紅林進です。
既に募集が締め切られた廃炉会計パブコメですが、私は廃炉費用等を託送料金に上乗せして、電力小売自由化後も、原発によらない
電気の購入を選択した人々からも原発による廃炉費用等を負担させることの問題性に絞ってパブコメを出しました。国として原発をやめ
ると決めた後であれば、廃炉費用をある程度、国民負担することもやむをえないと思いますが、原発を稼動し続けることを前提にした、
廃炉費用等の託送料金上乗せは、原発の延命策(新炉建設をも含めた)でしかなく、廃炉費用等を含めると高額の原発のコストを過小
評価させ、電力小売自由化後の再生可能エネルギー等他の電源との価格競争で、原発を不当に有利にするものです。
提出内容
受付番号 | 201502210000331540 |
提出日時 | 2015年02月21日01時48分 |
案件番号 | 620115002 |
案件名 | 「電気事業会計規則等の一部を改正する省令について(案)」及び「原発依存度低減に向けて廃炉を円滑に進めるための会計関連制度について(案)」に対する意見募集について |
所管府省・部局名等 | 資源エネルギー庁電力・ガス事業部 政策課 TEL:03-3501-1746 電力市場整備課 TEL:03-3501-1748 原子力政策課 TEL:03-3501-1991 |
意見・情報受付開始日 | 2015年01月23日 |
意見・情報受付締切日 | 2015年02月22日 |
郵便番号 | – |
住所 | |
氏名 | 紅林進 |
連絡先電話番号 | — |
連絡先メールアドレス | qurbys@yahoo.co.jp |
提出意見 | 原発の廃炉費用等の原子力発電による負債を、託送料金一般に加算して回収するということは、電力の自由化に伴い、原発によらない電気の購入を選択した消費者に、原発の電源の費用を負担をさせるということであり、筋が通らない。電源間の自由・公平な競争にも反する。原発を作り、使えば、当然、使用済み核燃料・放射性廃棄物が発生し、その処理費用や廃炉費用も必要になるのだから、原発をやめるという決断(それをした上であれば、国民負担で処理するということも考えられるが)をせずに、それを今後も使用し続けるのであれば、その選択をした人々がその費用を負担すべきである。こうした誤った会計処理の仕方が、使用済み核燃料の処理や廃炉費用等を含める と、実は非常に高コストな発電である原子力発電の費用を過小評価させ、その経済性を国民・消費者に誤って認識させることになる。 |
—– Original Message —–
From:
To:Date: 2015/2/22, Sun 05:01
Subject: [東電を考える会:1062] 廃炉会計パブコメ提出
堀江鉄雄です。重複ご容赦ください。転送、ご利用可です。会計規則のパブコメ提出しました。家のパソコンの具合が悪く遅くなり済みません。今日、23時59分までですので、ご利用できるところがあれば利用してください。回答あるいは説明をさせるために質問形式にしてみました。「原発依存度低減に向けて廃炉を円滑に進めるための会計関連制度について(案)」1 改正趣旨について:「原発依存度低減に向けて廃炉を円滑に進めるため」に何故、会計規則の見直しが必要なのか。円滑に廃炉が出来ない原因を「巨額の損失が一括して生じる制度では事業が成り立たない(廃炉もできな い)」(p2)として会計制度だとしている。しかし、一括処理については、一般企業会計としても何ら問題のないものではないのか。一括処理は、「発電に供しないもの」の処理で基本的会計ルールではないのか。電力会社の財務悪化の原因は、引当の仕方、減価償却の仕方だというのか。2 一括処理できないのは電力会社の責任:解体引当金の引当不足は、稼働率76%、40年間運転、発電量比例の引当という設計・見積違いであって、経営判断の誤りであり電力会社の自己責任ではないのか。簿価残は、事故・故障のメーカー責任、事業計画ないし保険で担保しなかった電力会社の責任ではないのか。それを会計ルールが悪いとして変更するのは筋違いではないのか。3 電力会社が円滑に廃炉をできないのは、その財務状況によるものではないのか。財務状況悪化の原因は、東電福島事故による原発の停止にあるのではないのか。事故原因は、東電タスクホースで反省している様に「稼働率を経営課題にしたこと」である。津波の試算をしながら防波堤の建設には、金と時間(原発停止の可能性)が掛かるとして(原発の停止により、多額な固定費から電力会社は赤字になることを現状が証明している)、東電は安全性よりも目先の営利を選択することで、結果的には多大な賠償・損失を抱える破たん企業となったのではないのか。原子力事業は、一発で破たんする経営及び事業リスクのあることを証明した。したがって、安全確保のための投資を惜しむわけには行かない。電力会社の財務状況の悪化を「巨額の損失が一括して生じる制度では事業が成り立たない(廃炉もできない)」として、会計制度を原因とするのは認識違いではないのか。原子力事業には経営及び事業リスクがあり、それによって財務は悪化しているのだから原子力事業からの撤退(低減)の方策を論議すべきではないのか。会計規則を財務悪化の原因とするのは、本末転倒、お門違いである。会計規則を変えることで原子力事業の危険性、経営及び事業リスクはヘッジされるのか。「事業が成り立たない」のだから原子力事業から撤退するべきではないのか。4 11年からの電気事業会計規則の改正:11年支援機構法に伴う会計規則の見直しは、東電の損害賠償のための「交付金(現9兆円)」を返済義務なしとして、「特別利益」計上させて東電の「債務超過」を回避させた。一方では返済義務なしとしながら、支援機構への「一般負担金」と「特別負担金」(共に経費計上)で返済している。損害賠償責任は東電にあるにも拘わらず、他電力を含む消費者の電気料金から返済している。東電の損害賠償債務を「先送り」して「消費者に負担」させている。一昨年、今回の会計規則の改正でも、本来は電力会社の「事業者責任」であり電力会社が負担するべき負債を「先送り」して「消費者に負担」させるという同様の手法を使っている。この手法は、電力会社の「救済」に他ならないのではないのか。5 会計規則を変えることで、電力会社の負債を消費者への負担にして電力会社を救済している。電力会社を救済することで、ステークホルダーである株主、金融機関、メーカー、ゼネコン、関連会社などの受益者責任は全く問われないことに問題ないのか。何故、末端受益者である消費者だけが負担をしなければならないのか。6 一括除却資産の原子力廃止関連仮勘定への計上:これまでの一括除却は、「発電に供しない」資産の残存簿価を除却するものであった。ところが今回の改正は、会計規則としては「資産」として認められないので「除却すべき資産」と費用を、「原子力廃止関連仮勘定」という資産に計上するという会計原則に反する改正をしようとしているのではないのか。「建設仮勘定」は、施設建設時にその資産を膨らます(総括原価方式では資産の約3%を利益枠)ために、費用の人工なども含ませて計上している。その仮勘定の手法が使われている。これまた、負債の先送りと消費者負担の方策でもある。これもまた電力会社の救済ではないのか。7 「発電と廃炉は一体の事業である」(p5)は、どういう意味か。原子力発電事業には、廃炉処理もあれば廃棄物処理もある。これらは発電に係る費用であり、発電コストになるものである。だからこそ解体引当金、バックエンド費用としての再処理引当金などがある。また、事故対応としての保険、損害賠償としての損害賠償保険はある。これを後から(事故が起きてから)積立不足、引当不足、保険金不足などと言い出しても、それは「事業者責任」であって消費者の責任ではないのではないか。だから今こそ会計規則の見直しではなく、原子力発電の発電コストを積算、見積・試算し原子力事業の危険性と採算性を見直しするべきではないのか。電力会社の責任に帰するものを消費者に負担させるのは筋違いではないのか。電力会社が負担するべきではないのか。8 総括原価方式から託送料金へ:これまでの会計規則改正は、電力会社の負債を先送りして電力会社の破たんを回避させ、その負債を消費者に負担させるためのものではなのか。それを可能にしているのが総括原価方式であり、その総括原価方式に代わるものが、原子力の負債の託送料金への繰入ではないのか。託送料金に原子力の負債を繰入ることになれば、電力自由化といっても消費者は発電源及び発電事業者を選択する自由の意味は無くなる。再エネ事業者を選んでも電力会社及び原発を支えることになる。また、再エネ事業者は事業意欲を失うことになるのではないか。「原発依存度低減のため」として、具体的な廃炉名を挙げている関電の高浜1・2号は再稼働のための申請をしている。低減どころか会計規則の改正は、電力会社の責任である原子力の負債を消費者に負担させ、電力会社の救済と原子力の延命と原発の新設をもさせることになるのではないのか。