永岡です、TBSラジオの、荻上チキSESSION22、昨夜の企画のMAIN SESSION、もんじゅ廃炉について、TBSラジオ記者の崎山敏也さんと、長崎大学核廃絶センターの鈴木達治郎さんが出られました。TBSクラウドで公開されています、http://www.tbsradio.jp/76078 長時間のものですが、何とかまとめます。
崎山さんの原発ニューススペシャル、もんじゅ見直しで、日本の核政策がどうなるのか、もんじゅは使用済み核燃料から取り出したウランとプルトニウムを使うと言うものの、臨界の翌年にナトリウム漏れでお釈迦、規制委は運営主体の見直しを勧告して、その後決まらず、原子力学会は維持するというのですが、もんじゅは核燃料サイクルだけでなく、日本の核政策を変えるものであり、前半はもんじゅと核燃料サイクルについて、基礎知識、広島原爆はウランを使用し、ウランは原発の燃料であり、長崎原爆はプルトニウムを使用し、核燃料サイクルの必要性は、ウランは核分裂するウラン235は天然には0.7%しかなく、大半がウラン238の燃えないもので、爆弾、燃料になるのはわずかであり、ウランは世界にたくさんあるとは核開発の当初は思われず、原爆のためにウランを濃縮したら、いずれウランも枯渇すると50年代に思われて、70年代に世界中に原発がたくさん建てられて、ウランがなくなると思われて、それでウラン238を高速増殖炉に入れたら中性子を当ててプルトニウムになり、これは原爆に出来るし、燃料としての有効利用もできると思い、大半のウラン238をうまく使うためのものが核燃料サイクル、しかしこのためには使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出して、これを燃料として高速増殖炉でやるとプルトニウムが増えて、再処理したらまた使える、というウランが100%使えて、アメリカもソ連も当初、核燃料を核爆弾のためにしていたのに、アイゼンハワーの核の平和利用について原発が1950年代に普及し、その究極が高速増殖炉で、未来はこうなると思われた。
高速増殖炉の軽水炉との違いは、燃料がウランかプルトニウム、プルサーマルでMOX燃料としても、軽水炉ではオールMOX燃料ではなく、1/10しか入れられず、核燃料サイクルの必要性と言われて、しかしプルトニウムの燃料化でエネルギーが無限に手に入ると思われて、世界は60年代から高速増殖炉の開発を開始し、もんじゅのような、原型炉、技術的にできると言うもので、フランスが最先端のフェニックスを作り、その後実証炉、発電するなら儲からないとだめであり、しかし燃料、建設費でペイできないなら意味はなく、実証炉を作ろうとして、しかし1977年にアメリカが技術的に難しく断念、アメリカは核拡散を懸念し、しかしプルトニウムを使うので別の用途になるのが懸念されて、プルトニウムは核兵器に最適であり、高速増殖炉が世界に普及したら、世界で核兵器が持てるようになり、それでアメリカはワンスルー、一回の核燃料の使用で止めることにした。
続いてドイツが断念、当時冷戦の最先端であり、ドイツが高速増殖炉を持つことは核の抑止力であり、しかしドイツは80年代から環境問題が盛り上がって91年にアウト、最後にフランスが残り、スーパーフェニックスをやったら、もんじゅ同様ナトリウム漏れでアウトであり、このように世界で頓挫、原型炉もアウト、実証炉もアウト。
日本は世界から10~20年遅れて、1956年に核開発を開始した際に高速増殖炉を想定して、ナトリウムを使うことも想定し、計画は1967,68年に動き出して、最初は常陽、今もあり、大きな事故もなく、ここまでは良かったが、その後にもんじゅ、1967年に開始したら、5年ごとに技術は発展し、80年代に高速増殖炉は実用化すると楽観視し、その頃は科学者、技術者は、いつもやっている、20年後に出来ているという見通しであり、社会的な要素を考慮せずに誇大妄想に過ぎず、もちろん様々なトラブルがあり得るものなのに、もんじゅは1994年に完成し、臨界、実証炉は2010年に出来ると思ったが…楽観より誇大妄想に過ぎず、科学者は夢を定めないとできないものであり、夢を崎山さんは否定しないものの、高速増殖炉はナトリウムで失敗しており、これがいつかは成功すると言うのはあまりに無責任であり、ナトリウムの技術がうまく行くはずはない。
もんじゅは94年に臨界で、しかし95年にやっぱりナトリウム漏れで、そのナトリウムもすぐに抜かずに、通報が敦賀市や福井県に通報が遅れて、ビデオも悪いところを改竄して、もんじゅは技術的にも、社会的なガバナンスもダメであり、それなのに浪費を続けて、原子力学会は叱るよりほめる!でもんじゅを育てると言うものの、1兆円の借金をどう返すのか、もんじゅの懇談会の座長西沢氏が、もんじゅは博打と放ち、その博打に原子力マフィアは乗ってしまい、裁判も起きて、燃料にクレーンが落ちる、1万件の点検漏れがあり、もんじゅの最初にかかわった人たちはすでに引退している時代で、そんなことで来て、規制委は運営主体を変えろとなり、文科省は電力会社他に働きかけても、結局引き受けられなくなり、行きつくところまで行ってしまったのです。
核燃料サイクルは、再処理でプルトニウムを得て増やすと言うのは、サイクルの先、もんじゅの使用済み核燃料を再処理する工場があり、これは通常の再処理工場ではできず、その工場をどうするかも決まっておらず、核燃料サイクルはサイクルそのものが全く完成しておらず、その上に核廃物の問題、最終処分場のことも、核燃料サイクルの完成時に想定すべきであり、今は使用済み核燃料で破綻し、もんじゅが止まるとプルトニウムを使う原子炉が無くなり頓挫、高速炉を作るとしても、日本の核政策は、まだ福島事故の始末もあり、もんじゅのみにかかわれる段階ではなく、1000年後に出来る技術の前に、目の前の核廃物をどうするかが問題。
もんじゅが動いてもその後どうするかは決まっておらず、しかし誰がこのようなデタラメを決めてきたのか、経産省連合軍は再稼働の邪魔になるもんじゅはもう諦めようであり、経産省はもんじゅにこだわると原発政策がアウトになると崎山さんは見ておられるのです。
後半、鈴木達治郎さんがお話に参加されて、鈴木さんは2010~14年に原子力委員会に参加されて、崎山さんは学生時代に調べられた時に、鈴木さんがプレー役になり、ガバナンスの問題も鈴木さんに聞きたいと言われて、これまでのガバナンスもあるが、鈴木さん、もんじゅ廃炉に時間がかかり、もっと早く止めるべきであったと言われて、理由は核燃料サイクルの継続が日本の核政策の中核であり、それも1950年代からで、核政策の柱が倒れたら親亀こけたらみなこけたで日本の核政策が破綻する危惧を原子力マフィアは持ち、プルトニウムの難題などがあったのに、核燃料サイクルの維持のためにゾンビのようにもんじゅは維持されて、もんじゅがあるから六ケ所村があり、日本最大級の公共事業で、政府も電力会社も、2兆円(建設費のみ)かけた公共事業を辞められない、関空を超える日本最大のもので、運転に3000億/年、すべての核予算に匹敵するものであり、核燃料サイクルの維持=六ケ所村の維持であり、もんじゅがなしに核燃料サイクルの継続は不可能であり、たまったプルトニウムの消費にはプルサーマルしかなく、しかしその使用済み核燃料を再処理したらプルトニウムが出て、軽水炉の使用済み核燃料は六ケ所村でやっても、もんじゅの使用済み核燃料の処理する技術はなく、もんじゅから出た使用済み核燃料は捨てるしかなく、しかしプルトニウムは核兵器材料、プルトニウムにも239、241などたくさんあり、事は簡単ではない。
鈴木さんは核の委員会におられて、福島事故で核の将来をどうするか、維持するか、減らすかの選択の時期に、もんじゅを一定期間運転して廃炉するという方針であり、その後点検漏れが続出であり、もんじゅは32万kwの施設であり、実証炉を作るためにどうするか、規制委は運営主体の言うように、基準に沿うべきであり、万一規制委がどうするか、発電プラントであり、しかしもんじゅが破綻して、今転換点に今いるのに、国は核燃料サイクルの維持と言うが、鈴木さん維持は無理、高速増殖炉のある前提で核燃料サイクルは存在し、ないとすると、再処理も意味が無くなり、そこでフランスの高速炉、アスリットの名前が出て、厄介なごみを減らすものだが、今は設計中で、2019年まで設計がかかり、その後の建設も未定であり、アスリットがあればという夢に過ぎず、使用済み核燃料を再処理しないとだめであり、サイクルは何十回も繰り返さないとだめであり、一つの原子炉でどうするか、先は長く、100~200年のスパンで考える、それも高速炉の存在が前提であり、そして10万年の核種を1000年くらいに減らすことも、フランス、アメリカも研究して、これには鈴木さん意味があると思うものの、それが実現すると言うのは言い過ぎであり、今の核燃料サイクルの制度化は無理で、崎山さん、科学者は出来ていないことも実現すると言うことがあると指摘されて、アスリットの実用化も未定、公式な計画も10年でやると言っても、もんじゅも10年後OKと言って50年動いていない。
核燃料サイクルの維持=政府は問題に蓋をするという意味であり、高速炉の存在を前提でやっており、MOX燃料の危険なものが出て処置なしであり、したらできないことが分かってしまうと崎山さん指摘されて、鈴木さん、高速炉アウトなら使用済み核燃料を再処理せず捨てるしか無くなり、崎山さん使用済み核燃料は資源になるとごねていたが、フィンランドのオンカロのような処分場は日本になく、核廃物の処分は処置なしで、しかしその前に使用済み核燃料の始末すら出来ておらず、しかし議論は高レベル放射性廃棄物のガラス固化の是非にされてしまい、使用済み核燃料は再処理しないと捨てられず、これも法律上電力会社が言えず、今は使用済み核燃料をごみとして捨てるようにと鈴木さん、指摘されて、全量の再処理の法律も通っており、再処理の負担をさせる法律が通されてしまい、ツケは全部国民、電力会社も捨てることが出来ず、捨てると厄介で、国策としても撤退できず、今の政策は行き詰まり、鈴木さんは使用済み核燃料を捨てる方向にすべきと言われて、国の諮問機関は縮小し、経産省の核関係の機関でやっており、ワーキンググループ、電力自由化でも、再処理の継続のためにどうするか、中間報告で、パブコメも取らず、経産省の内輪でやったものを、意思決定も不透明であり、意思決定をしてきた連中がデタラメで、第3者での評価を鈴木さんすべきと言われました。
核燃料サイクルは破綻したのに、原発を維持するためのものであり、崎山さん外圧が想定されるのは、日本は48トンのプルトニウムを保持して、これが国際的にどう見られるのかであり、鈴木さん核兵器は8kgで出来て、北朝鮮は数kg、日本は48トン、世界にプルトニウムは500トンあり、つまり世界のプルトニウムの1割を日本が持ち、日本の核武装は世界から警戒されて、さらに核のテロ対策で、プルトニウムは問題があり、アメリカは核拡散の懸念から足踏みしており、しかしもんじゅなしではプルトニウムを所有する意味が無くなることになり、原子力マフィアは、世界のライバルを喜ばせるのでもんじゅの廃止に反対する声があるものの、鈴木さん、もんじゅは日本独自の技術ではなく外国に作ってもらい、福島事故も自主技術がなく対策が取れなかったこともあり、基礎基盤研究の充実が必要。
鈴木さん、これからの核政策は福島事故を見て、根本的に見直すべきであり、最優先は福島の廃炉と移染、廃物処理のための人材育成が必要で、高速炉や核燃料サイクルの開発よりこちらが優先されて、プルトニウムの処理にも技術開発が必要で、福島事故で失った国民の信頼の回復なしに、核開発はあり得ないと言われて、崎山さん、当事者のみ核では苦悩して、福島では中間貯蔵施設が必要なのにこれをやらず、全くめどは立たず、東京に避難している人たちがしんどい思いをして、日本全体でこういうところにしんどいことをしておらず、核の世界では、悩む人たちに押し付けて、それより原子力マフィアは柏崎刈羽の再稼働として、経産省は重荷を捨てたいと思っていると言われて、鈴木さん核燃料サイクルも重荷であると言われて、もんじゅは技術を手放すことへの懸念より、廃炉などの宿命を背負った国として責任を持つべきであり、福島事故は世界最大であり、それを収束させるのにもっと尽力すべきであり、福島の廃炉は日本だけで出来ない難しいものであり、このために原子力機構の半分くらいを注いでやるべきであり、鈴木さん、国民の信頼の得られない核産業に人が来ず育たずになることを懸念されました、以上、SESSION22の内容でした。