毎日放送VOICE 熊本大地震 尾池和夫さんの解説&山中真さんの報告

 永岡です、熊本大地震に関して、関西のテレビも大きく報じており、毎日放送のニュース「VOICE」でも取り上げられて、京都大学防災研の尾池和夫さんのスタジオでのお話がありました。

VOICEでは先週、GPSを利用した地震の調査のことが取り上げられて、今、南海トラフ(フィリピン海プレートとアジアプレートのせめぎ合い)で、海→陸に年5cm進んでおり、ところが、歪が限界に近づくと、この進み幅が小さくなり、それが地震の前兆になるというものであり、尾池さんは、こういう調査は日本の最先端のもので誇るべきと言われます。

また、南海トラフ地震の指標になるのが、日向灘の地震で、1968年にえびの高原での群発地震日向灘の地震&津波があり、過去に、歴史で日向灘の地震南海トラフ地震になった例もあるというのです(ただし、9610月に日向灘の地震があり、衆院選の小選挙区制度投票初回の前日、日本シリーズでイチローが決勝ホームランを打った日のものがあり、これは数回地震があったものの、97年以降は顕在化していません)。

前回の南海トラフ地震は、1944年の東南海地震と、1946年の南海地震であり、後者は私の母も神戸で体験して怖かったと言うのです。が、これら、巨大地震に関して、具体的な指針はないというのです。尾池さんは、今回の熊本大地震で、14日の前震(震度7)と、16日の本震(マグニチュード7.3)について、本震では一つの活断層が完全に動いたものになり、今後これ以上のマグニチュードの地震は予想しにくいと言うものですが、南海トラフ地震については、まだ具体的なものは不明です。

そして、熊本の現地では、山中真さんが報告されて、14日の前震の際には、震度7でも無事だった建物が、16日の本震で倒れた例も多数あるということであり、全壊、半壊ともに本震は前震の20倍くらいの数字になり、エライことです。

また、揺れ疲れというものもあり、要するに、何度も地震に会うと、1回の揺れでも耐えたものも、複数回揺れたら潰れる例もあるということで、今日、1982年の耐震指針(日本海地震の後の基準による)ものは建物で82%になるのですが、それは全て1回の地震によるものであり、今回のように、後でより大きな地震が来た場合のことは想定されておらず、揺れ疲れにより、1回は耐えても、その後倒壊した例は熊本で多数あり、そして、関西では阪神・淡路に耐えたから大丈夫というのは、要するに1回の揺れのみ(阪神・淡路では、余震は当日に震度410月に同じく震度4のみで、21年間阪神間に震度5以上は来ていない)であり、揺れ疲れに関しては、まだ分かっていないというのです。熊本大地震では、有感地震は500回以上、震度71回、震度6の強、弱共に3回、震度5の強、弱共に3回であり、去年のネットワーク117で、震度5以上は年に数回しかないと報告されていたことを考えると、これは異常、というか非常事態です。

山中さんは、あまりに余震が多く、被災者は今も揺れているという感触だということであり、被災地は大変です。

なお、原子力規制委(実態は推進委)は川内原発はOKと言いましたが、私の見た限り、テレビでは原発について、一昨日の報道特集で、金平さんが仙台を止めるべきと一言コメントされて、しかし昨日の報道ステーションサンデーでは、お馴染み活断層の専門家、渡辺満久さんが、今回の地震で川内が地震になる直接の可能性はないと言われました(ただし、渡辺さんは、14日の前震の後本震が来ることを予知できなかったのは落ち度と言われました)が、テレビでは、もちろん原発のことはあまり取り沙汰されず、そして川内の場合、地震だけでなく、火山の危険性もあります。

…これだと、地震列島、日本に何が起こってもおかしくないような、絶望的な空気になりますが、とりあえず、VOICEの内容他をお送りいたしました。

 

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