業界団体の力関係で決まる 「軽減税率」デタラメな線引き

2015年12月15日

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 大メディアは「決着」と騒いでいたが、ちょっと待てよだ。軽減税率の対象品目から「外食」と「酒」が除外され、ちまたの飲食店からは悲鳴が上がっている。

東京・銀座の小料理店主が言う。

「1兆円の軽減と言いますが、われわれからすれば“外食増税”で“酒増税”です。それでなくても昨年4月の消費税8%から、客足は1~2割ほど遠のいている。死活問題ですよ」

銀座のバーテンダーも口をそろえる。

「円安のせいで酒はもちろん、チーズやチョコといった定番のつまみの価格も高騰した。泣く泣く料金を1割値上げしましたが、消費税10%になったら、客が激減しそうで怖い。値上げ?今のお寒い状況で、できるわけがありません」

怒り心頭なのはもっともで、日本フードサービス協会によると、昨年の外食産業全体の売り上げは、前年比0.2%マイナス。これはあくまで全体の数字で、業態別では「パブ・居酒屋」はマイナス5%と、6年連続で前年を下回っている。

「外国人観光客の増加もあって、今年は全体的に持ち直しつつありましたが、好調なのは客単価が2000円以上のレストランなど、業態間で差がある。そこに消費増税の冷や水を浴びせかけられたら、普通のサラリーマン相手の店は“壊滅”状態になりますよ」(居酒屋チェーン関係者)

スーパー食材の税率は据え置き、外食は10%なら、外食から内食に「消費はシフトする」(谷真すかいらーく社長)。たまのウサ晴らしだって、「家で飲むか」となる。

「消費税率1%で2兆円の増税として、8→10%になれば、1兆円軽減しても差し引き3兆円の大増税です。生活用品や公共料金などはアップするわけで、財布のヒモはますます固くなり、飲食店に限らず、街の個人商店も大打撃を受けるでしょう」(経済ジャーナリスト・岩波拓哉氏)

財務省の試算では、軽減効果は、年収251万円以下の世帯で年8470円、735万円以上の世帯では1万9750円に上るという。クズ肉にも松阪牛にも同じように適用されるわけで、軽減税率は富裕層ほど恩恵がでかい。結局、割を食うのは弱者だ。

「対象品目の線引きは、来年夏の参院選対策で公明党に譲歩したのもありますが、政治力のある大手スーパーへの配慮もある。一方で酒が除かれたのは、自民党のかつての“パトロン”、今やコンビニに押されて高齢化も進み、民事再生手続き中の『全国小売酒販組合中央会』が力を失ったことと無関係ではないでしょう」(永田町関係者)

業界団体の力関係で税制が“裏取引”されるなんて、あっていいはずがない。

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