Global Ethics


いまも昔も、患者が医療に求めるのは「安全・安心・納得」です by limitlesslife
December 15, 2016, 3:03 pm
Filed under: 健康・医療・保険
”プラス1”の笑顔と言葉を

いまも昔も、患者が医療に求めるのは「安全・安心・納得」です。
まずは医療事故に遭いたくない。
つぎに、完璧を求めつつも賢く妥協し、賢く諦めるというプロセスを経たうえで、
医療者の支援を得て安心し、納得して賢い選択をしたいのです。

「聴す」は「ゆるす」と読み、しっかり聴く、正しく聴くの意味。
「念い」は「おもい」と読み、心に刻んで、常におもいつづけること。

患者の願望である「安全・安心・納得」を看護の力で支えていただくためには、
目の前の患者のあるがままの心に二つの耳と心の耳を傾けてください。
そしてプロとしての初心を忘れず、
患者一人ひとりの生きる力を支えていただきたいのです。

患者と向き合うときには、「笑顔・まなざし・ことば」という
三つのセルフチェックポイントを大切に、常に自覚的でいてください。

患者の気持ちは、納得いかない結果やマイナスの出来事が一つでも起きれば、
100?1=ゼロ になってしまいます。

しかし、思いがけない笑顔や優しいひとことといった「プラス1」が
人の心を 100+1=150にも200にも膨らませる可能性を持っています。

「こんな人に出会えてよかった」と思える看護を目指して、
患者の自立を支援してください。

辻本好子 (NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)

「現代のエスプリ」 2010年1月号 「看護という営み」95ページ

====
====

61 追悼 辻本好子さん
日経メディカル 2011年6月30日 色平哲郎

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/irohira/201106/520488.html

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)の
理事長・辻本好子さんが、先日、胃癌で亡くなった。
享年62。もっと、もっと、生きて、活躍してほしかった。

辻本さんは、「賢い患者になりましょう」を合言葉に、
医療を消費者視点でとらえる活動を始めたパイオニアだ。
子育て中に市民グループのボランティアとして患者の悩み相談を
受けたのをきっかけに、1990年にコムルを創設した。

不安を抱える患者や家族を支えるために常設の電話相談を始め、
医師たちとどう接したらいいかを一緒に考えた。
「患者は医療の消費者。お任せにせず、自分で判断しよう」と呼びかけ、
医療の在り方や治療法を学ぶ「患者塾」、
患者の目で医療機関を評価する「病院探検隊」などの活動を展開した。

私にとっては、大阪の頼もしいアネゴだった。
ある飲み屋さんの壁に、彼女と私のツーショット写真が掛けてある。
なぜ、そうなったのか・・・酔っぱらっていてよく覚えていないのだが、
十数年前に亡くなられた阪大名誉教授の中川米造先生の話をした記憶がある。
阪大、滋賀医大を拠点に中川教授は、
医療と社会、教育、哲学など幅広い領域で発信された。

このとき、彼女から聞いたエピソードがある。
中川教授は亡くなる直前に、「医療はほどほどのものと思え」
「患者こそ医療の主人公」という言葉を
改めて彼女に伝え直したのだという。
中川教授は、彼女に後を託したのだろう。

実は、盃を重ねていたとき既に、彼女は病魔に侵されていた。
「癌治療の後、私、回復にとっても時間がかかったのよ。
だからこそ、患者の立場から先生のご遺志をしっかり受け止めて、
周囲に伝える努力をしたい」と彼女は言い切った。
その声は、酩酊していた私の耳の奥にもしっかり残った。

ここでいくつか、辻本語録を引いてみたい。

「患者が医療の主人公になるために、できることは自分たちで努力し、
どうしてもできないことだけ専門家の助けを借りよう」

「果たすべき患者の責務もあるはずだ」

「国民皆保険の恩恵に浴し続けて50年、
私たち患者は受け身のままに甘えきってきた」

「患者と医療者がそれぞれの立場と役割の違いを認め合い、
尊重しあって、協働する」

「何より医療が不確実性と限界性を伴っている現実を
もう少し患者が理解し、期待と依存の呪縛から立ち上がること。
その上で一人ひとりがそれぞれに“どういう医療を受けたいか?”を
意識して、言語化すること。
さらには医療者と協力関係を築く一方の担い手となるべく、
コミュニケーション能力を身につけるための努力をする。
こうした自らの医療ニーズを見つめ直すことと、果たすべき責務を
考えることから、患者の自立の第一歩がスタートすると思います」

彼女は「医者にかかる10カ条」を次のように掲げていた。

1.  伝えたいことはメモして準備
2.  対話の始まりはあいさつから
3.  よりよい関係づくりはあなたにも責任が
4.  自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報
5.  これからの見通しを聞きましょう
6.  その後の変化も伝える努力を
7.  大事なことはメモをとって確認
8.  納得できないときは何度でも質問を
9.  医療にも不確実なことや限界はある
10. 治療方針を決めるのはあなたです

彼女の言葉をこうして再録することは、
私にもバトンが渡されたということなのだろうか。

辻本姉、安らかにお眠りください。

=======

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace


Leave a Comment so far
Leave a comment



Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s



%d bloggers like this: