安倍自民に激震 参院選予想で現有割れ「48議席」の現実味

  • 2016年6月3日
3年前のようにはいかない(C)日刊ゲンダイ
3年前のようにはいかない(C)日刊ゲンダイ

 弱気な勝敗ラインは自信のなさの表れか――。通常国会が閉幕し、参院選への号砲が鳴った。安倍首相は1日の会見で「連立与党で改選議席の過半数(61議席)」を勝敗ラインに設定。3年前の参院選(自民65、公明11)と比べるとかなり低い数字だが、実際、選挙情勢を分析すると確かにそう甘くない。政治評論家の野上忠興氏の現時点での予想では、自民は現有割れの48議席。公明の13と合わせてギリギリ61議席という結果になった。

■東北1人区は全敗の可能性も

衆参ダブル選を視野にずっと強気だった安倍首相は、これまで改憲勢力の3分の2獲得や、27年ぶりの自民単独過半数を目指してきたはずだった。ところがここにきてトーンダウンである。

参院選は今月22日公示、来月10日投開票に決まった。定数の半分の121議席が改選で争われる。

 勝敗を大きく左右するのは、やはり1人区だ。32ある1人区の全てで、民進、共産、社民、生活の野党4党が候補者を一本化したこともあり、野上氏は自民の18勝14敗と予想した。自民は新潟、長野、滋賀などで苦戦し、東北の6選挙区で全敗する可能性すらある。

「1人区は農村地帯が多く、TPPに批判的。安倍政権に対する農業の現場で不満は根強い。東北では福島を除く5選挙区で、従来は自民党を支持してきたような農業団体が、自主投票を決めたそうです」(野上忠興氏)

1人区の逆風は安倍首相も分かっていて、「18勝14敗」という自民党の調査結果を見て大慌てだったという。

複数区でも、候補者を2人立てる北海道(改選数3)や神奈川(改選数4)で2人目の当選が苦しい。

■比例票に響きかねない女性たちの“嫌安倍”

 比例代表は15議席という予想だ。

「自民党の参院選の比例は、過去5回のデータで平均16議席です。最低は2010年の12議席、大勝した3年前でも18議席でした。世論調査でも分かる通り、安倍政権に対する女性の支持は男性より10ポイント前後低い。女性たちの“嫌安倍”感情は比例票に響きかねません」(野上忠興氏)

第2次政権になっての過去3回の選挙では、安倍首相は常に攻めのイケイケムードだった。しかし、「今回は官邸も『守りの選挙にならざるを得ない』とみているようです」(自民党関係者)という。安倍首相には第1次政権時の07年参院選で惨敗した“トラウマ”もある。

野上氏の予想はあくまでも現時点でのものだが、マトモな有権者の厳しい判断と野党の頑張り次第で、安倍政権が追い込まれる可能性は十分あるということだ。

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