永岡です、毎日放送のニュース「VOICE」、先週関西テレビのワンダーでも取り上げられた、和歌山カレー事件のこと、死刑囚Aさん(番組では実名でしたが、私人の実名表記の必要はないと考えて、ここではアルファベットにします)のこと、息子さんのCさん(番組では仮名でした)の証言がありました。
Cさんは今年30歳、事件当時10歳で、今は産廃の運搬をして、同僚にはAさんの息子とは伝えておらず、社長には伝えているものの、知られたら、という恐怖もあるのです。
98年の和歌山カレー事件、当初迷宮入りかと思いきや、Aさんと夫のBさんが、同居人に砒素を飲ませて保険金詐欺と分かり、その後、報道が過熱して、Cさんの証言だと、AさんにBさんが、お前がやったのとか問うと、そんな一銭にもならないことをしないというのです。しかし、98年10月の早朝に、捜査員がガサ入れでCさんもたたき起こされて、この日Cさんは運動会で、Aさんに来てくれるかと言ったらOKであったのが、Aさんとの家での最後の会話で、その後Aさんはカレー事件で、Bさんは保険金詐欺で起訴されて、Aさんは2009年に最高裁で死刑が確定しましたが、弁護団(死刑弁護士こと、安田先生が主任弁護人)は再審を求めています。
Cさんは、ガサ入れ時に、捜査員に2週間分の着換えを持って来いと言われて、ゲーム機の携行は許されず、2週間で帰れると思ったら、永久に帰れない、まるで原発事故の避難みたいで、そして2000年にAさんBさんの家は放火されて、殺人犯と誹謗中傷の落書きの乱舞した家は全焼、Cさんは帰れなくなりました。
Cさんは、児童保護施設に入れられて、金曜日にカレーを食べる際に、園長に持って行ったら、ヒ素が入っていないかと誹謗中傷されて、さらに同級生に、カレーにお菓子の乾燥剤を入れられて、口がただれて嘔吐、もうムチャクチャであり、その後、飲食店でバイトしたら、顔見知りがAさんの息子と陰口をたたき、それでバイトを首になったのです。
Cさんは、半年前にAさんに会い、死刑執行を心配しない様子であり、ネットでは、Aさんの次女がカレーの見張りをしており、Aさんが次女をかばっているとの書き込みもあるものの、Cさんは、Aさんは次女をかばうようなことはせず、またCさんが転んでけがをしたら、松葉つえをついて大けがを装い、保険金詐欺を図ったともいうのです。
この件、最高裁で死刑確定も、動機は分からず、そして、死刑の根拠は、先週のワンダーでも報じられた中井氏の鑑定ですが、これは本人がこれによりAさんの家にあった砒素と、犯行に使われたヒ素と同一とは自分は鑑定できない、それは捜査機関の判断として、要するに当初の証言を撤回→犯行に使った砒素が同じ商品の別のドラム缶から入れられた可能性を否定できないとコメントして、しかし中井氏はかつて、犯行に使われた砒素と、Aさんの家にあった砒素は同一と証言しており、つまり唯一の根拠の崩壊→中井氏が自分の過ちを認めたことになるのです(これは、Aさんの支援の、あおぞらの会の冊子にも大きく載っています、http://masumi-shien.com/ )。Cさんは、Aさんが砒素を入れる理由がわからないと言い、Cさんは、今も問い続けて、これは三澤肇デスクの報告で、弁護士の森直也さん、事件には過酷なものがあると指摘されて、三澤さん、4人が亡くなったものの、Cさんは過酷な境遇を生きて、憎しみもないと言われて、29日に和歌山地裁は再審の可否を下し、唯一の根拠である砒素の鑑定は、京大の河合さんの鑑定で覆っています。
この件は、私もAさんの再審に関わり、大阪拘置所のAさんに手紙を書いたこともあり(今は自身、母の介護などでやれていない)、しかし98年当初の報道はもう狂乱報道であり、週刊文春はAさんを誹謗中傷する別冊も出して、これは当時、95年のオウム事件や、97年の神戸児童殺傷事件が落ち着いて、週刊誌やワイドショーが売れなくなり、Aさんの誹謗中傷で売り上げを立てようとした面があり、これに対抗して、人権と報道連絡会の浅野健一さんや山口正紀さんたちがカウンター行動をされて、そして先週のワンダーでBさんも証言していた通り、過熱報道で誰か逮捕しないと収拾がつかなくなり、このような結果になったわけで、中井氏の鑑定は、私も化学の専門家で、これはおかしいと思い、そうしたら先週、中井氏が根拠を否定したわけであり、私も一時は安田先生たちと活動して、日本の警察、検察の問題は、95年の東大阪市の女児焼死事件でも問題があり、再審すべきです。警察、検察が挙げるべきは、Aさんではなく、ASSです!以上、VOICEの内容でした。