原発兵庫国賠訴訟第13回期日の報告  

 永岡です、福島原発事故で、兵庫県に避難されている皆様が国と東電を相手の国賠訴訟の第13回期日が
本日神戸地裁で開かれました。
今回のポイントは、
(1)     国と東電は、事故を予見できなかったと言うものの、火災では火元如何に関わらず、防火対策を
講じなかったことで刑事責任が生じる(以下の準備書面21をご覧ください、弁護団の許可を得てお送りい
たします)
(2)     東電と電事連は、福島原発に津波が来ることを2008~2009年には予測していたのに何もしなかっ
た、この資料を裁判に出せと、原告はおろか、裁判所も命じているのに東電は出さず、これも争点にな
り、この資料は国会事故調には出ているものの、これは文書公開できず、これを出すことはよほど原子力
マフィアに不都合と思われること
であり、この裁判、裁判長は当初原告に厳しい態度を取っていたのが、原告の意を理解した面もあり、
そして今回で神戸地裁の裁判長が交替になり、次回の第14回期日は6月8日(水)14時からであり、新しい
裁判長に対して原告の意見陳述が行われ、皆様ご支援をよろしくお願いいたします。次々回の第15回期日
は7月26日(火)14時からです。
また、原発国賠京都訴訟は、第14回期日は5月27日(金)11時から、第15回は6月29日(水)14時から、
第16回は8月3日(水)11時からで、それぞれ傍聴は抽選になり、開廷の40分前に京都地裁のロビーに集合
してください。
なお、関西での脱原発イベントのご案内も、本日頂いた資料からご案内いたします。

京都では、4月3日に、大津地裁高浜仮処分について、井戸謙一さんの報告会が、キャンパスプラザ京都
(JR京都駅西)にて17時からあり、若狭の原発を考える会(090-1965-7102 木原さんに連絡)の主催で
す。
福島と沖縄とつながるミュージカル、ガマ人間あらわるの姫路公演は4月3日、イーグレひめじ・あい
めっせホールで14時半開演、チケットは前売り2000円、当日500円アップ、月桃の花歌舞団
(06-6885-8475)主催です。
福島、5年目の真実、長谷川健一さんの講演が4月17日、14時からに大阪・西成の社会法人ふるさとの家
にて、参加費500円、090-7356-1747オザキさん、までです。
福島原発メルトダウンへの50年を書かれた烏賀陽(うがや)弘道さんの講演会が4月16日、兵庫県弁護士
会館で14時からあり、入場無料、申し込み不要であり、兵庫県弁護士会 078-341-7061に問い合わせてくだ
さい。

準備書面21読上げ原稿
2016年3月30日
第1 はじめに
原告らが今回提出した準備書面21は,被告らのシビアアクシデント対策に  ついての法的責任
を問うために,どこまで予見する必要があったかについて,  再反論を加えるものです。被告国は,あ
たかも原告らが最高裁判所の示した枠組みと異なる立場を取り,技術的評価上の概念と混同しているなど
と主張していますが,これらはいずれも原告らの主張を正確に理解せずになされた反論にすぎません。
第2 原告らの主張は最高裁判例の枠組みの中にあること
1 被告国は,今回の東北太平洋沖地震で発生したのと同じ規模の地震や津波についての予見可能性が
なければ,法的責任は負わないと主張し,そのように考えなければ,予見可能性がいらないというのと同
じであると反論しています。
2 しかし,原子力発電所は,国民の生命・健康やコミュニティそのものに対して深刻で,取り返しの
つかない被害を引き起こしうる極めて危険な施設です。
このため,原子力発電所の管理者や監督者は,特定の事象だけを想定して対策すればよいという安易
なものではなく,合理的に想定されうるあらゆる事象に対して対策を講じなければなりません。これが原
発におけるシビアアクシデン卜対策の根本的な安全思想なのです。そして,本件原発事故の発生までに,
これらのシビアアクシデント対策をとって,国民の生命や健康を守ることができたのは,被告東電と被告
国をおいて,他にいないのです。
そうである以上,被告らは,万が一に備え,全ての交流電源を喪失する事態,すなわちSBO(全交流
電源喪失)に至るこ。とがないよう,万全の対策を採る義務があったのです。このことから,本件において
具体的に予見しておくべき対象は,「設計基準事象を超える外的事象によりSBOに至ること」で十分足りる
のです。
被告国は,実際に生じた具体的な地震や津波を予見できなければ法的責任は問えない,というのが,
あたかも最高裁の判断枠組みであるかのように主張しています。しかし,最高裁は「規制権限の不行使が
国賠法1条1項の適用上違法となるのは,その権限を定めた法令の趣旨,目的や,その権限の性質等に照
らし,具体的事情の下において,その不行使が許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くときに限ら
れる」と述べているに過ぎず,具体的な事象まで予見しなければならないとは一言も言っていません。も
ちろん予見の対象が具体的でなければならないのは言うまでもありませんが,その具体性の程度について
も,「具体的事情の下において」検討されるべきなのです。
3 このことについては,民事より厳格な認定が求められる刑事事件の裁判例,特にホテル等での火災に
おける管理者の過失が問題となった事例からも明らかです。
例えば,ホテルニュージャパン火災事件の最高裁判決は,「いったん火災が起これば・・・宿泊客ら
に死傷の危険の及ぶおそれがあることを容易に予見できたことが明らかである。」と述べ,火災の具体的な
原因などについてまで予見可能性を求めていません。また,その一審判決は,「いったん火災が発生すれ
ば 宿泊客らの大半はホテル建物の構造 避難経路等の不案内のため 火災発生の覚知の遅れ 初期消火
の失敗、通報や避難誘導等の不手際、消防用設備の不備等から 火災が拡大し 逃げ遅れた客に死傷の結
果が生じるおそれのあることは 本件以前における累次のホテル,旅館等の火災事例に微しても明らかで
あって 右はホテル経営に携わる者の等しく予見しうるところであるから本件における結果発生に対する
予見可能性も の右の程度をもって足りるものというべきである」と述べています。これらの裁判例につ
いて,元司法研修所 の教官も,「出火の原因,態様,時期等についての具体的な予見可能性を要し な
いことを示しており,この点に関する最高裁の考え方は固まっているという ことができるであろう。」と
解説しています。

これらのホテル火災における予見可能性の考え方というのは,ホテル火災とは比較にならないほど
の深刻な危険性を有する原発事故においても当然にあてはまるものです。ホテル火災において,一旦火災
が起きると避難の不手際や火災の拡大により,多数の宿泊客の生命・身体に危害が加わりますが,原子力
発電所においても,一旦外的事象によってその冷却機能を喪失し,SBOを引き起こすと,炉心損傷の危険性
が一挙に高まり,周辺住民の生命・健康に甚大な危害が加わることになるのです。このため,本件原発事
故において,被告らの法的責任の前提である予見可能性の対象については,「設計基準事象を超える外的
事象によりSBOに至りうること」を予見していれば十分足りるのであり,SBOに至らせる特定の具体
的な事象まで予見可能性がなくてもよいのです。
このことから,もし仮に本件原発事故と直接的には関係しない原因事象であったとしても,その原
因事象を想定してシビアアクシデント対策を講じていれば本件原発事故を防げたといえるのであれば,シ
ビアアクシデント対策を怠ったことについて,被告らの法的責任が問いうるのです。
第3 まとめ
以上より,被告国の反論は,いずれも原告らの主張や最高裁判例の考え方を正確に理解していない
ものであり,理由がないことは明らかです。
以上

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace

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