないと言われました。行政は、困っている人を助けるのではないのです。

千葉さん、この男性、ブラック企業で病気になったた人の再出発の支援システムがないと報告され、生活保護だと貯金は出来ず、新しい職がふ見つかっても生活費なしで、自立は出来ず、再出発は不可能と報告されました。

坂倉さん、生活保護は自立再支援なのにこの始末で、生活保護の申請でもうお金がなく、お金があるとと拒否され、生活保護を受けてもお金はたまらず、さらに無理やり自立させる、仕事あると非正規のブラック仕事を探させて生活保護をさせないものがある、実質は追い出しの自立と報告されます。

もちろん、こんなことでも自立できず、一度生活保護を受けたらもうやりたたなくなく、路上生活に落ちるもので、路上生活者にも、生活保護がいやでホームレスになった人もあるのです。

千葉さん、大学を出ないと応募できない仕事もあり、通信制の大学を目指し、今もっている夢は、がんばっても生活は良くならず、がんばってもダメで、落ち込み、自信もなくなり、ブラック企業が人の心に与えるダメージは大きいのです。

この方、夢について、社会の中で泣き寝入りせず、人並み以上の安定した生活がしたい、それが夢なのか、搾取されるのから逃れたいといわれるのです。

人並み、普通が夢で、坂倉さん、雇用とセーフティネットの問題で、ブラック企業を無くすのは行政の責任で、残業代含めての給与の表示は脱法で、ギリギリ条件は満たし、弁護士などがブラック企業のためのアドバイス(残業代を請求されないようにという本もある)とすら言われました。

固定残業代はブラック企業の典型で、求人でこれをやるのは賃金をごまかすためのものであり、違法と法律を変えないといけない。セーフティネット、若者を再起しやすいシステムがいるのに、日本社会にはセーフティネットが整備されず、雇用保険と生活保護しかなく、雇用保険は2割しか受けられず、またブラック企業に行かざるをえない。

雇用保険は多くなく、問題なのです。

平野さん、労働をコストとする考えが問題で、罰則を厳しくするべきと指摘され、漂流社会、若者も老人もであり、漂流する人を行政が助けるべきなのにせず、憲法の生存権の侵害と指摘されました。

千葉さん、景気回復、雇用が増えても、非正規、ブラック企業で、雇用の数ではなく、質が問題だとまとめられました。

自分は、会社の備品という人もあるのです。

坂倉さんの、最後のメッセージは相談して欲しい、会社を辞めていいのかと相談され、しかし辞めることは悪いことではなく、しかし会社で辞めることが悪いと思わされ、辞めたら賠償請求と脅迫され、契約で辞めたら違約金とのブラック企業もあり、ともかく、ブラック企業から辞めるべきで、追い詰められ、相談者はしんどく、相談に来ない人はもっとひどいのです。以上、坂倉さんのお話でした。

こういう声を、今後も報道するラジオで報じます。

 

リスナーより、国民の民意を聞きたいなら、忙しい年末に630億かけて選挙するなという声がありました。年金で減額にてだまされた声もあり、またゴーストライター、STAP細胞、兵庫県議の不祥事との声もあり、STAP細胞もあるが、ワールドカップ、予選通過は間違いなしと、マスコミにだまされたとの声もあり、消費税増税の反面での法人税減税はどういうことか、赤字企業の負担は増えて、今しんどいところは増税で、円高ではないのに法人税減税は政府との癒着との声もありました。

中小企業より、応募するのは高齢者のみとの声があり、選挙後、大阪都構想がゾンビ復活にだまされたとの声もありました。

平野さんは、このコーナーで一旦終わりです(原発のところからまた出られます)。

 

 

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報道するラジオ年末特番、もうだまされないぞ2014 (1) 上田崇順さんの現地報告 by limitlesslife

永岡です、報道するラジオ、恒例の大晦日特番、今年も毎日放送アナウンサー水野晶子さんの司会、毎日新聞特任編集委員の近藤勝重さんと、ジャーナリスト・元毎日新聞論説委員の平野幸夫さんの案内で放送開始されました。平野さん、条件反射?でこんばんわとあいさつされました(笑)。

今夜より、荒天というのです。正月寒波です。

今年の特番でも、ニュースとか入るそうです。

今年、話題になった場所に上田崇順(たかゆき)さんがおられます。あべのハルカス地下の食品売り場におられて、大勢の方がおられて、今年の大阪ではこのハルカスオープンが最大で、展望台も上田さんのぼられて、クラクラするというのです。水野さんは高いところはお好きだそうです。

その中、近鉄百貨店、10万平方メートルの売り場、近鉄沿線の食材が人気だそうです。おせちの売り上げは10%増え、完全予約で受付は終了とのことです。2~3万のおせちが売れ、福袋、展望台貸し切りもあるそうです(30万…聞いて目がクラクラしてきた(笑))。福袋、6万個販売されるそうで、ハルカスで売り上げは27%増え、関西初のブランドなどがあるそうです。

ハルカスのオープン時、消費税の増税で、近鉄の担当者の方は増税の影響も受け上げにあるといい、アベノミクスは、円安で外国人客が増え、高額商品が売れているそうです。外国人観光客は政府の発表でも増えており、近鉄で外国語対応、外貨と円の交換も行い、消費税免税品目が10月に増え、食品、化粧品も入り、免税カウンターの客が5倍にもなったそうです。

あべのハルカスは近鉄が1300億投資し、外国人観光客には関空よりJRで最も近いところにハルカスは位置するのです。平野さん、別世界と指摘されました。中部国際空港も客が倍になったと指摘されました。

今年のテーマはだまされた、であり、だまされないため、ニュースの裏側を探ります。経済格差、貧困、地方のこと、原発、介護・社会保障などを取り上げます。

今年のテーマは○○にだまされたであり、いろいろ紹介されます。

小渕氏にだまされた、野々村市議にだまされた、維新と公明にだまされたとあり、他方日本人は親切で誠実と思っていたのに、だまされたとの指摘もあり、投票率の低さを指摘する声もありました。

リサイクルショップから、金目のものをと言われたとの話もあり、高齢者狙いの話もあったのです。

次のコーナーに行きます。

(今回の内容、例により私に無断でいくらでも拡散してください)

 

 



一年を振り返って、国内:「総選挙」、「集団的自衛権」、「沖縄」、国外「イスラム国攻撃」等 by limitlesslife
孫崎享のつぶやき 2014-12-31
一年を振り返って、国内:「総選挙」、「集団的自衛権」、「沖縄」、国外「イスラム
国攻撃」等

A一年を振り返って国内:「総選挙、自民党の勝利」、「集団的自衛権、閣議決定」、
「揺れ動く沖縄」としました。

1:総選挙 何故総選挙をしなければならなかったでしょうか。
安倍氏が掲げたことは消費税の1年半後10%にするでした。
国民の過半数は反対しています。
何故か、は簡単です。
これから安倍政権の支持が下がることが予測される、だから今年の内にです、
安倍政権は、重要課題とするものが幾つかあります。
原発の再稼働、
集団的自衛権の法制化、
辺野古移転の推進、
消費税の引き上げ、法人税の引き下げ
どれもこれも国民の反対が多いのです。
かつ日本経済は景気後退に入りました。
公共投資増でとりあえず、GDPプラスを目指しますが、消費の立ち直りの見通しが
ない以上情勢は厳しいです。
何故自民党が勝利したか
大きくいって3つの要因があります。
小選挙区制―もはや国民の声を正確に反映する制度ではない
マスコミの安倍首相の御用マスコミ化
国民の声を受け入れる党の不在

2:集団的自衛権
集団的自衛権は、本質は「他国防衛」「他衛権」です、
米国の戦略に自衛隊を供するシステムです。
安保5条で「日本の施政下に攻撃があった時には日米双方は自国憲法に従い行動を執
る」とありますから、尖閣などは安保条約で大勝になっており、新たに協定を結ばなけ
ればならない必要はありません。
安倍首相などは意識的に実態を変えています。

3;沖縄
普天間への米軍基地移設に対する沖縄県民の意識はますます確固たるものになりまし
た。
名護市長選、
沖縄知事選、
総選挙での全ての小選挙区で自民党の敗北。
政府は依然実施をしようとしていますが実現不可能です。
かつ政府は沖縄への財政支出の削減を予定するなど圧力をかけようとしていますが、
「経済」より「基地」を重視する沖縄の意思は固く、』反発を招くのみと見られます。

B海外では3つ上げました。

イスラム国の問題
ロシアのクリミア侵攻
中国の大国化と米中関係

1:イスラム国の問題
米国は今年でアフガニスタン戦争、イタク戦争を止め、戦争状態から脱する予定でし
た。
しかし、再開しました。
私は米国の中東政策は次の2つで判断したらよいと思います。
イスラエルの安全に資するか
米国国防省と国防産業からなる軍産複合体の利益になるか
残念ながら米国は広い国益から判断できる国ではなくなり、それが中東政策にも響い
ています。
イスラム国攻撃は2つの利益に資しています。
イスラム国の支持基盤はイラクにおけるスンニー派です。
昔はイラクはスンニー派が支配していましたが、サダム追い落としで米国はシーア派
とクルドと連携、スンニーと対峙する流れを作りました。その後も米国はスンニーと対
峙する構図を続けていますが、これを続ける限り、イラクは全体として米国と対決する
姿勢を続けます。

2:ロシアの問題
この背景にはロシアとNATO関係があります。
NATOは数年前、もはやロシアを敵でないと決定しました。
敵でないとどうなるか。
NATO諸国の軍事力は減少します。
欧州における米軍基地が不要になります。
この中米国のネオコングループが復権しロシア政策を掌握しています。
ネオコンの論客、ロバート・ケーガンの妻、ヌーランド国務省次官補等が画策し、ロ
シアとの協調を志向した政権を市民運動などを使い倒し、反ロシア派の政権を樹立しま
した。
これに対抗するため、ロシア海軍基地のあるクリミアを押さえ、そして今ロシア人住
民の多いウクライナの東部、南部で紛争が起きています。
ここでも、NATO等は緊張の継続を望んでいます。

3:中国の大国化
ノーベル経済学賞の受賞者スティグリッツが2014年は米国が経済大国NO1の最後の
年と言っています。世界銀行の一部局は購買力平価ベースで2014年末乃至2015年に中国
は米国を抜くと予測を出しました。
これに対する米国の対応は2つあります・
中国包囲網の形成
中国との協調。
スティグリッツは①は必ず失敗すると述べていますし、オバマ政権は中国との協調を選
択しています。

MLホームページ: http://www.freeml.com/public-peace



民衆はこの琉球新報の社説を来年に向けて心に刻まなければならない by limitlesslife
December 31, 2014, 1:58 pm
Filed under: 自由, 自治, 自主, 憲法, 沖縄

【ヤマトの民衆はこの琉球新報の社説を来年に向けて心に刻まなければならないのではないでしょうか?】 「さまざまな意味で局面が転換した年だ。沖縄は明らかに新たな舞台へ移った。最大の出来事は何といっても「オール沖縄」を標榜(ひょうぼう)する勢力が翁長雄志新知事を誕生させたことだろう。米軍基地の強要は沖縄への構造的差別であり、それを沖縄が一体ではね返すという意思が「オール沖縄」の言葉に込められている。沖縄はもはや犠牲を甘受しないという宣言にも等しい。新たな時代の「幕開け」と言ってい

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ishigaki via post.freeml.com 

10:48 PM (7 minutes ago)

to 脱原発・埼玉市民連絡会
転送します。
日本の曙は沖縄からです。
沖縄のみなさんのご努力に厚く御礼申し上げます。
さいたま市 石垣敏夫

【ヤマトの民衆はこの琉球新報の社説を来年に向けて心に刻まなければならないのではないでしょうか?】 「さまざまな意味で局面が転換した年だ。
沖縄は明らかに新たな舞台へ移った。最大の出来事は何といっても「オール沖縄」を標榜(ひょうぼう)する勢力が翁長雄志新知事を誕生させたことだろう。
米軍基地の強要は沖縄への構造的差別であり、それを沖縄が一体ではね返すという意思が「オール沖縄」の言葉に込められている。
沖縄はもはや犠牲を甘受しないという宣言にも等しい。新たな時代の「幕開け」と言っていい。

琉球新報<社説>:2014年回顧 新たな時代の幕が開いた 犠牲拒む意思を示した年
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-236671-storytopic-11.html

2014年12月31日

2014年も暮れゆく。さまざまな意味で局面が転換した年だ。沖縄は明らかに新たな舞台へ移った。
ことしを漢字で表すなら「幕」の字が真っ先に思い浮かぶ。
最大の出来事は何といっても「オール沖縄」を標榜(ひょうぼう)する勢力が翁長雄志新知事を誕生させたことだろう。
米軍基地の強要は沖縄への構造的差別であり、それを沖縄が一体ではね返すという意思が「オール沖縄」の言葉に込められている。
沖縄はもはや犠牲を甘受しないという宣言にも等しい。その意味で、単に県庁のトップが交代したというにとどまらない
歴史的意義がそこにある。新たな時代の「幕開け」と言っていい。

自決権回復の試み

そうした政治的意思がことしほど鮮明に表れた年はない。1月の名護市長選は米軍普天間飛行場の
辺野古移設阻止を訴えた稲嶺進氏が大差で再選を果たした。11月の知事選に続き、
12月の衆院選は「オール沖縄」を掲げる移設反対派が県内4選挙区全てを制した。
いずれも当選者の中には、かつて保守政治家であったり保守行政の中枢だったりした人物が含まれる。
翁長氏の発言がその意味を表している。「イデオロギーよりアイデンティティー」。
沖縄内の保革対立という内輪もめをやめ、本土に異議申し立てをするとの意味を持つ。
これらの意思表示は、沖縄にとり死活的な事柄は、他の誰でもなく沖縄自らが決める、
という自己決定権回復の宣言といえよう。
これは単なる現状変更の要求ではない。琉球王国時代は中国交易の利益を収奪され、
太平洋戦争では本土決戦までの時間稼ぎの捨て石となり、サンフランシスコ講和条約締結時には日本独立の引き換え条件とされた。
そんな「質草」扱いの史実を踏まえた意思表示だ。だからこれは、不可逆的な、後戻りできない要求なのである。
だが政府は明らかに軽く見ている。8月には反対の民意を押し切り辺野古の海底を掘削する暴挙に出た。
菅義偉官房長官は知事選の結果も意に介さず、「移設を粛々と進める」と言い放つありさまだ。
仲井真弘多前知事の言動が「沖縄の抵抗は金目当て」という本土側の誤解を増幅させたのだろうが、
翁長氏もいずれ移設容認に転ずるとの見方が本土には根強くある。だが前述の通り沖縄の民意は不可逆的だ。
そしてそれは国際社会から見ても正当な闘いである。1月に海外識者多数が沖縄を支持する声明を出したことがそれを示す。
政府には誤算だろうが、稲嶺進氏が述べた通り、「私たちは孤立していない。世界が見ている」のである。

朗報相次ぐ

一方で明るい出来事も続いた。学力テストで県内の小学校が全国総合24位に躍進したことが印象的だ。好成績が定着するか判断するのは早計だが、県内教育界が新たな局面に移行したのは間違いない。中学への波及も期待したい。
興南高校ハンドボール部の全国3冠達成もまた歴史に残る偉業だ。空手の喜友名諒選手による世界選手権優勝、柔道の七戸龍選手による世界選手権準優勝などの快挙も県民への清涼剤となった。
南城市のサキタリ洞の発掘は日本の考古学史に新たなページを加えた。慶良間諸島の国立公園指定もまた、沖縄観光を新たな水準に引き上げてくれそうだ。
教科書無償措置法改正に伴い竹富町教育委員会が単独採択地区となり、八重山教科書問題は幕を閉じた。沖縄の抵抗が政府の横暴を退けた意味でも意義があった。
経済では沖縄三越の閉館が印象深い。一つの時代が幕を閉じた感を深くする。今後はリウボウ商事が新たな施設として運営するが、国際通りの新時代を切り開く施設となってほしい。
沖縄の自己決定権回復の歩みはこれからが本番だ。政府は県民に無力感を刷り込もうとしているが、間違いなく理はこちらにある。着実に歩みを重ねたい。

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace



2014年最後に:書評紹介と、「終戦70周年」への警告 by limitlesslife

    Peace Philosophy Centre


 

Posted: 30 Dec 2014 11:31 AM PST

今年最後に、読み応えのある内容で知られるカナダ・バンクーバーの日本語月刊誌『月刊ふれいざー』10月号に載った黄圭(Hwang Kay)さんによる『よし、戦争について話をしよう。戦争の本質について話をしようじゃないか!』(金曜日刊)の書評を紹介します。

この本は2013年夏、映画監督オリバー・ストーン氏が、彼とThe Untold History of the United States (書籍およびドキュメンタリーTVシリーズ:日本語では『もう一つのアメリカ史』という題で出ている)を共著・共作したピーター・カズニック氏(アメリカン大学教授)と当ブログ運営者・乗松聡子の誘いで、カズニック氏と立命館大学の藤岡惇氏が20年にわたり行ってきている広島・長崎への学生の旅に一部参加しながら講演旅行をするという形で来日したときの記録です。私たちは沖縄まで足を延ばし、オリバーは沖縄が米軍基地に占領され「戦争が終わっていない」状態に驚き、その上に辺野古の海を埋め立てて新たな基地を造ることを「恥ずべきことだ」と言いました。今まで出た書評は当ブログ左上にリンクをまとめてあるのでご覧ください。

日本人が広島と長崎の歴史を記憶し教育する姿は素晴らしい。と同時に日本人は戦争中に自国がアジア諸国や連合軍捕虜に対して行った残虐行為の数々をはじめ、自らの歴史に直面すべきである。

2013年8月8日、長崎原爆爆心地
に献花するストーンとカズニック

オリバーが来日中口を酸っぱくして言っていた言葉です。米国を愛しているからこそ米国の他国への残虐行為を米国人に教えようとしてきている映画監督ならではの言葉だと思います。そしてこの言葉ほど明日から「終戦70周年」を迎えようとしている日本人が耳を傾けるべき言葉はないでしょう。

「300万人が犠牲になった」と、日本人の被害にしか目を向けず、内向きで自国中心主義的な戦争記憶を強化させて「平和教育」「記憶の継承」をしているつもりになっていてはいけないと思います。この自国中心主義こそが差別や暴力や戦争の原因になります。二度と戦争を起こさない記憶のし方。それは「日本軍『慰安婦』」をはじめとする加害の歴史に背を向けたり否定したりすることではなく、そういった歴史を直視しながら学びを深め、共有し、アジア隣国をはじめとする諸外国の信頼と友情を回復していくことに他なりません。

最近話題になっているアンジェリーナ・ジョリー監督『アンブロークン Unbroken』は、オリンピックにも出場した陸上選手ルイ・ザンペリーニ氏が空軍の兵士として太平洋戦争を戦い、日本軍の捕虜となり、大森俘虜収容所、新潟の直江津炭鉱などで過酷な労働と虐待を生き延びる物語です。日本語では「反日映画」とか言って騒がれていますが、観てもいないのによくそんなことが言えるものです。私は12月24日バンクバーで封切されたその晩に観に行きましたが、「反日」といったイメージとはかけはなれたものでした。このような映画を「反日」と呼ぶ人は、広島長崎の原爆や空襲を記憶する映画を「反米」映画と呼んだり、ホロコーストを記憶する映画を「反独」と呼んだりして糾弾するのでしょうか。自国中心主義もいい加減にしてほしいものです。

私は、このザンペリーニ氏のサバイバルと和解の物語は日本でこそ広く公開され、記憶されるべきものと確信しました。戦後70年、日本はこのような映画を積極的に上映してこそ歴史への責任、そして二度と戦争を起こさないために、現在と未来への責任を果たすことができるのではないかと思います。

12月30日 バンクーバーにて @PeacePhilosophy こと 乗松聡子

「第一回フルブライト女性セミナー」講演録「留学、海外生活を通じて見えて来た世界の中の日本-広島、長崎、福島、沖縄」

Posted: 19 Dec 2014 01:02 PM PST

2014年7月30日に東京で行った講演の記録を共有します。「フルブライト日本同窓会」機関誌『NEWSLETTER No.27 2014』に掲載されたものを微修正したものです。

1回フルブライト女性セミナー
 「留学、海外生活を通じて見えて来た
世界の中の日本広島、長崎、福島、沖縄」
Peace Philosophy Centre代表 乗松聡子
 
プロフィール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2007年、バンクーバーにて平和教育団体Peace Philosophy Centreを設立。日本の憲法、アジアの歴史認識問題、核問題、米軍基地問題などについて日英両語で活発に執筆するほか、地元市民とも勉強会を開催している。2006年以来アメリカン大学と立命館大学共同の広島長崎の旅に通訳・講師として参加。2013年には映画監督オリバー・ストーンの来日を企画運営した。共著 Resistant Islands: Okinawa Confronts Japan and the United States (Rowman and Littlefieled, 2012) 、『沖縄の〈怒〉-日米への抵抗』(法律文化社、2013)他。
 今日は同窓会のフルブライト女性セミナーの第1回の講師にお招きいただき光栄です。日米教育交流振興財団にもご協力いただきありがとうございました。
 私は50年近く生きてきていますが、そのうち約20年が日本の外です。まず高校23年のとき1982年から84年までカナダ西海岸のビクトリアという街で過ごしました。その後、日本で大学に行き就職しました。1997年から今にいたるまで大学院留学がきっかけですがカナダのバンクーバーにおります。留学や海外生活の結果、今の自分がある。一人の女性として人間として、母として、プロフェッショナルとしての自分がある、そんなパーソナル・ヒストリーとして聞いていただけたらと思います。若い方々に少しでも参考になれば幸いです。
 まず女性としての生き方です。カナダで暮らしていて一番強く思うのは「多様性」です。女性だからこうしなくては、男性だからこうしなくては、何歳でこれをしていなくてはとか、いったん就職したらその組織に長く勤めなければいけないとか、一つの職業を選んだら死ぬまで続けないといけないとか、日本の社会がこうした個人に求めることで、多様性が少なくなっているように感じます。私はすごく色々なことをやってきて、家庭に入って子育てに専念していたこともあります。出入り自由なのです。この部分が日本とカナダで一番違うと思います。
 カナダだって決して女性の状況は理想的ではありません。国会議員の女性の割合が日本は8%で先進国中最低レベルと聞いていますが、カナダでも25%程度で多くはありません。女性の首相が一瞬現れたこともありますが、政財界はほとんど白人の男性が支配しています。ただ理想とはいえませんが、男性が育児休暇を取りやすいとか、男性が家庭に専念するとか、生き方の多様性は男性にも女性にもあると思います。日本を見ていると生き方に多様性、柔軟性が少なく、変わって欲しいと思います。
 私の原点は高校生の時のカナダ留学にあります。奨学金を出して留学させてくれたピアソン・カレッジはレスター・B・ピアソン(LesterB Pearson)というカナダの元首相が創立に関わりました。このピアソンとフルブライト留学制度を提唱したJ・W・フルブライト。二人の思想に共通点があるというのが今日の私の話のテーマです。
 私は高校1年の時にインターナショナル・バカロレア(IB)のカリキュラムで70カ国以上から集まった200人の学生とともに学ぶプログラムに応募して受かり、高校23年と留学しました。日本ではいわゆる受験校に通い勉強はできる方だと思っていました。でも実用的な英語はほとんどできませんでした。留学先では本などを読んで来てディスカッションするという10人ぐらいの少人数のゼミ形式で、先生や他の生徒の言っていることが全然わかりませんでした。半年ぐらい何も判らない状態が続きました。先生に聞きに行くのも涙が出て、夜寝ていてもそう、今でもこうして話していても思い出して悔しくて涙が出そうになります。
でも1年目の最後にはようやく勉強が判るようになって2年目の最後にはIBの試験に合格したのです。どうして最後まで行けたのか判らないのですけど、授業をウォークマンに録音して後で何度も聞いたりして頑張りました。
 この時に今に繫がる大きな気づきがありました。タイ、インドネシア、フィリピン、アフリカのコートジボワールなど世界からやってきた学生たちと知り合いになれたのです。いろいろな国の人たちと暮らして、日本の教育では教わらなかったことを知りました。私は広島、長崎や東京大空襲のことは知っていましたが、大戦中に日本軍が現地の人たちにひどいことをしたのを全く知りませんでした。
 シンガポールの友人からは日本の兵隊が赤ちゃんを放り投げて銃剣で突き刺した話を聞かされ、最初は全く信じられませんでした。信じるには何年もかかりました。フィリピンの男友達からは、日本人に私のような良い人がいるとは思わなかったと言われ驚きました。歴史について何も知らなかったことを思い知らされたカレッジ体験でもありました。
 IBを取り、日本に帰って帰国子女枠で慶應大学に入りました。今度は逆カルチャーショックを経験しました。カナダでのディスカッション中心の授業に慣れていたので、教養過程での大教室で先生が自分の書いた本を読むという授業に馴染めませんでした。カナダでの体験を懐かしむ気持ちもあり、いわゆる帰国子女とよばれる人たちと友達になりたいと思いESSに入り英語による演劇活動に熱中しました。
 私は卒業して、かつての文部省の外郭団体で日本国際教育協会というところで留学カウンセラーをしました。また民間の団体でオースラリアやニュージーランドの留学生を日本に受け入れる仕事もしました。ホストファミリーのオリエンテーションや文化摩擦のトラブルシューティングで北海道から鹿児島まで飛び回る勤務生活をしていました。
 そこで、このような教育団体の経営ができれば良いと思い、経営学を学びたくなりました。上司に米国のMBAをもった人が多かったので自分もMBAを取れば偉くなれるのかな、と。カナダに戻りたかったこともあってカナダのビジネススクールにいくつか出願して、バンクーバーにあるブリッティッシュコロンビア大学(UBC)に決めて1997年に渡加し、そのまま居着いています。そこからの話をすると長くなってしまうので、それはまた別の機会に。ビジネススクールの前に長男が生まれ、後で長女を授かりました。
J.W.Fulbright (1905-1995)
 その後UBCの異文化コミュニケーションセンターというところで講師もしました。バンクーバーは多民族社会でいろいろと摩擦も起きるので、一般のカナダ人にどうしたら異なる文化の人とうまくやっていけるのかということを教えました。
 さてフルブライト氏とピアソン氏の話です。この講演に合わせて、日本経済新聞で「私の履歴書」として1990年代初頭に連載されたフルブライト氏の回想録『権力の驕りに抗して』を読みました。今日のテーマと通じるものがあって感動し涙を流しながら読みました。
 この本の中からいくつかのフルブライト氏の言葉を紹介したいと思います。まず「教育交流は国を人に変える」というのがあります。これはとても重要な考え方だと思います。皆さんもニュースを見たり、友人と話をしたりするとどうしても国単位でものを考えていることが多くなります。アメリカが・・・、中国が・・・ウクライナが・・・などと話してしまいます。こうした国単位で考えることがナショナリズムを生みがちであるとフルブライト氏はわかっていたようです。いったん国の枠組みを超えて人と人が付き合えば全然違う世界が見えてくる——そうした思いも込めて言ったのではと思います。

L.B.Pearson (1897-1972)
 かたやピアソン氏です。この人はカナダで最も偉大な政治家と言われています。1956年、スエズ動乱というのがありました。エジプトがスエズ運河を国有化したのをきっかけに英仏などが出兵してあわや第三次世界大戦という騒ぎになりました。ピアソンはこの時、国連緊急軍というのを提唱して停戦を監視させたのです。この国連緊急軍は現在の国連平和維持軍の元となっています。ピアソンはこの業績で1957年にノーベル平和賞を受賞しています。この時は外務大臣でしたが、60年代に首相を務めまして健康保険の充実やカナダ国旗の制定し、多文化主義の基礎を作ったと人としても知られています。
 ピアソンは私の高校時代に留学した学校の設立に寄与しました。よく聞かされたピアソンの言葉があります。「お互いが知ることなしに、お互いが理解することなしにどうして平和があり得るのか?人間がお互いから断絶されたら、お互いに学び合うことが許されなかったら協調的共生関係などはあり得ない。」
 二人に共通しているのはキーワードとして「相互理解」だと思います。これは言うは易し、行うは難し。私の留学生活から今までの人生は、この「相互理解」とは何なのかを自分自身に問うて、自分自身学んできたプロセスだと思っています。
 ここで自分の経験から相互理解を五つの項目にまとめました。一つは「自分を理解すること」。自分の国、自分の文化、言語などを理解することです。次は「ナショナリズムをわかること」。特に自分たちの国、民族、文化が他より優れていると思い、他の国を見下したりしないこと。もし見下したりする傾向があれば、それは戦争に繫がるとフルブライト氏も言っています。今の日本は政権も含めて、そのような傾向があると思うのでここで強調したいと思います。三つめは「歴史を学ぶこと」。四つめは「無知や気付きをおそれないこと」-今まで知らなかったことを知ることを恐れないこと。これは留学を通じて、人生を通じて大事なことだと思いました。 最後の五番目は「人と人の繫がり」です。
 2004年に私の住むバンクーバーで「バンクーバー九条の会」をつくる動きがスタートしました。当時、小泉政権下で憲法を変えようという動きがあったので、日本で評論家の加藤周一さん、ノーベル賞作家の大江健三郎さんら九人が集まって「九条の会」が始まりました。その後、全国に七千もあるという「九条の会」の横の繫がりをつくるという時に、バンクーバーにもつくろうという話があり、私も参加しました。
 その加藤周一さんに教わったことの一つに、留学や外国語学習に関することがあります。加藤さんは「外国語を学ぶのは政府のウソを見破るためだ」と断言されています。加藤さんは20世紀を生き抜いてきた方なので説得力があります。私も身を持って体験しました。福島原発事故の後は日本で箝口令が敷かれたように感じました。例えば福島第一原発3号機でプルサーマルという、プルトニウムの入った燃料が使われていたことは日本のメディアではほとんど報道されていないのに、海外ではたくさん報道されていたことなどです。一つの言語の中で暮らしていると、どんなウソをつかれているか判らないから、外国語を勉強する、留学するのは大切なのです。でも、このことをある留学セミナーで言ったら、それ以降お呼びがかかりませんでした(笑)。今日のセミナーでも問題発言してしまうかも知れませんが、また呼ばれることはないでしょうから・・・(笑)。早川さんからも「好きなこと言って良いですよ」と言っていただいたので正直に行きたいと思います。
 ここで憲法九条に関連するフルブライト氏の発言を先ほどの回顧録から引用して紹介します。 
 「日本は第二次大戦の教訓を生かすことでは最優秀の国であり、国民の勤勉さ、謙虚さは賞賛されて当然だ。日本人は教育の重要性をよく理解し、きわめて見事にみずからを律してきた。とりわけ日本ほどの大国が政治目標として非武装、非軍事国家に徹する姿勢を守って来たことは他に類例がなく、世界史的にみても、今日、非常に意義が大きい。
 米国は今回の湾岸戦争でも大国の傲慢ぶりを見せつけた。ブッシュ大統領は戦争を起こしたことを責められるべきなのだが、政府も国民も一緒になって勝利に酔い、ますます強いアメリカにおごりたかぶっている。困ったことだし、危険なことだと私は思っている。その点、日本人がわれわれ米国人に非武装、非軍事の意義を教え、戦争を避けるように説得してくれたらありがたい。車や電気製品に限らず、米国が日本から学ぶべきことはまだ実に多い、というのが私の実感だ。」 
 バンクーバー九条の会として2006年に世界平和フォーラムというのに参加した時に出会いがありました。立命館大学の藤岡惇先生です。
そしてその年以降、藤岡先生が引率していた、広島、長崎に日米始め世界各国の学生を連れて行く歴史学習の旅の講師やガイド、コーディネーターをしています。さきほど歴史の見方の話をしましたが、このツアーではそのことが良くわかるのです。
 日本の学生は原爆投下はいけないことだったとすぐ言えるのですが、米国では違います。原爆神話というのがありまして、原爆のお陰で戦争が終わったと。戦争が終わったおかげで米兵が日本本土で戦争して死なないで済んだ。すなわち、原爆は人の命を救った。このように原爆投下の正当性を信じている人が少なくないのですが、そのような米国人がいることに日本人は寝耳に水なのです。また、原爆神話を信じていた米人学生は広島、長崎を見てキノコ雲の下で実際に何が起きていたかを知って驚くのです。また中国、韓国やフィリピンなど、日本から占領されて被害を受けた国の学生には、原爆は戦争を終わらせて自分たちを解放してくれたと思っている人も多く、これが日本の学生にとってはまた考えもつかなかったことです。このように、さまざまな背景を持つ学生たちが広島、長崎に来て、「国対国」を超えて歴史を共に見つめます。
 このツアーで被爆体験を描いた漫画『はだしのゲン』の原作者・中沢啓治さんにお会いしお話をうかがったことがあります。中沢さんが話したことで印象に残っている言葉があります。
「ここまでの体験をして、これだけの悲惨な思いをして、これだけの犠牲を払って、どうして九条を捨てようとするのか。その気持ちがわからない」
 先ほど、早川さんがフルブライト奨学金は原爆投下がきっかけになって生まれたと話されました。私もフルブライトのウェブサイトを見て、そうなのか、米国人として原爆に罪の意識を持ち、その罪滅ぼしか、もしくは米国を嫌いになってもらっては困ると思って奨学金を作ったのかと勝手に想像したのですけど、違っていました。回顧録の中でこう書いているのを読んで感動しました。 
 「当時も今も、私は原爆の使用は間違いであり、われわれの力を示すのにもっと破壊的でない方法をとるべきだったと固く信じている。原爆を使わなくても終戦間近だったのだから。これでアメリカは一般都市に原爆を落とした唯一の国という重荷を背負う事になったと思う。
 同時に、この原爆の惨禍が、私に交換留学生計画の提案を決意させる直接の原因となった。各国ともお互いの国民が対立しあうことのないよう、心の結びつきをつくり、育てていかなければならない。世界中の人たちがお互いをもっとよく知り合えば、敵対して殺し合う事も、原爆まで使って相手を壊滅させようなどと思う事もなくなるのではないかというのが発想の起点だった。
 われわれはともすれば外国人を自分たちと同じ人間としてではなく、何やら下等で野蛮な動物のように見なしがちだ。(中略)たとえば、中国人たちはしばしば黒アリと呼ばれた。おそらく彼らが昔から黒い作業服を着ていたためなのだろうが。
 そんな他国民を見下ろす姿勢が、相手に何をしても構わない、という傲慢さを生む。今度の湾岸戦争でも、イラクを効果的に叩くのに核兵器、生化学兵器を使うべきだ、という意見が新聞に何度か登場するのを見て、とんでもないことだと思った。
 もし外国人社会に住んでみれば、周囲の人たちの優しさ、豊かな人間性にふれて、決して彼らを下等動物と見なすことはできないはずだ。自分たちの国、人種だけが世界で最も優秀だ、などという唯我独尊的な思い上がりはなくなるはずだし、なくさなければならない。」 
 私はこれを読んで思いました。ここにいる皆さんは違うと思いますが、最近の日本から聞こえてくる言葉は、特に中国や韓国に対する言葉ですね。中国の期限切れ加工肉事件があると、やはり中国の食品は汚いとか。一つの事件で中国全体を見てしまう、一般化してしまう表現がみえます。これは問題だと思います。
 日本で本屋さんに行くと、中国人や韓国人のことをものすごく悪く言う本が平積みになっています。これを見てものすごくショックでした。これが自分の出身の国なのかという恥ずかしい思いです。こうした風潮が日本の帝国主義的侵略、悲惨な結果の戦争を生み出したのです。
 加藤周一さんは言っています。若い人たちは日本が過去にやったことに責任はない。生まれていませんでしたから。しかし、いま起こっていることには責任がある。今、起きていることと過去に起きたこととの関連を見極める責任があると。
 南京大虐殺を始めとする、他の民族の人たちを見下してやったおぞましい犯罪の数々、それを生んだような心理状態、そういう差別意識が今の日本社会にないだろうか?それを調べて、なくしていくことが今の人たちの責任である、と加藤周一さんは言っていたのです。今、紹介したフルブライト氏の言葉とも通じるものがあります。私は海外に住む日本人として、この言葉こそ、いま日本に一番伝えたいことです。



(社説)沖縄冷遇 政府対応は大人げない by limitlesslife
December 31, 2014, 12:55 pm
Filed under: アベノミス, 辺野古, 沖縄

2014年12月31日05時00分

 あまりにもこわばった政府の対応ではないか。

11月の沖縄県知事選で当選した翁長雄志(おながたけし)知事が先週、就任あいさつで東京に出かけた。ところが、沖縄関連の閣僚との面会はほとんど実現しなかった。

新内閣発足直後の慌ただしい時期であることに配慮し、翁長知事は「名刺だけでも」と日程調整を試みたが、安倍首相岸田外相、中谷防衛相だけでなく、沖縄基地負担軽減担当でもある菅官房長官にも会えずじまい。山口沖縄担当相だけが応じた。菅氏は記者会見で「年内はお会いするつもりはない」とまで言い切った。

地元では「沖縄を冷遇」と大きく報じられ、県民の怒りを買っている。

翁長知事は政府の方針に反対し、米軍普天間飛行場宜野湾市)の名護市辺野古への移設阻止を訴えて当選した。保守系の翁長氏が移設反対に回った沖縄の現実を、政府は直視する必要がある。むしろ何を置いても政府側が新知事に理解を求めに出かけるのが筋だろう。政府の対応は大人げない。

さらに政府は沖縄振興予算の減額まで検討し始めた。地元の反発は増幅するばかりだ。

昨年のクリスマス、首相官邸で安倍首相菅官房長官が当時の知事、仲井真弘多(なかいまひろかず)氏に概算要求を上回る3500億円の予算などを約束した。仲井真氏が移設に伴う埋め立てを承認したのは、その直後だった。

あれから1年。政府の態度は冷たく一変したのである。

政府は、基地問題と振興策はリンクしないと説明し続けてきたはずだ。移設容認の見返りに振興予算を使ったと、自ら示したようなものではないか。

安倍首相は「沖縄に寄り添う」と言ってきた。ならば、振興予算を取引材料にするようなやり方はやめ、沖縄との対話の道を探るべきだ。「辺野古移設しかない」という政府の理屈には、沖縄県民の多くが強い疑念を抱いている。だからこそ、説明と対話が不可欠だ。

知事選後の衆院選でも、沖縄の4小選挙区とも辺野古移設反対派が制した。こうした民意を背負った翁長知事に対する一連の政府の対応は、知事を容認に転向させる揺さぶりとみられるが、逆効果しかないだろう。

26日深夜、沖縄に戻った翁長氏を励まそうと、80人近い県民や議員が那覇空港ロビーで出迎えた。そこにいた名護市民の男性が言った。「こんな仕打ちを受けると、ますます沖縄と政府の溝が深まる」。政府にぜひ、この声を受け止めてほしい。



(社説)税制改革 「再分配」は置き去りか by limitlesslife
December 31, 2014, 12:53 pm
Filed under: 税金

2014年12月31日05時00分

 民間主導の自律的な経済成長は、アベノミクスの恩恵を受けた一部の家庭と企業が消費や投資を増やすだけでは難しい。偏る富を広く行き渡らせ、全体を底上げするために、税制の「再分配」機能を生かす視点が欠かせない。

そう考えると、政府・与党が決めた税制改革には疑問符をつけざるをえない。

まず、贈与税の非課税枠の拡大だ。

13年度に創設され、「孫への贈与」と話題になった教育資金贈与の期限の延長に加え、結婚や出産、子育て向けの新たな非課税枠を設ける。住宅資金用の特別枠も大幅に広げるという。

社会の一線を退きつつある世代がため込んだ資産を、何かと物入りな現役世代に移せば、消費を増やし、足元の経済の活性化にはつながるだろう。

しかし、こんな富の移転では豊かな家族とそうでない家族の差は広がる。国民全体を支える政策の財源を確保するという税本来の目的にもそぐわない。

企業への課税も心配だ。

安倍首相の強い意向を受けて、企業の利益に課税する法人税(国税)を中心に実効税率を2・5%強、1兆円規模で減税する。それをある程度穴埋めするため、法人事業税地方税)の外形標準課税を強化する。

外形標準課税は、利益ではなく人件費の総額や資本金など「企業の大きさ」に基づいて負担を求める仕組みだ。現在は全法人の1%、資本金1億円超の企業が対象だ。赤字でも税金を納めることになるため、赤字法人課税と言われる税制である。

今回の改革では、対象は広げずに外形課税を強める。法人税の減税と合わせれば、利益を出している企業の負担は軽くなり、稼げていない企業は負担増となる。

企業にも、社会の一員として損益にかかわらず負担を求めることは必要だ。ただ、来春の統一地方選を意識して中小企業への適用拡大が検討すらされないなど、全体像を欠いた小手先改革の感が強い。

足元では、輸出型製造業など一部の大企業に利益が偏っていることが課題なのに、それを助長することにならないか。

安倍政権は、減税によって経済を活性化させようとする姿勢が強い。しかし、持てる家庭や企業からしっかり税金をとり、さらには予算編成を通じて、再分配を意識した政策運営を心がけることも大切だ。

それが国民の暮らしを支え、経済全体を成長させるのではないか。