米国では90%を超える富が1%の納税者に、40%の富が0・1%の富裕層に偏在  

経済観測 毎日新聞2016年4月8日 東京朝刊
「パナマ文書」の衝撃=インターネットイニシアティブ会長・鈴木幸一

いまさら、マックス・ウェーバーでもないのだが、資本主義と民主主義の崩壊過程を目
のあたりにするような報道に触れていると、「プロテスタンティズムの倫理と資本主義
の精神」を思い出す。近代の資本主義を支え発展させたのは、プロテスタンティズムの
禁欲主義、勤勉な精神、合理主義とする説が懐かしくなる。

秘匿性が高く、機密に守られているはずのタックスヘイブン(租税回避地)文書が、ハ
ッキングによって法律事務所から漏えいし、利用者の実態を暴露した「パナマ文書」が
世界中で報道されている。タックスヘイブンを利用すること自体は、ほとんどの場合、
違法ではないのだが、政権担当者である政治家の利用については道義的責任が問われる
ことは間違いない。

過去40年間に利用した顧客数1万5000人弱、企業数21万5000社と報道され
ているが、「20万人は超しているはず」との知人の話の方が当たっている気がする。
米国では90%を超える富が1%の納税者に、40%の富が0・1%の富裕層に偏在し
ているとされ、格差が深刻な社会問題となっており、「パナマ文書」が世界に与えた衝
撃は大きい。米国の労働者の平均的時給は20ドル超と、1980年ごろの水準のまま
である。端的にくくれば、格差拡大の原因は70年代以降の経済成長を支えた国策によ
る資本主義の金融化とグローバル化となろう。無理な成長を支える過程で、国や個人の
債務が増加し、資本主義の金融化により極端な格差が加速してきた。

ところで、格差と超富裕者が少ないと言われている日本だが、「パナマ文書」に明らか
になっている日本人は何人いて、その資産はどれほどの規模なのだろうか。あまりにさ
さやかな数字であれば、それはそれで寂しい気もするけれど。

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s

%d bloggers like this:
search previous next tag category expand menu location phone mail time cart zoom edit close