朝日新聞 2016年9月22日
共産党は21日、党大会に準じる意思決定機関である第6回中央委員会総会(6中総
)で、次期衆院選でも野党共闘を軸に戦う方針を決めた。衆院小選挙区の「すみ分け」
について民進党と協議に入りたい考えだ。「選挙後」の政権のあり方を有権者に提示で
きるかが大きな課題となる。
東京・千駄ケ谷の共産党本部。党所属国会議員と地方議員、各都道府県委員長ら20
0人弱が全国から集まった6中総。20、21の2日間で52人が発言した。
閉会後、志位和夫委員長は会見し、参院選1人区で野党統一候補が11勝21敗だっ
た結果を踏まえ、「実戦を通じて野党共闘という道に大義が、確かな威力があることは
否定できない事実」と総括。「総選挙でも発展させる方向性が大変強く支持された」と
胸を張った。
10月の衆院東京10区、福岡6区補選は告示まで1カ月を切った。衆院の解散総選
挙もいつあるか予断を許さない。この政治状況で志位氏は「野党共闘は今後、いろいろ
な曲折があったとしても、大局的に言えば後戻りすることは決してない」と言い切り、
民進などとの協議に自信を示した。
衆院選挙区はすべてが1人区。2補選は、現段階で民進と共産の候補が競合している
が、共産は候補取り下げを視野に入れる。次期衆院選295の小選挙区については、民
進との「すみ分け」が焦点になる。
志位氏は総会で「必勝区を攻勢的に設定する」と表明。党内では前回、赤嶺政賢氏が
勝利した沖縄1区に加え、民進の立候補予定者がおらず、穀田恵二国対委員長や池内沙
織氏が比例復活した京都1区、東京12区などを想定している。
逆に必勝区以外は公認候補を立てずに、他党か無所属候補を推すことも想定。党関係
者は、7月の参院選が衆院選との同日選だった場合は「200人規模で取り下げること
もあり得た」と明かし、次期衆院選の目安になるとの見方を示す。
■政権構想、見通せぬ着地点
選挙協力では大きく踏み込んだ共産も、衆院選後の「政権づくり」となると、そう簡
単な話ではない。
志位氏は、当初掲げた国民連合政府構想を「野党連合政権」と言い換えたうえで、「
政権問題で前向きな合意を作ること」を選挙協力の条件に挙げた。
しかし、民進党の蓮舫代表は「綱領や政策が違うところと一緒に政権を組むことはあ
り得ない」と繰り返し強調してきた。
共産党の綱領には、「自衛隊の解消」を明記している。志位氏はこの綱領を「変えて
いく考えはない」と明言。党内の憲法学者らが「憲法9条に対し、自衛隊の存在は明ら
かに矛盾している」との見解を示しているためだ。
志位氏は「未来に向けて野党と市民の共闘を前進させていく立場で話し合えば一致点
が得られる」としたが、着地点が見通せているわけではない。(星野典久、関根慎一)
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