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2015年7月30日
「中国は防衛識別圏を設定し、領空のような扱いをしている」「中国の東シナ海におけるガス田開発のプラットホーム建設をどう見るか」
与党のトップバッターで質問に立った自民党の佐藤正久議員は、中国が南シナ海で進めている埋め立て工事の写真などを示しながら、執拗に政府側の認識を質問。これに対し安倍首相は、東シナ海のガス田開発について「08年の(開発に関する日中両国の)合意が守られていない」「南シナ海で中国は大規模な埋め立てをしている」などと批判。中谷防衛相も「中国が海、空軍のプレゼンスを増大させる可能性がある。南シナ海の安定的利用に対するリスクが増大しかねない」と答弁した。
ほかにも中国機に対する自衛隊のスクランブル発進回数の増加などがやりとりされたのだが、要するに安倍政権は「安保法案は中国に対抗するため」と言いたかったらしい。だが、安倍首相は20日に生出演したフジテレビの番組で、男性アナから「目の前の脅威は、ズバリ中国ということですか」と問われ、「私は特定の国だと申し上げるつもりはありません」とトボケていた。それが参院特別委では一転して中国批判だ。一体なぜなのか。
「『安保法案はなぜ必要なのか』という疑問に対し、安倍政権はこれまで『安全保障環境の変化』とお茶を濁してきたが、いよいよ国民をごまかし切れなくなった。『中国』という具体名を挙げないとダメだと判断したのでしょう。22日に突然、外務省が中国の東シナ海のガス田開発の写真を公表したのも、その伏線だと思います」(与党関係者)
他方、国会で「仮想敵国」扱いされた中国はカンカンだろう。安倍首相や中谷防衛相の敵視答弁を受け、日中関係が今以上に悪化するのは避けられない。元外交官の孫崎享氏はこう言う。
「中国の脅威について論じられていましたが、それは日米安保条約で対応する問題で、集団的自衛権とは何ら関係ありません。東シナ海や南シナ海の話も安保法案と全く関係ない。国会で今、議論されている集団的自衛権は、自衛隊をイラクやアフガンに派兵していいのかということ。それを安倍政権は、中国脅威論をあおって国民をごまかそうとしているのです」
国民をだましても安保法案に突き進む安倍政権を絶対許してはダメだ。
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