バングラデシュの首都ダッカの人質立てこもり事件で現場で死亡した実行犯5人のうち1人が、昨年10月に同国北西部で起きた日本人男性殺害事件で指名手配されていたことがわかった。ダッカ首都圏警察の幹部が6日、明らかにした。

北西部ロングプールで昨年10月、岩手県出身の星邦男さん(当時66)が、オートバイで近寄ってきた複数の男らに撃たれ、殺害された。ダッカの人質事件と同じく、過激派組織「イスラム国」(IS)バングラデシュを名乗る組織が犯行声明を出した。

ログイン前の続きこの事件で手配されていたのは、同国北部ボグラ出身のカイルル・イスラム容疑者(22)。警察は昨年11月、野党バングラデシュ民族主義党(BNP)の党員ら3人を殺害に関与した容疑で逮捕。12月に、地元過激派バングラデシュ・ムジャヒディン集団(JMB)の1人を逮捕していた。

警察は、カイルル容疑者もJMBの構成員だったとみている。JMBを巡っては、ISが昨年11月、英字機関誌で「JMBを傘下に収めた」と主張している。

カイルル容疑者は貧しい家庭に育ち、地元のイスラム宗教学校で高等教育を修了。昨年12月、勉強したいと家族に伝えてダッカに転居した。2カ月ほど前に一度帰省したが、その後、消息を絶ったという。(ダッカ=古谷祐伸)