毎日新聞 2014年12月02日 22時56分
総務省は2日、衆院選公示日の選挙人名簿登録者数を発表した。295の小選挙区のうち、有権者が最も少ない宮城5区(23万1668人)と最も多い東京1区(49万5724人)の「1票の格差」は2.140倍で、前回2012年衆院選の最大2.428倍より縮小した。ただ、最高裁判決などで「目安」とされる2倍は下回らず、事実上の「違憲状態」が解消されないままの選挙戦となる。
格差が2倍を超えたのは13選挙区。今回から「0増5減」の格差是正が適用されたため、前回の72選挙区より大幅に減った。都道府県別では東京都の8選挙区が最多で、埼玉県の2選挙区と北海道、神奈川、兵庫の各1選挙区となった。
「0増5減」は、1票の格差を違憲状態とした11年の最高裁判決を受けた緊急措置で、12年の衆院解散当日に成立した選挙制度改革関連法などで実現した。10年の国勢調査に基づく計算では最大格差は1.998倍とわずかに2倍を下回ったが、今年1月現在の住民基本台帳に基づけば、すでに2.109倍まで拡大していた。
与野党の選挙制度改革協議は難航しており、今年9月には衆院議長の下に有識者による諮問機関「衆議院選挙制度に関する調査会」が発足。格差の抜本解消策も盛り込んだ答申を来年の通常国会中にまとめることを目指している。【木下訓明】