2015年6月9日05時00分
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新たな安全保障関連法案の国会審議をめぐり、与野党の攻防が激しさを増している。政府・与党は6月中の衆院通過を目指すが、安倍晋三首相のヤジや政府答弁に野党が反発し、衆院特別委員会での審議日程は与党の当初の見通しより遅れている。さらに、衆院憲法審査会で3人の憲法学者から法案は「憲法違反」と指弾され、審議の先行きは不透明だ。
「憲法違反と言われているのに、何事もなかったように審議が進むのはいかがなものか」
8日の衆院特別委員会の理事懇談会で、民主党の長妻昭・代表代行は、4日の憲法審査会で自民党が推薦した長谷部恭男・早大教授らが法案を「憲法違反」と指摘したことを取り上げた。10日の一般質疑に応じる条件として、長谷部氏らの指摘に対する「政府見解」を9日中に示すよう要求し、与党側は応じた。
特別委は当初、週3回(月、水、金)の審議で与野党が合意。しかし、安倍晋三首相が民主の辻元清美氏に「早く質問しろよ」などとヤジを飛ばした問題を契機に与野党の対立が激化。特別委が開けない日が目立つようになった。
自民の佐藤勉・国対委員長は衆院での審議時間の目安を「八十数時間」としてきた。24日の会期末までに衆院を通過させ、会期延長した上で参院でも同様の審議時間をかけ、7月中の成立を思い描いてきた。
だが、これまでの衆院特別委での審議時間は計28時間弱。仮に残りの日程がスムーズに進んだとしても、政府・与党が目標とする会期末の24日の時点で80時間に届かない計算となる。民主の長妻氏は「採決ありき、時間ありきで強行的にやるのは絶対ダメだ」と徹底審議を求める。
そんな中、自民、民主両党は維新の党に気を使う。通常、審議日程などの委員会運営は自民と民主の筆頭理事間で協議するが、維新の下地幹郎理事は「自・民・維」の3党での開催を求め、2党間の協議に割って入っている。
法案について、維新は「賛否は決めていない」としているが、これまでのところ、民主と共闘して与党を牽制(けんせい)している。
首相官邸は現段階で、関連法案を7月中に成立させる方針を崩していない。政府高官は「時間が来れば採決していい」と話し、一定の審議時間が過ぎれば、野党の反対があっても採決に踏み切る方針を示している。
ただ、野党各党が反対する中で強行採決に踏み切れば内閣支持率の低下は避けられず、政権へのダメージとなりかねない。今夏以降は、戦後70年の「安倍談話」の発表、九州電力川内原発の再稼働問題、沖縄・普天間飛行場の辺野古埋め立て工事などが控える。いずれも世論が割れるテーマだけに、政府・与党は採決のタイミングを慎重に計っている。(安倍龍太郎、石松恒)
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コメント:金の衣を脱げば裸のO様、人人目を覚ますとき!!! それとも後の祭り?!