最後の週に入ったNPT再検討会議。新アジェンダ連合の頑張りにエール

皆さま

ニューヨークで開かれているNPT再検討会議はいよいよ最後の週に入って交渉の大
詰めを迎えています。
非公開会議が多いので十分な情報があるわけではありませんが、「新アジェンダ連
合」の予想に違わぬ頑張りに感動しています。
感覚的にではなくロジカルに積み上げてきたこれまでの外交に感銘を受けてきまし
たが、今回もまたその想いを強めています。
核軍縮を論じる主要委員会Iが非公開会議に入ってからも、新アジェンダ連合はほ
とんどの発言を文書化して公開しているので、それを通じて主要な論点の議論の推移
が推測できます。
このように文書公開する姿勢に、自信と迫力を感じさせるものがあります。
核軍縮のための「効果的措置」(第6条の言葉です)が「法的な枠組み」の確立な
しには有り得ないというのが、これまでのNPT会議を土台にして今会議にに臨んだ新
アジェンダ連合の戦略でした。今のところ、入口の議論に留まっていますが(どよう
な枠組みかの議論はまだない)、この議論を無視できないという点では、かなりいい
線で委員会の議論が推移しているように見えます。
その過程で、一つ着目したいのは、「核兵器の役割を相当程度に削減あるいは除去
することを目指して、軍事や安保政策を見直すことを、すべての関係国に求める」と
いう項目が最新の報告書に生き残っていることです。2010年合意では、これは核兵器
国にのみ要求されていたのですが、以後5年間の議論では日本やNATOも負うべき義務
として主張されてきました。今回は「すべての関係国」への要求となりました。北東
アジア非核兵器地帯という政策選択への重要な転換点になりうる文言です。
核兵器国や日本の抵抗が、文言の修正で着地するのか、どのような文言になるの
か、それとも合意が破綻するのか、22日の最後まで折衝が続くと思われます。

梅林宏道
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NPO法人ピースデポ特別顧問
長崎大学核兵器廃絶研究センター・客員教授
(ピースデポ事務所)
〒223-0062 横浜市港北区日吉本町1-30-27-4-1F
電話:045-563-5101 FAX:045-563-9907(事務所)
電子メール1:cxj15621@nifty.ne.jp
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MLホームページ: http://www.freeml.com/abolition-japan

Categories 核廃絶

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