無職 本園明男(福岡県 65)

新たな安全保障法案に対して、憲法学者3人が「違憲」という見解を衆院憲法審査会で示したのは、学者としての尊厳と矜恃(きょうじ)を示した勇気ある発言だ。

そもそも、自衛隊の存在さえ憲法違反という憲法学者もいる。これまで政府は個別的自衛権の一環として自衛隊を位置づけることで、何とか整合性を保ってきたのが実情ではないか。それが、外国の軍隊と一緒に戦うということになれば、憲法違反であることは明々白々だと思う。

安倍政権は「平和」「安全」という言葉を並べ、事の本質をカムフラージュしているように映る。その矛盾は国会審議でも露呈しており、自民党推薦の長谷部恭男教授でさえ「憲法違反だ」と言わざるを得ない状況になっている。

民主党推薦の小林節教授は「仲間の国を助けるために海外に戦争に行くのは9条違反」と指摘した。維新の党推薦の笹田栄司教授も「(これまでの定義を)踏み越えてしまっており違憲だ」と述べている。

憲法学者の見解を無視してはならない。憲法違反の法律を作る恥ずかしい国が世界のどこにあるのか。