アベノミクスで経済が破壊されても真相は報じられない理由

 黒田日銀による「異次元の金融緩和」がスタートしてから2年が過ぎたが、どの世論調査を見ても「景気回復の実感がない」が8割に達している。日銀は通貨供給量を150兆円から300兆円へ膨らませたが、実際に世の中に出回るカネは60兆円しか増えていない。カネやモノの流れは生まれず、デフレ不況はビクとも動かない。

もはや、アベノミクスが失敗に終わったことは、ハッキリしている。庶民生活は苦しくなる一方だ。急激な円安は輸入コスト増をもたらし、中小企業を直撃。労働者の実質賃金は23カ月連続マイナスがつづいている。

ところが、これだけ日本経済がガタガタに破壊されているのに、どういうわけか大手メディアは真相を伝えようとしない。その理由は明らかだ。ボロ儲けしている連中がアベノミクスの継続を望み、大手メディアがそのおこぼれにあずかっているからだ。

「この2年間で株価は2倍になり、円安によって自動車などの輸出企業は空前の好決算を記録しています。大手メディアは、そうしたエスタブリッシュメントとばかり付き合っている。彼らの言うことをうのみにしてアベノミクスを評価している。なにより、アベノミクスで潤う大企業は、大手メディアにとっては広告スポンサーです。スポンサーが儲かれば広告収入も増える。アベノミクスの失敗を伝えようとしないのは当たり前です」(民間シンクタンク研究員)

筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)はこう言う。

「一昔前のメディアは、大企業よりも中小企業、経営者よりも労働者の立場に立っていました。でも、最近は常に経営側に立っている。安倍政権が“残業代ゼロ法案”など、労働者を苦しめる政策を進めても強く反対しない。大企業さえ儲かっていればいいと思っているとしか考えられません」

かくして、アベノミクスでは景気は回復しないという正常な見方は、巨大メディアの手によって潰されている。

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