東京電力ホールディングス(HD)について経済産業省は25日、柏崎刈羽原発(新潟県)などの原子力事業を分社化する案を示した。本社は新潟県に置くことを検討する。背景には福島第一原発事故廃炉・賠償費が想定より膨らむのが確実になったという理由がある。福島関連事業と別組織にし、柏崎刈羽の再稼働につなげる狙ログイン前の続きいだ。▼3面=膨らむ廃炉

学者や経営者による「東京電力改革・1F(福島第一原発)問題委員会」で示した。福島第一関連はHDに残し、ほかの原発事業を新たな子会社に移行。4月につくった「火力発電」「小売り」「送配電」の3事業会社とともにHD傘下にする構想だ。

同時に、福島第一の廃炉費が年800億円から年数千億円に増える可能性も示した。今後、技術的にも困難なデブリ(原子炉で溶け落ちた核燃料)の取り出し作業が始まる。経産省の内部資料によると、廃炉費のほか賠償費も膨らみ、総額はいまの想定の約11兆円から18兆円規模に達しそうだ。

経産省は、柏崎刈羽を中心とする原発事業会社を福島の事故処理から切り分け、新潟県などの地元に再稼働への理解を求めたい考えがある。1基が動けば、東電の営業利益が年1千億円増える効果があるためだ。地元に原発の本社機能を置くことは、再稼働に慎重な泉田裕彦・前新潟県知事が、安全確保の観点から要望していた。

また、優良事業の送配電会社と他社との提携も進め、事故処理に必要な資金を捻出する考えだ。

同じ25日には、新潟県知事に泉田路線を引き継ぐ米山隆一氏が就いた。分社化案は「良い方向」としつつ、原発再稼働は「現状においては認められない」と、従来通り慎重な姿勢を示した。(米谷陽一、松浦祐子)