学校法人「森友学園」との関係を国会で断定調で否定してきた稲田朋美防衛相が一転、裁判を通じた籠池(かごいけ)泰典理事長との関係を認めた。稲田氏は「記憶違い」と釈明し、安倍晋三首相も擁護したが、野党は自衛隊を指揮する防衛相の「虚偽答弁」は許されないとして辞任を要求。政府答弁そのものの信用性が問われかねない事態になった。

14日の参院予算委員会。籠池氏の法律相談を受けたり裁判を担当したりしたことがない、との事実に反した答弁を前日にした理由を問われ、稲田氏は両手に握りしめた答弁書に目を落としながら答えた。

「委員会の場で突然、質問があったので、私の全くの記憶に基づき答弁をしたものです」

これに対し、民進党の舟山康江氏は今月6日にも民進議員が同じ質問をしていたことに触れ、「『突然』ではない。前にも同様の質問が出て、『法律相談を受けたことはない』と答弁していた」と矛盾を指摘。「なぜ確認もせず、記憶のみで断定して、国会で発言したのか。虚偽答弁だと認めるか」と迫った。

しかし、稲田氏は「私の記憶では、今も籠池氏から法律相談を受けた記憶は全くありません」と述べ、故意のウソではなかったと強調。「証拠が出てバレたから謝ろうで済むなら、(答弁の)すべてが信じられない」と閣僚としての資質に疑問を投げかける舟山氏に対して、「記憶違い」「おわびする」と繰り返し、籠池氏との関係を自ら説明しようとはしなかった。

ログイン前の続き教育勅語を使った学園の教育方針を評価していた稲田氏と籠池氏との関係については、先月23日の衆院予算委を皮切りに野党議員の追及が相次ぎ、稲田氏はそのたびに「10年ほど前から関係を絶っている」などと関係性を強く打ち消してきた。「2年か1年前に会合でお目にかかって直接話した」という籠池氏の説明に対しては「ここ10年来、全く会っていない」との説明を続け、この点は依然として食い違っている。

異例の手法を使い、周辺地より安い価格で売買契約を結んだ森友学園の国有地売却問題。最大の焦点は、政治家の関与の有無だ。政権が交渉経過の面会記録を「破棄した」などと主張し、国民からその説明に疑念を持たれているなかで、稲田氏の虚偽答弁疑惑は「説明の信用性をいっそう揺るがせ、政府にとって痛手となる」(国会関係者)事態を招きかねない。

また、国権の最高機関である国会の答弁には重みがあり、政策の事後検証にも欠かせない。議場での言葉の信用が失われれば、国会審議自体が成り立たなくなる。2000年には、虚偽答弁がきっかけで森内閣の中川秀直官房長官(当時)が更迭された例もある。

14日の与野党国会対策委員長会談では、民進、共産、自由、社民の4党が、「明確な虚偽答弁だ」(民進の山井和則国対委員長)として、稲田氏の辞任を要求。自民党竹下亘国対委員長は「任命権者の首相は『引き続き仕事をしてもらいたい』と衆院本会議で答弁し、防衛相自身も職務を全うしたいと言っている。辞任を我々に求められても応じることはできない」と突っぱね、籠池氏ら6人の参考人招致も拒んだ。(南彰)

■後ろ盾は首相

「あれだけ自信満々だったのに記憶違いとは、辞任もんだ」。稲田防衛相の答弁撤回をめぐり、自民党幹部はこう漏らした。背景には、今国会で稲田氏の言動がたびたび問題を引き起こしてきたことがある。

陸上自衛隊が参加する南スーダン国連平和維持活動(PKO)では、派遣部隊の日報をめぐる大臣報告が約1カ月もかかり、省内を掌握していない状況が浮き彫りになった。日報にあった「戦闘」という記載への認識については「国会答弁では憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではない」と述べ、批判された。

森友学園の幼稚園で教育勅語を素読させている問題でも、稲田氏は「教育勅語の精神は今も取り戻すべきだ」などの見解を表明。野党は不適切だと批判を強めた。ここ数日は、政治家として学園との関係が焦点になっている。

稲田氏は14日朝、首相官邸で首相と面会し、「まったく記憶にない。事実関係を調査している」と伝え、その後答弁を撤回した。そんな稲田氏を首相は擁護し、続投させる考えを示した。自民党二階俊博幹事長も14日の記者会見で「この程度のことで国会審議が止まってはならない」と述べ、早期の幕引きを図る構えだ。

政府・与党内で稲田氏の擁護論が根強いのは、政治信条や国家観が近い稲田氏を「後継カード」として手元に置き、後ろ盾になっている首相の存在があるから。首相は第2次政権発足後、稲田氏を行革担当相に続いて自民党政務調査会長に登用。昨夏の内閣改造では女性2人目となる防衛相に抜擢(ばってき)した。稲田氏の進退に触れれば「1強」の座にある首相の任命責任に直結しかねず、政権内から表立って「稲田批判」が起きにくいというわけだ。

また、野党による連日の追及にもかかわらず、内閣支持率は大きく落ち込んでいない。国会審議をめぐっても「野党は一通り追及して終わりだろう」(自民党幹部)と、森友問題が決定的な打撃にはならないとの読みも見え隠れする。

とはいえ、「専門的な防衛分野でいきなり閣僚になった稲田氏の立場はつらい」(防衛省幹部)だけに、辞任を求める野党の攻勢次第で、稲田氏が当面の政権のリスクであり続けることには変わりない。(岩尾真宏)

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コメント:十年以上の事は完全に記憶と豪語(2004年の裁判記録で撤回)、10日もしない国会答弁(3月6日の国会質疑で法律相談受けたことないか、と同じ質問14日に対し)を完全に忘却と綺語、これは偽証罪に問われないための詭弁!