Nスぺ「沖縄返還」が報じた安倍政権“対米従属”一辺倒の原点

 ヤラセ問題で大揺れのNHKが久々のスクープだ。9日放送されたNHKスペシャル「総理秘書官が見た沖縄返還~発掘資料が語る内幕~」。1972年に沖縄返還を実現した佐藤栄作元首相の秘書官が残した「極秘資料」をもとに、佐藤元首相が米国とやりとりした交渉経過の舞台裏を報じたのである。

沖縄返還交渉をめぐる詳細な資料を残していたのは、故・楠田實秘書官。当時の日米間で「密約」があったことは知られているが、政権の中枢にいた総理秘書官の「極秘記録」だけに衝撃だ。楠田秘書官は、佐藤元首相が米国の要人との会談で発した言葉などを細かく記録していたほか、在沖米軍基地の位置づけについて米国がどう考えていたのか――などを詳しくつづっていた。

とりわけ注目だったのは「核抜き本土並み返還」を求めていた佐藤元首相が米国に対し、「核の撤去」を求める代わり、「本土の基地活用」を提案していた事実だ。

さらに国会で「日米安保条約で日本が戦争に巻き込まれた経験はない」「今後もさような発展は実はない」と答弁しながら、米国に対しては「朝鮮半島で米軍が出なければならないような事件が起こった場合、日本がそれに巻き込まれるのは当たり前だ」と“二枚舌外交”を展開。日本が戦争に巻き込まれないどころか、巻き込まれる事態を容認した上で、忠誠を誓っていたのである。

このほか、那覇市内で行われた総理大臣歓迎式典で、佐藤元首相の原稿に米国が“横ヤリ”を入れ、〈極東における平和と安定のために沖縄がはたしている役割は極めて重要〉などの文言を盛り込むよう要請していたという。いやはや、これは間違いなく沖縄返還をめぐる日米交渉の詳細経過を記した「超ド級」の資料だ。外務省が持っていたら情報公開しても絶対出てこないシロモノだ。

それにしても、楠田資料を見る限り、米国は沖縄返還を求める日本政府を当時から強く締め付け、総理大臣の挨拶文にも口出ししていたワケだ。とても日本を主権国家扱いしていたとは思えないし、これが今の日本政府の沖縄米軍基地をめぐる「対米隷属」一辺倒の姿勢につながっていると言っていいだろう。普天間基地移設をめぐって沖縄県と政府の対立が激しさを増す中、NHKの放送を見た沖縄県民も、返還交渉をめぐる日本政府の「欺瞞」と米国の「恫喝姿勢」をあらためて実感したのではないか。元外交官の天木直人氏がこう言う。

「佐藤元首相は結局、米国に譲歩し、密約まで結んで米軍基地を許した上、その事実を国民に隠しました。許せることではありませんが、それほど米国の壁は厚かったのです。番組を見た国民や沖縄県民は少なくとも、そんな米国の強硬な姿勢に疑問を感じたでしょう。ただ、佐藤元首相は後に交渉を振り返り、後悔しています。ところが、今の安倍首相はどうでしょうか。普天間基地の問題でも、ひたすら米国に唯々諾々と従うだけ。番組を見た国民は『安倍政権は一体何をやっているのか』と怒りを感じたと思います」

NHKは繰り返し、放送した方がいい。

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