2015年6月26日05時00分
安全保障関連法案をめぐり、自民党執行部が党内の異論封じへ引き締めを図っている。25日に予定されていたリベラル系議員の勉強会に「時期が悪い」と注文をつけ、結局、中止に。OB議員の批判にも神経をとがらせる。法案への国民の理解が広がらず、憲法学者から「違憲」と指摘された焦りからか、身内の動向にまで敏感になっている。
中止に追い込まれたのは、党内ハト派とされる「宏池会」(岸田派)の武井俊輔、無派閥の石崎徹両衆院議員らが立ち上げた「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」だ。漫画家の小林よしのり氏を招いて会合を開く予定だったが、2日前に急きょ中止が発表された。
小林氏は、自衛隊を軍隊と位置づけるべきだとの立場から改憲を主張。憲法解釈を変更して集団的自衛権を使えるようにした安倍晋三首相に批判的な立場だ。
複数の議員によると今月中旬、党幹部の一人が「分厚い保守政治の会」のメンバーに「安全保障関連法案への審議に影響がある」として法案成立まで会合を開かないよう求めたという。一方、メンバーには「党内の幅広い意見が消える」との声もあり、政治学者の御厨貴氏を呼ぶ予定だった次回の会合は、そのまま開くことを決めた。小林氏は朝日新聞の取材に「会合中止は国会が空転しているから、と説明されただけだ。執行部への抵抗勢力になるのが怖くなり、負けたんだと思う。自民は全体主義になっている」と語った。
23日の党幹部会議では「安保法制を批判するOB議員を黙らせるべきだ」「若手の教育をしっかりするべきだ」などの意見が出た。議員がテレビ番組に出演する際、幹事長室への報告を徹底することも確認。自民党中堅幹部の一人は「批判的なことを言ってはいかんという空気が、党内に陰に陽にある」と懸念する。
■審議難航、にじむ焦り
自民党執行部が安保関連法案への異論を抑えようとする背景には、法案に対する世論の理解が広がらない現状への焦りがある。
法案をめぐっては、衆院憲法審査会で3人の憲法学者が「違憲」と断じたことなどが響き審議が難航している。朝日新聞が20、21日に行った世論調査では、安保法案への賛否は「賛成」の29%に対し「反対」が53%。首相の国民への説明について「丁寧ではない」と答えた人は69%に上った。
安倍政権は、党内の異論や慎重論が拡大すると決定的なダメージになる、との懸念がある。谷垣禎一幹事長は側近議員に「若手の勉強会にはどういう意図があるのか。官邸が気にしているんだ」と漏らしていた。
しかし、異論は首相に近いはずの議員からも公然と出てきている。25日の岸田派の総会で、議員連盟「アベノミクスを成功させる会」の会長を務める山本幸三・元経済産業副大臣が苦言を呈した。「地元の経営者から『自民党支持をやめる。安倍政権の傲慢(ごうまん)なやり方は我慢できない』という手紙が来た。長期延長してごり押しするやり方が本当にいいのか疑問だ」
(笹川翔平)
〈+d〉デジタル版に小林よしのり氏の談話
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コメント:「決める時には決める」と衆議院で強行採決、参議院で通らなくても、60日後に再可決で憲法学者の99%が違憲をし国民の多数が反対する解釈壊憲の戦争法案を通し実質クーデター達成を目指すアベノミス・アベノクーを国民は阻止する憲法遵守の義務がある!!! 解釈壊憲・戦争法案に賛成議員の落選宣言・運動をし、強行採決の前に国・県・市町村で「オール日本」「オールx」の大集会・示威運動をしよう。