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2015年5月22日
生中継で首相の答弁を聞いた茶の間も、開いた口がふさがらなかったのではないか。昨年6月以来、実に11カ月ぶりに国会で開かれた、20日の党首討論。1月に就任した民主党の岡田代表との初対決だったが、まともな議論にはならなかった。安倍首相が日本が戦争に巻き込まれるリスクについて真正面から答えようとせず、子供じみた論法を振り回したからである。戦争法案によって、自衛隊の後方支援の活動範囲は従来の「非戦闘地域に限る」という歯止めが外れる。武器・弾薬の提供や武装兵の輸送も解禁する。当然、補給路を断とうとする敵国にすれば、自衛隊は格好のターゲットとなる。誰がどう見たって隊員が命を落とす危険性は格段に増すわけで、岡田代表も「リスクは飛躍的に高まる。きちんと国民に説明して議論しよう」と迫ったが、さて安倍首相はどう答えたか。「安全が確保されている場所で後方支援をする」「支援部隊は重武装をしていない。戦闘に巻き込まれることがなるべくないような地域を選ぶのは当然」「戦闘が起こったら速やかに作業を中止、あるいは退避する」
とまあ、こんな調子で、とにかく“自衛隊が活動する場所は安全だ”という机上の空論を繰り返したのである。「戦闘が起こってから隊員が逃げたって、確実に背中から撃たれるだけでしょう。自衛隊のイラク派遣の際、小泉元首相は『自衛隊の活動している所は非戦闘地域だ』と言って国民をアキレさせましたが、その発言を彷彿させるデタラメ答弁です」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)■屁リクツで議論をウヤムヤに
一連の戦争法案では、自衛隊が集団的自衛権を行使する場所に制限が設けられていない。例えば米軍が相手国の領土で戦闘している場合、現地に赴かなければ集団的自衛権を行使できないからだろう。
そこで岡田代表は「行使する場所は相手国の領土・領海・領空に及ぶのか」と何度も確認したが、安倍首相は「一般に海外派兵は認められていない。外国の領土に上陸して、武力行使を行うことはない」と、こちらも現実論ではなく、原則論を繰り返すだけだった。
「切れ目ない安保法制」なんて言っているくせに、国会答弁では「想定外」を認めず、「戦争に巻き込まれることは絶対にない」というお題目を繰り返す。これじゃあ議論にもなりゃしない。改めて言うまでもないが、米軍の戦争に進んで「巻き込まれる」のが集団的自衛権の本質だ。「戦争に巻き込まれる」ことを想定して、議論しなければならないのに、安倍首相はそれを認めない。集団的自衛権が抑止力になって戦争は起こらないという一点張りだ。この日も「巻き込まれ論は1960年の安保改定時もあった。それが間違っていたことはもう歴史が証明している」という毎度の屁リクツを持ち出し、議論をウヤムヤにしたのである。
これだけインチキ答弁を連発すれば、議場からヤジが湧き起こって当然。そのヤジに安倍首相は「先ほどからウルサ過ぎ」「毎回毎回、騒がないで」「安住さん(民主党国対委員長代理)、注意して」といちいち反応し、最後は「我々が提出する法案についての説明は全く正しい。私は総理なのだから」と上から目線で開き直る始末だ。
「日本国民の安全のためでなく、米国のために自衛隊を差し出すのが、一連の戦争法案の“真相”です。国民に『本当のこと』を伝えれば、米国と約束した『夏までの法案成立』は不可能になる。だから、安倍首相はシラを切り通すしかないのでしょう」(金子勝氏)安倍首相がこの答弁で逃げ切れると思っているのだとしたら、大間違いだ。_____________________
コメント:「私が総理なのだから」「全く正しい」なら三権分立はいらない。「総理として海外派遣はしない」と言いたいのであろうが、「ペルシャ湾へ機雷掃海に出す」と矛盾するし、自国防衛に限るとされていた時でさえ海外派兵しているのに集団的自衛(戦争)や(自国)周辺事態を外して世界中何処でも戦争できるようにしたのだから戦争法案が法律になれば後は野となれであろう、まして本人が何時まで総理か判らない。
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