毎日新聞 2014年12月26日 東京朝刊
新旧防衛相による事務引き継ぎが25日、防衛省で行われた。「政治とカネ」の問題が国会審議に影響することを理由に再任を固辞した江渡聡徳前防衛相は、後任の中谷元防衛相に対し「これからいろいろ大変ですが、ご迷惑かけてすみません」と謝罪したが、自身の固辞の理由については一切語らないまま、同省を後にした。
江渡氏は引き継ぎに先立つ同省の離任式でも「4カ月足らずの短い期間でしたが大過なく務めることができた」などと述べただけ。安倍晋三首相は24日の記者会見で、江渡氏について「法案審議に遅滞をもたらすことのないようにと強い辞意があった」と説明したが、江渡氏自身は同日、記者団に「コメントする立場にない」などとの説明に終始していた。
一方、中谷氏は25日の着任式で「自衛隊は大きな時代の節目にある。国民の大きな期待の中で確実に任務を遂行できるように、たくましく質の高い組織を目指したい」と訓示した。【飼手勇介】