東日本大震災からの復興に、国はどう向き合っていくのか。

15年度まで5年間の「集中復興期間」に続き、16年度からの5年間について、安倍首相は新たな枠組みを設ける考えを表明した。焦点は、その間の事業の財源である。

政府は15年度までの分として26兆円余を確保済みだ。将来世代にツケを回すまいと、25年間に及ぶ所得税の特別増税や2年間実施した法人特別増税、資産の売却などで財源をつくる。

高台での住宅建設をはじめ、計画より遅れ気味の事業は少なくない。状況の変化を受けて見直したり、中止したりする事業がどれほどあるのか、現時点では見通せない。一方、岩手と宮城、福島3県の見積もりでは、さらに8兆円余が必要になるという。

震災復興事業は国が全額を負担してきた。16年度以降は事業によって被災自治体にも拠出を求める考えを竹下復興相は示している。借金が1千兆円超という国の財政難が理由だろう。

確かに、自治体側の負担がないことが過大な事業計画につながった例もある。ただ、被災地の復興は、政府や与野党が「最優先の課題」などと強調してきた問題だ。

国と被災自治体の負担割合の見直しの前に、まずは復興事業を改めて点検し、有効な事業か、無駄遣いはないかを検証することが先ではないか。

復興の名を借りて被災地以外での事業に予算を使う「流用」が広がっていたことは記憶に新しい。厳しい批判と徹底調査を求める大合唱となったが、流用はなくなったのか。

復興事業の中心である公共工事では、業者による談合がしばしばささやかれる。復興を急ごうと事業のスピードを重視する様々な特例措置がとられているだけに、公正取引委員会はしっかりと目を光らせてほしい。

震災直後の11年度から13年度までに計上された復興予算の執行状況を会計検査院が調べたところ、「基金」として積み立てられた予算の6割が使われていなかった。

通常の予算ではその年度のうちに使い切ろうとしがちなのに対し、長期間にわたって支出できるのが基金の利点だ。ただ、その分チェックも甘くなりやすい。当分使うあてのない基金は国に返納を求め、新たな復興財源に充てていくべきだ。

しっかりと監視し、点検して、結果を公開する。状況に合わせて柔軟に見直す。復興予算が突きつける課題は、国や地方の予算全体に通じる。