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国会に「日米地位協定委員会」を設置し、日米合同委員会の全面的な情報公開を by limitlesslife
January 10, 2017, 1:47 pm
Filed under: 日米
・今こそ国会議員がチェック機能を果たすべき

国会に「日米地位協定委員会」を設置し、日米合同委員会の全面的な情報公開を
進め、合同委員会のあり方を根本的に変える。
「憲法外機関」になってしまった日米合同委員会を、
憲法による「法の支配」のもとに置く。
そのためには、日本側の大幅な政策転換が必要ですが、
地位協定の改定までしなくてもできることです。

ただ、日米地位協定第二条を変えて、米軍基地や演習場の提供は
「国会の審議・承認を通じて両国政府が締結しなければならない」
としたり、第二五条を廃止して日米合同委員会そのものをなくしたりするには、
地位協定を改定しなければなりません。

しかし現状では、日本政府が大幅な政策転換や地位協定の改定に向けて
動きだす様子は見られません。
凶悪な米兵犯罪や米軍機墜落事故などが繰り返されても、改定ではなく
「運用の改善」でお茶を濁し、アメリカ側に「好意的配慮」を求める
その場しのぎですませています。

これまで沖縄県や神奈川県など米軍基地をかかえる自治体や、
日本弁護士連合会などが、米軍優位の不平等な地位協定の抜本的改定を提唱し、
政府に対して要望するなどしてきましたが、
日本政府の後ろ向きな姿勢は変わりません。
そうした政府の姿勢の背後には、日米合同委員会を通じて米軍と密接な
関係を持つ外務官僚中心の官僚グループの意向もあるのではないでしょうか。

だから、大幅な政策転換や地位協定の改定に向けて、
事態を打開するためには、与野党を問わず国会議員のなかから、
「日米地位協定委員会」設置への動きが起きるべきです。

これまで、国会では野党議員から、日米合同委員会の議事録や合意文書の
公開を求め、米軍優位の不平等な合意・密約を追及する質問や質問主意書
の提出が繰り返されてきました。

しかし、歴代の自民党政権は日米合同委員会のあり方を容認し、
地位協定の解釈・運用を外務官僚を中心とする官僚機構の手に委ねてきました。
だから、時の大臣たちも官僚の指南に従い、『日米地位協定の考え方』や
『法務省秘密実務資料』などの裏マニュアルに沿った政府答弁をしてきたわけです。
日米合同委員会の関連文書の情報公開にも背を向け、
官僚機構の秘密主義を認めてきました。
そのため、自民党が多数派を占める国会では、日米合同委員会の情報公開、
合意・密約などの実態解明が進みません。

しかし、与野党を問わず国会議員は本来、憲法にもとづき主権者・国民に
選出された代表として、「憲法外機関」となって立憲主義を侵食する
日米合同委員会のあり方を許してはならないはずです。

地位協定の解釈・運用を日米合同委員会に拠る外務官僚らに独占させて
いいはずがありません。
米軍人との密室協議で、「憲法体系」を無視・超越するような合意・密約
を結ばせてはいけないのです。
領土・領海・領空の一部を外国軍隊に提供するという国家主権に関わる
重大な決定を、日米合同委員会の手に委ねるのではなく、
国会で審議し判断すべきです。
それが憲法に規定された本来の主権在民のあり方です。

与党・野党に関係なく、主権者を代表して、国会議員が国権の最高機関
の一員として、今こそチェック機能を果たすべきなのです。
そのために、日米合同委員会の実態解明、議事録や合意文書の情報公開要求、
そして「日米地位協定委員会」設置に向けて、超党派の勉強会づくりから
始めてはどうでしょうか。
そこでは、過去に野党議員が国会質問などを通じて得てきた、
日米合同委員会に関する情報の共有もなされるでしょう。

・真の主権回復と主権在民の実現が課題

もちろん、そうした動きをバックアップする日本社会の問題意識と世論の高まり、
国民・市民の支持も欠かせません。
そのためにはまず、本書でその一端を明らかにしたような、
米軍優位の不平等な合意・密約をつくりだす、日米合同委員会の実態が
広く知られることが必要です。

日米安保の問題など日米関係はどうあるべきか。
人によってさまざまな考え・意見があって当然です。
ただ、それを考え、意見を交わし、判断するためには、公文書など関連情報が
十分公開されていることが大前提になります。
その意味からも、日米合同委員会の議事録や合意文書などの全面公開が必要です。
全面的な情報公開がされてこそ、国民・市民が主権者として日米合同委員会を
チェックし、国政をチェックする力をより発揮できるのです。
政府には国民・市民の「知る権利」に応えて、説明責任を果たす義務があります。

また、過去に日本の官僚機構のなかから、米軍優位の不平等な行政協定
(現地位協定)の抜本的な改定要望が発せられたという歴史もあります。
現在の官僚機構のなかからも、
その思いを受け継ぐ新たな声がぜひ上がってほしいものです。
このような不平等な状態のままでいいとは思わない官僚たちもきっといるはずです。

結局、日米合同委員会をめぐる問題を通して浮き彫りになる日本という国の
課題は、真の主権回復と主権在民のより確かな実現です。
本当に「日本を取りもどす」というのなら、日米合同委員会の改廃は
避けて通れない問題であることにちがいありません。

そして問題は、日米合同委員会のことだけにとどまりません。
すでに七〇年以上も外国軍隊の基地が国内に置かれ、外国軍隊が事実上の
治外法権を保障されてフリーハンドの軍事活動を続けている状態を、
ずっと放置したままでいいのかどうか、という根本的な問いの前に
いま私たちは立たされているのです。

(了)

「日米合同委員会」の研究 謎の権力構造の正体に迫る 吉田敏浩著 創元社

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MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace


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