永岡です、TBSラジオの、荒川強啓デイ・キャッチ、今日は日付を見たら何が特集かは言うまでもなく、東日本大震災、福島原発事故5年です。
なお、高浜差し止め仮処分について、小出先生が京都新聞にコメントされたものを、知人が活字化してくださり、採録します。
2016年3月10日【京都新聞・5面】
元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さん
決定結果はとてもうれしい。本来なら福島第1原発事故の原因究明をしてから安全基準を策定しないといけないが、何十年とかかる。原発推進派にはそれが我慢できないため見切り発車して「新規制基準」という名前で作った。審査に合格しても、場合によっては大事故が起きるという内容であり、そこに疑問を持つことは一般常識から考えると極めて妥当な判断と言える。
住民の被害を防げるかどうかは避難計画にかかっているのに新基準には入っておらず、計画策定は行政に丸投げされている。住民が危険にさらされていることを認め、新規制基準の不備を指摘した点でも、地裁は当たり前に判断したと言える。
福井地裁で差し止め決定が出たのに異議申し立てで再稼働が認められ、日本の司法は最後に覆されるという印象を持っていた。国の施策にとらわれず、自立して勇気を持って判決を下せる裁判官は少なかったが、大津地裁の決定が他の裁判に好影響を及ぼすことに期待したい。
オープニング、宮城・気仙沼の今を、鳥山譲さんが報告されました。高さ7.2mの巨大防潮堤が現地でも違和感を与えて、鳥山さん、気仙沼は岩手との境で、リアス式海岸からの報告であり、気仙沼は地震+津波+火災で大被害で、気仙沼で1300人以上直接亡くなり、町に入ると防潮堤の工事、まだ手付かずの場所もあり、場所により差があり、盛土で津波が来ても対策して、その上に復興住宅(マンション型)が建ち始まり、しかし震災前は気仙沼は7万人で、今は1割以上人口が減り、世帯数は同じ=一人世帯が増えたわけです。
被災地は仕事、企業誘致が問題で、気仙沼の仮設商店街は、三陸でも一番大きい仮設商店街があるものの、5年の期限を秋に控えて、その後は解散、そして新たに商店街を作るとしても、10月に完成するかは不明で、仮設は今家賃4万→常設だと10万を超えてしまい、外から来る人がお金を使う場所はあっても、普段の、どの町でもある商業施設は苦しく、仮設廃止=廃業or出ていくしかない人が多いのです。
商店街を使っているのは、ここはもともと商業施設はたくさんあったのに、津波で人がいなくなり、この商店街に歩いていくことは不可能で、お年寄り、車のない人は来られず、作業員、取材で来る人が利用すると、時間とともに客は減り、希望も少ないのです。
強啓さん、地元の方に支えられる商店街がいると言われて、鳥山さん、現地で再建と言う声もあり、この町が元気になるのを、鳥山さんも信じている、カツオは日本一、日本有数の海の街で、基幹産業は漁業であり、これが上手く回るといいと、鳥山さん締めくくられました。
また、強啓さん、東北(南三陸)を取材されて、行政が何をやっているのだと言われると紹介されて、戸建ての家はダメと言われて、宮台真司さん、行政のやり方はトップダウンとボトムアップがあり、日本以外ではボトムアップで住民が生活を取り戻すのに対して、日本だとボトムアップを行政が採用せず、行政が天下りの利権を得るために地方行政を牛耳り、権威主義のコンサルなどを入れて、住民のアイデアは、それを入れたら自分たちの利益にならないからやらない、それが日本の行政の腐ったやり方だと言われました。また、日本のハコモノはほとんどガラクタになり、従来と同じゲームを復興と称して繰り返していると言われました。
強啓さん、どうやったら三陸は復興するのかなのに、5年経って動いていないと言われて、宮台さん、3・11以降の東北は、今後日本が立ち行かなくなるひな形であり、東北で新しいものをするチャンスを政治と行政が破壊して、同じことが日本全国で起こると言われました。古くからある町になぜ人が来るのか、地元の人が知っており、地元の人の知恵を生かさず再生はあり得ないと言われました。
そして、ニュースクリップ、TBS記者の崎山敏也さんが、原発事故の影響を受けた福島・楢葉町、南相馬市小高地区(原発20km)の今を報告されました。小高は津波+原発20kmで全員避難、去年8月から帰還のための宿泊は可能になり、強啓さんも小高を1年後にご覧になり人はおらず、崎山さん今もおらず、工事と移染の作業員が数少ないカフェに来て、移染したものをフレコンバッグに詰めて、今は仮の仮置き場になっているが、人はいないのにフレコンバッグのみ積み上がり、崎山さんはJR小高の駅の近くで取材し、しかし通っておらず、これがないと困り、東京に電車で行き、これがないと電車賃・タクシー代がかさむのであり、避難指示が解除されたら開通するものの、反対側は原発のそばであり、駅の左には小高のアンテナショップがあり、崎山さんも来るのは数回目で、ハックルベリーのジャムなどを扱い、商工会、仮設のサロンであり、9匹の猿が南天に乗り、難が去るという意味で、双葉屋旅館の女将が、希望が来るようにとして、店長の方はボランティアで来て、今は子育てしながら営業しており、今はいろいろな場所が出来て、口コミで手作りのものを持って来てくれる、警官も全国から来てお土産に買いに来てくれるものもあり、小高商工会の手作りの品もあり、小高に仕事を、として、スーパーも出来て、菓子工房があり、花巻に移転しているが、こちらでも販売はして、若い20代のガラス細工職人の方が作り、若い人を集めたく、女性を集めたい、アクセサリーを作って、若いカップルに来てほしい、という意図であり、来年4月に県立高校が合併して再開で、ここで働きたい若い人に来てほしい、というのです。ワーカーズベース、自分たちのつながりが欲しく、しかし行政とはミスマッチなものの、小さいビジネスを、ガラス職人などやって、1月の南相馬市では10歳の少年が、電車や新幹線の運転手になりたく、しかし今地元に鉄道は動いておらず、早く電車が繋がってほしい、南相馬に多くの人に来てほしいと作文を書いています。常磐線の電車の運転手になりたいというのです。
しかし、現地は移染も進まず、避難指示解除は4月と言われていたが遅れて、住民の合意を取り付けたいのが現地の意向だと言うのです。
さらに、楢葉町、原発から15~20kmで全員避難、7200人登録されているものの、400数十人が実態、大半がいわき市の仮設におられて、そこでのお祭り、子供たちの体操を崎山さん取材されて、また祖父母は、楢葉に帰りたい、良い町だったと語り、帰りたい人と、もう戻らない人(避難先で定着)になっているというのです。
避難先には楢葉の方も、東京の方もおられて、楢葉で移動カフェもして、精神科医で歌い手の方などのイベントもあり、郷土料理をふるまう人もあり、楽しい手法でワークショップ、街づくりをして、原発災害で悲しみになったが、住民、町の在り方を考えたい、住民だけでは限界があり、県外の方にも参加してもらい、新たな楢葉の文化を、自分たちで盛り上げたい、今は知り合いだけでやっており、楢葉のロゴを使った商品も作り、上からこうやれではなく、住民がこうしたいというものを見せたいと、若い人たちが頑張っていると、崎山さん締めくくられました。以上、3・11から5年目のデイ・キャッチでした。
なお、赤旗日曜版最新号はもちろん東日本大震災、福島原発事故5年の特集で、スクープはありませんが、原発事故で故郷を失った方々のお話や、被災地のしんどいお話、そして沖縄・辺野古のこともあり、充実しています。やくみつるさんのマンガは大爆笑!です(食事時に絶対に見ないでください!(笑))。