内田樹・白井聡『日本戦後史論』

Inbox
x

大塚要治 yohtsuka@sf7.so-net.ne.jp via post.freeml.com 

10:09 AM (2 hours ago)

to uniting-peace
実に言い得て妙です。
大塚要治拝
白井 なるほど。私の印象では、そうした人格乖離は第二次政権になってから顕著になったような気がします。かつ、それは多分、今回の政権運営のうまさと表裏一体を成している。永続敗戦レジームの矛盾が大きくなりすぎてしまったから、生身の人間にはもうこれを運営することはできないのでしょう。
それにしても不思議なのは、安倍首相がお父さんの晋太郎さんの話をまったくしないことです。おじいちゃんの岸信介の話ばかりする。たぶん晋三から見て、晋太郎の政治家としてのスタンスは全然男らしくないと映るんでしょう。じいちゃんは本物の男だった、それを受け継ぐんだということなのでしょう。ところが、戦に強いということを誇りにはできない、もう男になれないというのは、戦後日本の所与の条件なんですよね。軍事的にインポテンツであることを運命づけられている。
それで、インポ・マッチョというのがいちばん性質が悪い。自分がインポであるということを何がなんでも否定する。それが敗戦の否認ということの言い換えなのですが。そういう人間は首尾一貫しないことをやる。対米関係において赤裸々に表れます。アメリカこそ、日本を去勢した相手にほかならない。だから、彼らの憲法への態度は、非常にねじくれたものになります。今回の集団的自衛権の行使容認の問題にしても、アメリカが二〇年来要求し続けてきたことですよね。それに従ったという話であって、またしてもアメリカの言いなりです。ところが、これを自主性の回復だと言いくるめる。安倍さんの憲法に関する最近の発発言を見ていて気持ち悪いのは、憲法が大嫌いなくせに褒めることです。「解釈改憲をすることによって、憲法九条の平和主義の精神をより一層実現することができるんだ」などと言うわけですよね。実に気持ち悪い。ほんとうは日本国憲法なんて大嫌いなはずのくせに、「憲法の精神はすばらしい」というようなこと言っている。これは憲法に対するレイプですよ。なんでそういうレイプをしたいのかというと、憲法はアメリカの置き土産なわけですから、アメリカの分身ですよね。そのアメリカの分身をアメリカの命令によってレイプするという奇妙奇天烈な状況にある。世界最強の軍隊の活動に自衛隊を差し出せば世界最強軍団の一部になれるってわけです。これはつまり、アメリカというバイアグラを飲んで無理矢理勃たせるということです。そういえば、バイアグラを作っているファイザー製薬もアメリカの会社でしたね。
初期の大江健三郎や石原慎太郎の文学的モチーフ、あそこに渦巻いているまがまがしい政治的かつリビドー的な欲望が、大文字の政治におけるプロジェクとして打ち出されてきているという怖さがあります。
(内田樹・白井聡『日本戦後史論』)

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s

%d bloggers like this:
search previous next tag category expand menu location phone mail time cart zoom edit close