秘密保護法で大きな権限持つ内閣情報官/法案作成過程

しんぶん赤旗のこの記事にコメントを寄せている中谷雄二弁護士から、「秘密保全法に反対する愛知の会」のMLに投稿されたもの。
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中谷です。

昨日の赤旗新聞の1面トップ記事で、
秘密保護法で大きな権限持つ内閣情報官
「何をやるのか」「やっていいのか」 法制局内で懸念
という記事が掲載されました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-12-28/2014122801_01_1.html

 私のコメントも載っていますが、これは、赤旗新聞が内閣法制局
から情報開示請求によって、2013年9月3日~法案上程直前ま
での内閣法制局における法案を検討した文書を入手し、私に分析依
頼があり、分析したものです。
時期がパブリックコメントを募集していた時期と重なり、そのこ
ともあってか、たった1か月で法案が大きく変わったことがわかり
ます。
手書きの書き込みで特に目を引いたのが、昨日の記事に掲載され
た法案の付則に置かれた内閣法の改正に関する条文です。何気なく
見過ごしそうな組織法の改正に内閣法制局の担当官が手書きで、「何
をやるのか」「そういうものを情報官がやっていいのか」と書かれて
いるのです。尋常でない書き込みだと気づき、内閣情報官の本来の任
務と新たに改正された条文を見て、この書き込みの意味が分かりまし
た。内閣情報官は、内閣情報室のトップとして、情報の収集調査にあ
たることを任務とします。国家安全保障会議に情報を収集し、伝える
のも内閣情報官の役目です。この内閣情報官に秘密保護法に関する企
画・立案・調整の権限まで与えるというのが、改正法の意味です。
安倍首相は、臨時国会での質疑で集団的自衛権行使の前提となる情
報が特定秘密と指定されることを認めました。その情報は内閣情報官
が収集し、国家安全保障会議に伝える情報です。その情報を特定秘密
として指定し、その秘密を保護する方策の企画・立案・調整等の権限
を握るのです。戦争するかどうかという国民にとってもっとも重要な
情報を内閣情報調査室のトップが外交・安全保障に関する国の方針を
決める国家安全保障会議に伝え、漏らさない体制づくりも担うという
のですから、情報独占が起こることが予想できます。果ては、情報操
作の恐れすらあるというのが、私のコメントの意味です。
そして、このことを内閣法制局の担当官が感じ、懸念を表明してい
ました。時期はまさにパブリックコメントにより、国民から秘密保護
法についての危険性を指摘する大きな声が寄せられている2013年
9月13日です。私は、一人の法律家の懸念の表明であるとともに国
民の反対の声が大きく盛り上がることによって、危機感を募らせてい
た担当官に懸念を表明させたのだと考えています。

2014年12月29日
中谷雄二

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近藤 ゆり子  k-yuriko@octn.jp

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Categories 秘密保護法

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