ローマ法王:原発は「バベルの塔」懸念 文明のひずみ指摘

毎日新聞 2015年03月22日 東京朝刊

 【ローマ福島良典】フランシスコ・ローマ法王は20日、バチカン(ローマ法王庁)を公式訪問した日本の司教団と会見。東日本大震災の福島第1原発事故に関連し、人間のおごりと現代文明のひずみの一例として原発の開発に警鐘を鳴らした。法王が原発の安全性に言及するのは異例。

バチカンは会見の詳細を発表していないが、日本司教団によると、法王は「人間は神の定めた自然のおきてに逆らってはいけない」と指摘。原発を旧約聖書の「バベルの塔」になぞらえ「天に届く塔を造ろうとして、自らの破滅を招こうとしている」と表現し、「人間が主人公になって自然を破壊した結果の一つ」と述べたという。法王は「原発廃止」や「脱原発」には言及していないが、現代文明の抱える課題として懸念を表明した形だ。

また、法王は広島、長崎への原爆投下と第二次世界大戦終結から70年を迎えることに触れ、核兵器製造を「人類の悪行」と非難したという。日本司教団は法王が日本に向けた平和のメッセージを発表するよう依頼した。

法王は禁教下に信仰を死守した潜伏キリシタンを「指針」とたたえた。キリシタン大名の高山右近(1552〜1615)がカトリックで「聖人」に次ぐ「福者」に認定される見通しで、法王は来年、日本で予定される列福式に「可能なら行きたい」と述べたという。

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