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脱貧困、農と食学ぶ アジア、アフリカ、南米から那須塩原に by limitlesslife
April 16, 2017, 12:46 am
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脱貧困、農と食学ぶ アジア、アフリカ、南米から那須塩原に
読売新聞 2013年09月07日

JR西那須野駅から北東に約3キロ。小高い丘に広がるキャンパスの朝は、午前6時
半のラジオ体操で始まる。

今年度の第41期生は、アジア、アフリカなど16か国の31人の本科生と、本科を
卒業した研究科生1人の計32人。エクアドルからも初めて迎え、日本人も3人が入学
した。朝のグラウンドにはこれら学生のほか、教職員やボランティアら約40人も作業
着姿で集まってきた。

体操で体をほぐすと、あらかじめ学生が決めた分担に従い、約6ヘクタールのキャン
パスに散らばる。農業施設の清掃、家畜の世話、朝食の準備――。コミュニティーを維
持するための作業に総出で取りかかる。そして、ともに朝食を取る。学院ではこれらを
、「フードライフ・ワーク」と呼んでいる。食べること、生きること、それを維持する
ための働きは一体――との考えによるものだ。夕方にも、野菜の収穫、雑草取り、秋野
菜をまくための準備を進めた。

大津健一校長(70)も、学生らと一緒に農作業に汗を流し、時には農業研修棟やト
イレの清掃にも励む。「3K」と呼ばれる作業であっても、歴代の校長、教職員問わず
、「当たり前のこと」として取り組んできた。入学して間もない学生は、これに驚き、
触発される。

野菜栽培に人一倍熱心なインド人の男子学生ラルミンタンガ・サイロさん(38)は
インド東部のミゾラム州からやって来た。村は、農業用水が乏しい山間部。かろうじて
栽培できるショウガやトウガラシなど香辛料を州外の市場で売って生計を立てているが
多くは貧しい。「あまり読み書きができず、交渉力がないためいつも安く買いたたかれ
てしまうのです」。学院で過ごして5か月。「初めて見る野菜も作った。帰国したらい
ろんな作物を導入してみたい」と、村が自立できる農業を探る。

副校長荒川朋子さん(46)は1974年6月発行の学院機関紙「アジアの土」第1
号のコピーを大切に保管している。それには、学院を創設した高見敏弘さん(86)の
巻頭言が並ぶ。

〈人類が直面する最大で最も深刻な問題は人口と食糧問題。しかし、食糧生産能力に
は限界がある〉

〈われわれは『乏しさを分かち合う』ことで人類の未来がある。貧しいアジアの民衆
から学ぶことが多くある〉

〈最も困難な農村地域社会で献身的に働くリーダーの養成、人間開発こそが、人口問
題解決のカギなのです〉

荒川さんは、「39年前の創設者の言葉は今も全く色あせていない」と話す。

今年度も、各国の若者らが、40年前と変わらぬ夢を抱いて学院の門をたたいた。「
貧困層のためになる農法を学びたい」(タイの男性)、「飢餓に苦しむ人々に、十分な
食料を提供できるようにしたい」(ウガンダの女性)。

本科生の内訳は男17人、女14人。年齢は20~46歳。日本人を除く28人は、
各国の各種団体から推薦を受けた。国籍はもちろん、民族、宗教、習慣、価値観などは
異なる。キリスト教徒に、ヒンズー教徒も仏教徒も交じる。共通語は英語だが、苦手な
学生もいる。「人といのちを支える食べものを大切にする世界を作ろう」。その理念の
もとで、卒業する12月までの9か月間、様々な経験を積んでいく。

◆原点キリスト教/寄付で運営

アジア学院の出発点は、東京・町田市にある農村伝道神学校の「東南アジア農村指導
者養成所(のちに東南アジア科)」だ。1959年にマレーシアで開かれた東アジアキ
リスト教協議会総会で、経済成長著しい日本に農村伝道師の養成を求める決議があり、
翌年、同校に設置された。第2次世界大戦で日本がアジア各国を侵略したことに対する
日本のキリスト教団体の贖(しょく)罪の形だった。

学生はキリスト教徒に限られ、62年からは夏季に那須塩原市内の農家で、農業研修
を行うようになった。一方で、同神学校は財政的に行き詰まっていた。73年、同校の
東南アジア科主事だった高見敏弘さんが中心となって同科を分離し、準学校法人アジア
学院「東南アジア農村指導者養成所」を現在の地に開校した。第1期生16人の出身地
はインド、韓国、タイ、マレーシア、日本など。宗教にこだわらず受け入れた。

高見さんは前年の72年、竜巻と大洪水に見舞われたバングラデシュに、復興農業奉
仕団長として約50人の農業技術者、学生らとともに出かけた。4か月にわたり現地の
農民とともに、日本の援助で送られながら野ざらしのままだった300台の耕運機を整
備、農村の復興作業に当たった。この奉仕団は、わが国初の民間による国際協力ボラン
ティア活動といわれている。この縁で、第1期生にはバングラデシュからも3人を迎え
入れた。

学校は、国内外のキリスト教などの団体や一般企業、個人からの寄付金などで運営し
、公的補助は受けていない。途上国からの学生の場合、1人あたり年間約160万円の
学費は、学校側が負担している。

◆学院メモ 学生は、寮に起居しながら共同生活を送る。食事は日曜日の昼食を除き
、コイノニアハウスにある食堂でとる。「コイノニア」はギリシャ語で「交わり」の意
。学生は月1万6000円支給される奨学金を、日曜日の昼食代、衣類等の購入費に充
てる。学内には古着を扱うブティックや、学生と教職員で構成する信用組合があり、学
生がカメラなど高額な商品を購入する場合、ローン返済計画書を提出させて貸し出す。
学生の中には、奨学金の一部を仕送りする学生もいる。

MLホームページ: http://www.freeml.com/uniting-peace

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