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2015年4月10日
今回の会合で異次元緩和策に異議を唱えたのは、野村証券出身の木内登英・審議委員だ。日銀は昨年10月末の追加緩和で、長期国債の買い増しペースを年間50兆円から80兆円への拡大を決めた際、木内氏は反対票を投じていた。ついに今回は買い増しペースを45兆円に縮小するよう提案。異次元緩和の継続に反旗を翻したのである。
木内氏は先月5日に前橋市で開いた金融経済懇談会後の会見でも、追加緩和は「効果よりも副作用の方が多い」「いずれ金融機関から国債を買い入れることができなくなるリスクがある」と切り捨てていた。
実際、異次元緩和のスタートから丸2年。日銀のもくろみ通りに景気が回復する兆しはチットモ見えない。緩和策がもたらした円安による輸入物価高騰の副作用で、消費は冷え切ったまま。昨年度の新車販売台数は前年度比6.9%のマイナス。矢野経済研究所の予測によると、今年の住宅着工戸数は前年比1.2%減、スーパー売り上げも3.8%減だ。
今こそ日銀は、失敗に終わった政策の転換を図るべきなのに、黒田総裁以下、他の審議委員は木内委員の提案を反対多数で否決。見直しの芽を摘み取ってしまった。それも日銀の「政策決定会合」とは名ばかりで、デキレースに過ぎないのなら、ムリはないのかも知れない。
日銀の広報担当者は、「31日に公表された総裁の公務日程はない。公表している日程以外はお答えできない」と言うが、1週間後に政策決定会合を控え、何を話し合ったのかとさまざまな臆測を呼んだ。
“火の無い所に”じゃないが、こんな情報が出てくること自体、黒田日銀が中央銀行の独立性を捨て、安倍政権の言いなりになっていることを暗示している。
「安倍政権内は今なお、金融政策だけで国内需要は喚起できると思い込んでいるようです。財政を出動しなければ借金も増えないという気楽な発想でしょうが、“タダより高いものはない”。木内委員の言うように国債市場が機能不全に陥るだけでなく、いずれ国際社会に『財政ファイナンス』とみなされ、国債暴落リスクは高まっていく。いつまで黒田総裁は政権の意向に従うつもりなのか」(斎藤満氏=前出)
野党は国会に木内委員を呼んで、堂々とアベノミクスを批判させた方がいい。
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