2015年12月21日
来夏の参院選に向けた野党の統一候補擁立は相変わらずモタついているが、国会の外では動きが活発化している。
「SEALDs」「安全保障関連法に反対する学者の会」「立憲デモクラシーの会」など5団体の有志が、安保法廃止を掲げる候補の支援組織「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」を結成。20日に都内で会見し、SEALDsの諏訪原健氏は「学者、ママ、学生。これまでカテゴリーや肩書は関係なく、自分たちの生活や社会のためにやってきた。今日という日から民主主義に厚みを増していきたい」と意気込みを語った。
民主、共産、維新などの野党は、ようやく熊本での一本化に合意したばかり。勝敗のカギを握る1人区(32選挙区)での共闘が実現しなければ野党総すくみは明々白々なのに、共産アレルギーやら小沢一郎氏嫌いやらで遅々としてまとまらない。
法政大教授の山口二郎氏はこう言った。
「石川、山形、鳥取・島根合区など野党系候補の擁立が進んでいるところもありますが、かなり苦労している。年内に市民連合から野党結束を呼びかけ、さらに大きなうねりをつくっていく。市民連合はいわば針山。あちこちから針が刺さってくれればいい。〈アベ政治を許さない〉〈非自民〉の声の受け皿として、安倍政権に対する政策的対抗軸も示していきます」
市民連合は無所属候補への支援も積極的に行う。その前提として、▽安保関連法の廃止▽立憲主義の回復▽個人の尊厳を擁護する政治の実現――の3点を公約とし、当選後は特定政党入りせずに会派内活動を担保することが条件だ。「この条件を満たせば、複数区で複数の候補者が手を挙げたとしても重点的に支援する」(東大名誉教授の佐藤学氏)という。
参院選勝利、安保法廃止がゴールだが、その前哨戦と位置付けているのが来春の衆院北海道5区補選(4月24日投開票)だ。
「手始めに補選に照準を絞ります。この選挙は安保法成立後初めての国政選挙。衆参ダブル選挙という話もあるが、ここで野党が勝てば安倍さんは怖くて解散できなくなる。何としても一矢報いたい」(山口二郎氏)
1月5日に東京・新宿駅西口で署名活動などの街頭宣伝、23日には北区王子の北とぴあでシンポジウムを行うという。野党はいい加減、危機感を持った方がいい。
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