福島第一原発から最も近い病院の院長が火事で急逝した。  

福島第一原発から最も近い病院の院長が火事で急逝した。
六日の本紙「斜面」が取り上げた、福島県広野町の高野英男院長だ。
全国から応援の医師を募っているのを知り、二十二日の当直を引き受けた。

カルテに残る高野院長の筆跡は細く薄いが、弱い立場の人への慈愛に溢れていた。
回診すると、百人弱の入院患者は「いつまでこの病院にいられるのか」と不安げだ。

もともと人口五千人余りの広野町。
すでに二千八百人が帰還し、さらに約三千人の復興関連作業員が加わった。
作業員は、職を失う不安からなかなか体調不良を言い出せず、
いよいよ動けなくなってから救急車で運ばれてくる。
急拡大する医療ニーズに、八十一歳の院長は命を削って孤軍奮闘した。

この地域に生活する方たちにとってどういう医療が必要なのか、
ここに暮らす方たちが改めて声を上げて欲しい。
そして、町も県も、また「へき地」でつくられた電気を消費する
日本全国の人々も、その声なき声に耳を澄ませるべきだ。

院長は電話がいつ鳴るか知れず、震災後はついぞ酔えなかったという。
お手伝いが遅くなりましたが、どうぞゆっくり飲んで、お休みください。
お疲れ様でした。合掌。

南佐久郡 座光寺正裕 (医師・33)

(信濃毎日新聞 2017年1月26日朝刊)

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace

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