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「所長の命令に違反した撤退」は揺るぎない事実であると論証 by limitlesslife
March 12, 2017, 12:13 pm
Filed under: 福島原発事故, 東電(東京電力:TEPCO)

新シリーズの開始にあたって

2015年2月号から2年にわたって本誌で連載された
「解題『吉田調書』」では、事故対応の現場責任者、
吉田昌郎・東京電力福島第一原発所長への政府事故調による
聴取結果書の読解をもとに、事故の真相を探る努力を続けてきた。

提示された主な論点は三つ。

第一は本年2月号の海渡雄一氏と添田孝史氏の対談でも述べられた
ように、「2008年の時点で東電は津波対策の重要性を十分に
認識し、具体的な対策もたてながら意図的に怠った」こと。
これは検察審査会の議決書や東電株主代表訴訟の証拠などから
明らかになった事実だが、同じ資料を前に政府事故調が
「(東電は)対処方策を検討することを全く考えていなかった」
と認定したことの問題点を突き付けている。

第二は田辺文也氏が四回にわたって論証した
「事故時操作手順書がないがしろにされた」問題。
東電が保安規定で定められた手順書を参照せずに、
場当たり的な事故対応を行なった結果、
本来なら防ぐことができた二号機、三号機の炉心溶融
を招いた可能性が大であることを証した。

そして第三が事故直後の3月15日早朝に福島第一原発作業員650人
が所長の命令に違反して「撤退」した問題。
2014年5月、朝日新聞記者が「吉田調書」を入手して報じたが、
他メディアなどからのバッシングを受け、朝日新聞は
「誤解を招いた」として記事取り消しと記者の処分を行なった。
だが「東電テレビ会議記録」や「柏崎刈羽メモ」など他の資料を検証すると
「所長の命令に違反した撤退」は揺るぎない事実であると論証された。

これらの三点は政府、国会事故調がともに踏み込まず、その後
日本中のメディアが沈黙し、隠ぺいに手を貸した「重要案件」である。
と同時にその向こうには事故の真相にとどまらない、これまで
目を背けてきた原子力平和利用国家・日本の赤裸々な姿が垣間見える。

新シリーズ「吉田調書を超えて」は、前シリーズ「解題」を通じて
見えたこの国の原子力をめぐる根本問題を掘り下げる。
第一回は「撤退問題」の奥に仰臥(ぎょうが)する
「誰が、とうやって事故を収束するのか」という命題について考える。

(福島原発事故を考える会=企画協力)

【「世界」2017年4月号掲載・新シリーズ連載開始
吉田調書を超えて 第一回「原発事故の収束は誰が担うのか」七沢潔】

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace

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